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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
「デルバー」2選。青と赤、この2色があれば十分!(レガシー&スタンダード)
今のレガシーの定番デッキは?と問われれば、やっぱり「デルバー」かなぁ。イゼット、UR、表記に複数種類はあるが、いずれにせよ青をメインに赤を足したデルバー・デッキが主流だ。
デルバーとは《秘密を掘り下げる者》の英名由来の愛称。
これで1ターン目をスタートし、《渦まく知識》や《思案》でライブラリーを操作→デルバーを《昆虫の逸脱者》に変身させ、早いターンから3/2飛行で攻撃を仕掛けていく。
自身のデッキは1~2マナの軽いカードで固めて手数で押し、相手の行動は《目くらまし》《意志の力》で打ち消し、《不毛の大地》でいつまでもゲームを「序盤戦」のままに固定して押し切る。
この伝統的な戦法はデルバーの初登場時以来続いているもので、その間にデッキリストも紆余曲折を経てきた。
そもそも初期のデルバーデッキは青赤2色ではなく、緑を足して《タルモゴイフ》を用心棒として雇っていた。青赤だけではどうしても軽くて打点のあるクリーチャーが足りなかったからだ。
後に緑を黒に代えて《グルマグのアンコウ》にしたり、色を足すことで打点を補うのはデルバーデッキの基本であった。
しかし2022年現在、もう3色目がなくとも十分に強力なクリーチャーを擁するデッキになった。
1 《島》 4 《Volcanic Island》 1 《蒸気孔》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 2 《霧深い雨林》 1 《神秘の聖域》 4 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《ドラゴンの怒りの媒介者》 1 《厚かましい借り手》 4 《濁浪の執政》 -クリーチャー(13)- |
2 《ミシュラのガラクタ》 4 《稲妻》 1 《稲妻の連鎖》 1 《紅蓮破》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《目くらまし》 4 《表現の反復》 4 《意志の力》 -呪文(28)- |
2 《外科的摘出》 3 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 2 《祭典壊し》 1 《発展の代価》 2 《否定の力》 1 《狡猾の宮廷》 1 《水没》 2 《溶融》 -サイドボード(15)- |
赤には《ドラゴンの怒りの媒介者》が加わった。
デルバーと同じく1マナでパワー3の飛行になり得る高打点が売りで、《渦まく知識》《思案》でドローを進め《稲妻》で除去してと動いている間に、この媒介者の諜報能力で墓地が増える。《ミシュラのガラクタ》までも採用することで、昂揚させて3/3飛行に成長するのを後押しだ。
そして増えた墓地はこの媒介者のためだけでなく、青に加わった新たなハードパンチャー《濁浪の執政》を唱えるためのコストにもなる。
本来7マナと重いが、探査能力によって最少2マナという激軽コストまで軽減可能だ。3/3飛行という基本性能に加えて、探査などで追放した墓地のインスタント&ソーサリーの数だけ+1/+1カウンターが置かれるという、こちらもかなりの打点を期待できる逸品だ。デルバーと媒介者でジャブだと言わんばかりに刻んで、この執政で渾身のストレートをぶちかます。今のデルバーの基本形がこれだ。
赤を使う理由は除去でありライフを詰める飛び道具にもなる《稲妻》《稲妻の連鎖》、そしてレガシー最強の打ち消し or 除去とも言える《紅蓮破》《赤霊破》を用いることが可能だからだ。
それに加えて近年は《表現の反復》も加わった。
2マナにして在りし日の《時を越えた探索》かのような質・量ともに優れたアドバンテージをもたらす、ちょっとしたぶっ壊れカードだ。
上記のリストではサイドボードにさらなる火力として《発展の代価》を採用したり、またこのリストには見られないが《狂乱の呪詛》というクリーチャーとは別ベクトルでライフを削る手段を設けていたりする。青と赤、テクニカルなカードにあふれた2色の組み合わせでゲームを支配するのだ。
4 《島》 4 《嵐削りの海岸》 4 《河川滑りの小道》 1 《ストーム・ジャイアントの聖堂》 1 《バグベアの居住地》 1 《天上都市、大田原》 -土地(15)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《幽体の敵対者》 2 《血に飢えた敵対者》 2 《心悪しき隠遁者》 2 《怪しげな密航者》 2 《過充電縫合体》 -クリーチャー(16)- |
4 《考慮》 4 《消えゆく希望》 2 《呪文貫き》 2 《棘平原の危険》 4 《ジュワー島の撹乱》 4 《表現の反復》 1 《渦巻く霧の行進》 4 《鏡割りの寓話》 2 《地震波》 2 《海門修復》 -呪文(29)- |
1 《心悪しき隠遁者》 1 《怪しげな密航者》 2 《竜亀》 2 《炎恵みの稲妻》 1 《呪文貫き》 4 《軽蔑的な一撃》 1 《削剥》 1 《否認》 2 《地震波》 -サイドボード(15)- |
この青赤のデルバー・デッキ、現在スタンダードでも組むことが可能となっている。
上記のリストがそれで、他のスタンダードのデッキとは一線を画す独特の構成が思わず目を惹くものになっている。土地の枚数を大きく削って15枚、そこに8枚の両面カードを採用することで実質的な土地の枚数を保ちつつ、デルバーがアップキープにインスタントかソーサリーを公開して変身しやすいような作りになっているということだ。
打ち消しと除去で相手に対して最小限ではあるが妨害を仕掛けて、望み通りのゲーム展開を許さないうちにデルバーたちクリーチャーでなんとか押し切ろうという、デルバーらしい戦法を用いる。
ただレガシーのものほどは打ち消しや軽量の呪文に秀でているわけではないので、そこを埋める工夫は施してある。《鏡割りの寓話》とそれの変身した《キキジキの鏡像》によるコピーでアドバンテージを得ようという作戦だ。
最近アルケミーを中心に各フォーマットで流行っている決め技だが、このリストでは敵対者のコピーが一味違う恩恵をもたらす。
《幽体の敵対者》《血に飢えた敵対者》はどちらも戦場に出た際にマナを支払うことで強化される能力が誘発する。これを活かしてキキジキでこれらのコピーを作り、それらの能力を毎ターン再利用することでワルさしちゃおうぜというわけだな。
《幽体の敵対者》で相手のクリーチャーをフェイズ・アウトさせて攻撃やブロックを妨害したり、《血に飢えた敵対者》で墓地のインスタントやソーサリーを使いまわしたり。《過充電縫合体》のコピーで何でもひたすら打ち消し、ってのも最高だなぁ。
《秘密を掘り下げる者》と《表現の反復》というカードで共通するレガシーとスタンダードのデルバー・デッキ。もちろんパイオニアやモダンなどのフォーマットでも、同じカードを軸にしたデッキを組むことは可能だ。
それぞれの環境で理想のデルバーを磨き上げる。そういうマジックの楽しみ方も良いよなぁ。目指せ、青赤2色のデルバーマスター!
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