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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:碑出告が全てを貪る時! 対戦相手は敗北に沈む!(スタンダード)
さあ今週も行ってみよう、クールなデッキを紹介する金曜日!! 『神河:輝ける世界』という稀代のクールなセット、剥いてますかッッ?
……うん、クールな返事だ。このセットで驚いたのは、カードのバリエーションの豊富さ。1枚のカードに何種類ものイラストや枠の違うバージョンが素材する。コレクターはその魂に火が付くだろうし、そうでなくてもデッキ内のお気に入りのカードをちょっと違うバージョンでオシャレにして……みたいにクールに楽しめるのは良いことだ。
その中でも特に異彩を放つのは《貪る混沌、碑出告》。
このカードはアート違いで、かつ特殊な光沢を放つネオンインクが印象的な特殊なファイル加工のバージョンが存在する。しかもそのネオンインクのカラーバリエーションは何と4種類。「輝ける世界」という名に相応しい、煌びやかな特別版カード……アートもカッコいいし、何より神河を代表するクールなキャラクターである碑出告ってのが最高だよね。
- (参考記事)『神河:輝ける世界』をコレクションする
碑出告は神河の霜剣山に住まうオーガのシャーマンで、血と炎を操る魔術に長けている。「全てを貪る混沌の鬼」なるものを信仰しており、初代『神河』ブロックのストーリーでは主人公・梅澤俊郎の義兄弟として活躍したものだ……え、それから1000年以上経過してるんだが……一体何年生きてるの?
以前は鬼というデーモンを崇める立場だったが、《貪る混沌、碑出告》のタイプを見るに、ついに自分自身がデーモンになってしまったようだ。「全てを貪る混沌の鬼」に自分自身が進化しようというのか……それは《碑出告が全てを貪る》のカード名を見ても明らかなことだな。
この英雄譚は軽量パーマネントの除去と墓地追放というクールな役目を終えた後に《全てを貪る者の器》へと変身、クリーチャー化する。
この鬼に憑りつかれたオーガは、対戦相手にダメージを与えるたびにサイズアップ、また10点以上のダメージを1ターンで与えれば残ライフが10あろうが100あろうが、問答無用でゲームに敗北させられる勝利条件カードである。
正直なところ、10点与えればそれで勝ったようなもんだろうとオーバーキル気味に見える能力かもしれない。しかしそういうものを追いかけてこそ、クールなプレイヤーと言えるだろうね。
そんなわけで、今日はこの《碑出告が全てを貪る》で勝つことを狙ったクールすぎるデッキを紹介しよう!
4 《砕かれた聖域》 4 《日没の道》 3 《憑依された峰》 4 《陽光昇りの小道》 4 《針縁の小道》 2 《荒廃踏みの小道》 3 《目玉の暴君の住処》 -土地(24)- 4 《墨の決闘者、キリアン》 4 《光輝王の野心家》 2 《シルバークイルの口封じ》 2 《ヴォルダーレンの末裔、フロリアン》 2 《墓地の侵入者》 -クリーチャー(14)- |
4 《消失の詩句》 1 《セジーリの防護》 1 《勇敢な姿勢》 4 《天使火の覚醒》 4 《碑出告が全てを貪る》 4 《ケイヤの猛攻》 4 《スカルドの決戦》 -呪文(22)- |
2 《浅利の司令官、理想那》 2 《血の長の渇き》 2 《強迫》 3 《勇敢な姿勢》 2 《罠を探す》 2 《侮辱》 2 《地震波》 -サイドボード(15)- |
このクールなデッキは?
スタンダードの碑出告デッキ……何と呼ぼうか。色を伝えるために「マルドゥ(白黒赤)碑出告」……ってのもなんだかクールじゃないな。デッキのストーリーをしっかり伝えるためにも、もっとこうクールな……ね。《全てを貪る者の器》で10点ダメージ叩き込んで一撃で勝つ、それが狙いなので……マジックにおける一撃必殺を意味する「ワンショット」を採用したい。
「碑出告ワンショット」! 良いねぇ~デッキリスト一覧にこう表記されてたら、クールなデッキなのかなってリンク先に飛んじゃうよね。
では、そのワンショットはどのようなもんなのか、とくとご覧いただこうじゃないか。
どこがどうクールなのか?
