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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ジェスカイ・コンボ:今何マナ出るんですか?(スタンダード)
先日、今後の競技イベントについての発表があったね。祝・プロツアー復活!
テーブルトップ、つまり紙のマジックを用いた選手同士が面と向かってゲームを行うあの空気感が、いよいよ帰ってくるんだなぁ。僕自身はプレイヤーとして参加したことがないイベントだが、サイドイベントに遊びに行ったり、あるいはお仕事として、かつてのプロツアー会場にはお邪魔させてもらっていたものだ。
賞金と名誉がかかった、ここで勝ったプレイヤーはまさしくプロと呼ばれるにふさわしいトーナメントであるプロツアー。世界中から招待枠を勝ち取った強豪中の強豪が集うその会場の雰囲気は……という話は長くなりそうなので割愛(誌面の都合だ)。
ではこのプロツアーの復活は、一般的なプレイヤーにとってどのような影響があるのか? ガチガチにやっていないよという層に対しても、実は結構プラスな話なのだ。
プロツアー=プロになりたいプレイヤーたちが目指すべき場所が「紙のマジック」をプレイすることで切り開かれる。その道のりは長く険しいものだが、スタートは各々の近隣のショップから始まることになるだろう。予選に出なくちゃならないからね。
ショップで予選が開催されるとなると、単純に人が集まる。予選だけでなく、その直前などはフライデー・ナイト・マジックのようなちょっとした大会でも、大一番のための調整を兼ねて参加するプレイヤーが増えることになる。コミュニティが活気づくってわけだね。
プレイヤーと遊ぶ機会が増える、これ以上何を望むか?ってぐらい、マジックにとっては大事なこと。これがプロツアーの帰還によって加速することを願ってやまないね。
テーブルトップの活気が増すにつれ、MTGアリーナからマジックを始めたプレイヤーがいよいよと良い機会だと紙の世界に参入してくるケースも増加すると思われる。そういうプレイヤーに注意してほしいのは……当たり前だが、アリーナと紙は別物だということ。
何でも自動的にやってくれるアリーナと違って、シャッフルやタップといった物理的な処理を全部自分でやらなくてはならない。これは当たり前のことのように思えるけれども、慣れるまでは時間がかかってしまうかもしれない。大丈夫、焦らずに確実に慣れていこう!
それからトークンやカウンターといった、カード以外の何かを示すアイテムも自分で用意しなくてはならない。勝手にそれらが生えてくるアリーナって、本当に便利な存在だよな。
さらに言えば、ゲーム中、今現在どのような状況になっているかということもすべて自分で把握していなければならない。今自分はどの色のマナをいくつ持っているか、このターンに呪文を一体何回唱えたか、呪文のコピーは全部いくつあってどれだけ解決されていないか……すべて、自分でしっかりと管理しなくてはならない。
たとえばこのデッキを使う時などは特に。
1 《島》 1 《山》 4 《嵐削りの海岸》 4 《河川滑りの小道》 3 《連門の小道》 4 《針縁の小道》 1 《ストーム・ジャイアントの聖堂》 -土地(18)- 3 《くすぶる卵》 4 《黄金架のドラゴン》 4 《溺神の信奉者、リーア》 -クリーチャー(11)- |
3 《消えゆく希望》 3 《棘平原の危険》 4 《表現の反復》 3 《感電の反復》 3 《セジーリの防護》 2 《ジュワー島の撹乱》 2 《自身の誇示》 1 《軽蔑的な一撃》 3 《プリズマリの命令》 1 《錬金術師の計略》 1 《カズールの憤怒》 1 《シルンディの幻視》 4 《予想外の授かり物》 -呪文(31)- |
1 《くすぶる卵》 1 《消えゆく希望》 3 《燃えがら地獄》 3 《軽蔑的な一撃》 2 《勇敢な姿勢》 1 《才能の試験》 4 《多元宇宙の警告》 -サイドボード(15)- |
スタンダードの「ジェスカイ(青赤白)コンボ」だ。
このデッキ、アリーナで回してみるのと紙のカードでやるのとじゃ勝手が違うデッキの代表みたいなところはあるな。自動処理のありがたさに気付かされること間違いなしだ。大抵のコンボデッキというものは紙のカードでプレイする時に注意するべきことは多いものだが、この手のデッキは数字を1つ間違えるだけで勝敗に大きく影響するので、気を引き締めて用いねばならない。
ではその勝利への道筋を確認しよう。まずコンボの絶対的キーカードは《黄金架のドラゴン》。
コンボとか抜きにしても5マナ4/4飛行・速攻というスペックが素晴らしいので、あらゆる赤いデッキからお呼びがかかる1枚だ。このドラゴンは攻撃時、あるいは呪文の対象になった際に宝物・トークン1個を生成する。そしてドラゴンの能力により、それらの宝物から通常の倍、1色のマナを2つ得ることが可能となっている。
コンボとしてはこの宝物生成およびマナ倍加能力を用いることになる。もったいぶらずに明かすと、《自身の誇示》と組み合わせる。
このインスタントはそのターンに唱えたインスタント&ソーサリーの数だけコピーが発生する。ある程度唱えた上で《自身の誇示》を黄金架を対象に唱える、コピーも全部黄金架へ。すると……大量の宝物を得ることができる。
そこからマナを大量に得て、ドローなどを連打し、また《自身の誇示》2枚目に繋いで…というのがコンボの肝の部分だ。
+1/+1カウンターを大量に得た黄金架で一撃で決めるもよし、《錬金術師の計略》で追加ターンを挟んで二撃もよし、《カズールの憤怒》でぶん投げてもよし……嗚呼、どれもこれも気持ちいいぜ。
《表現の反復》《予想外の授かり物》《感電の反復》などでインスタントとソーサリーを連打し、マナ基盤を確保してからコンボに臨む。
《溺神の信奉者、リーア》で墓地を再利用するのもコンボを後押しするエンジンとなる。
ここまで書いたらわかるかな? これ、しっかりとメモなど取ってこのターンにどれだけの呪文が唱えられているか、つまり《自身の誇示》でコピーがいくつできるかは、自分できちんと把握していなければならないのだ。
また、宝物から何色のマナをいくつ出している状態なのかも、自分と対戦相手両方に視覚的にわかるように管理していなければならないね。
せっかくの楽しいマジック、トラブルはごめんだからね。アリーナでデッキの回し方がわかったら、紙のデッキで回す時にどのように自分で全ての工程を処理するかも練習しておこう。
慣れないうちにミスをするのは誰もが通る道なので、過度に恐れずに真面目に取り組んでいこう! さあ、近くのショップに遊びに行こう!
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