クールポイントその1:ワシは1マナを使わない
《碑出告が全てを貪る》は黒赤の多色カードだ。黒と赤、現行スタンダードにおけるこれらの色は1マナ以下のパーマネントを主戦力として用いる。黒は《ひきつり目》に《よろめく怪異》と、生け贄用の定番1マナコンビを備えている。赤には今最も強い1マナのカードではないかとも噂される《熊野と渇苛斬の対峙》が……という具合にね。
さらにこれら2色に共通する血や宝物といったトークンを生成するカードも多く、戦場には1マナ以下のパーマネントがずらずらと並ぶのが日常の風景となっている。
つまり既存のこの2色のデッキに放り込んでも、自分の盤面が吹き飛ぶというデメリットが気になることだろう。1マナのパーマネントを一切採用しない構築をすることで、相手にだけ被害をもたらす。これぞ全てを貪る者のクールな構築術だ。
このリストにはそういったカードが一切採用されていない。クリーチャーはいずれも2~3マナだ。1ターン目の展開は一切ないのだが、それゆえに他に2枚以上の土地がないとタップ状態で出てしまう《砕かれた聖域》などの土地を1ターン目に割り切って出すことができる。
3色以上のデッキではそういったタップインの土地がネックになってくるのだが、1ターン目を良い意味で捨てることでクールに安定させようってわけだ。
相手の小粒を全て貪り喰らって、強靭な鬼の糧としてやろう。墓地追放も各種フラッシュバックへの解答として上手くハマれば超クールだ。
クールポイントその2:ワシをゴリゴリ強化せよ
《全てを貪る者の器》は素のサイズは3/3。攻撃を通せばその度にワンサイズずつ上昇していき、やがては10点を叩き出せるようになる。
が、そこまで真面目にコツコツやる必要はない。全てを貪るほど野心があるのだから、他の呪文で強化してのワンショットを狙ってやろうじゃないか。
そこで非常に相性が良いカードが《天使火の覚醒》だ。
器に+1/+1カウンターを2個置き、サイズは5/5に。そこに警戒とトランプルと絆魂と破壊不能と、そしてこれが欲しかった能力ナンバーワンの速攻を与えてくれる。
クールすぎるキーワード能力のてんこ盛りで、スーパー器で攻撃……これだけでも十分な破壊力だが、いやいやさらに貪欲に。パワー5ってことは二段攻撃を持てば良いんだろ?ってことで《ケイヤの猛攻》の出番だ。
天使火で破壊不能があるなら安心してこのインスタントをかけられる。そして二段攻撃で計10点以上叩き込んで、その時点で決着だ。ワンショットと言いつつ2回殴ってるというのはご愛敬で。
このクールすぎる全力を注ぐコンボ、碑出告を引けないとデッキが機能不全になってしまうので、その点は他のクリーチャーでカバーだ。天使火や猛攻と相性の良い面々を取り揃えてある。
中でも注目は《墨の決闘者、キリアン》。
これを対象に呪文を唱えるとそのコストは{2}も軽減される。天使火であれば手札からとフラッシュバックとを併せてもなんとたったの4マナ。これでいきなり6/6でキーワード能力マシマシのクリーチャーが走ってくるのだからたまらない。キリアンは威迫を持っているので、適当なクリーチャーでブロックして耐えるというのも許してくれないのがクールだね。
《墓地の侵入者》も速攻を得れば墓地を即座に追放できてライフも吸える、さらに護法が手札を捨てることを強要する強烈な除去耐性の持ち主。これも天使火で突っ走らせると最高に気分が良いね。天使火というカードのポテンシャルを最大限に発揮するデッキと言っても過言ではないね!
カードアドバンテージを稼ぎ出す《スカルドの決戦》もクリーチャーを強化できるので、《光輝王の野心家》も絡めて、器などの強力なクリーチャーをさらに手の付けられない大化け物にしてしまえ!
鍛え上げたクリーチャーの前にトークンなどを並べてブロックするという延命を、主役の《碑出告が全てを貪る》が否定しているのがクールすぎるぜ。
さらなるクールのために
3色デッキということもあって、基本でない土地で固められているのは仕方ないことなのだが……実際にプレイしてみると《目玉の暴君の住処》に《廃墟の地》を撃たれて何も持ってこれないというのはかなりの痛手だったので、《沼》か《平地》を潜ませておくと万が一の時の保険になるかなと。単色の土地を採用することでの色事故のリスクと、どちらを取るかってところだね。
一見趣味に走ったデッキに見えるが、このリストはMTGアリーナのランク戦で26位につけたガチガチのデッキ同士の対決で勝ち星を重ねたものだ。細かい部分を各自の肌にしっくり来るように調整して、クールかつストロングなデッキをより高みに連れていこう。
クールなまとめ
《碑出告が全てを貪る》はコントロール向けのカードに見えて、このリストのようにアグレッシブなコンボのキーパーツとして用いることも可能な、ポテンシャルの非常に高い1枚だ。スタンダードのみならず、1マナ以下のパーマネントが強い他のフォーマットでも使ってみたい魅力にあふれている。さあ、全てを貪り尽くそうぜ。
それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Consume all!!
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