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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
白青魂込め:真理の支配者(パイオニア)
スタンダードの新デッキ紹介が続いたので、そろそろ雰囲気を変えるためにも他のフォーマットに目を向けてみよう。『神河:輝ける世界』の登場で、各構築フォーマットにはどのような影響が?
それを確認する前に、まずはこのセットの特徴をおさらいしよう。初代神河ブロックから引き続き、多くの伝説のクリーチャーを含むセットである。それらのタイプはこの次元に住まう神々、スピリットとそれ以外のタイプに大別される。
中には神との結びつきによりエンチャントのタイプも併せ持つクリーチャーがおり、これらとシナジーを形成するエンチャント関連のカードが豊富である。詳しくは該当デッキの回で。
そして今回は以前の戦国時代風だった頃より1000年以上の時を経ている。科学が発展した神河ではホバーバイクや合体ロボなどの最新鋭のアーティファクトもたっぷり。それら機体に関するデッキも該当回で。
エンチャントとアーティファクトの両方がメインテーマとなっていることで、これらのカードがたっぷりと各環境に追加されたことになる。
エンチャントもアーティファクトも、古いカードが使えれば使えるほどその強さは一層高まるというもの。そんなわけで今日はパイオニアにおける、神河新カードを搭載したデッキを紹介しよう。
1 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《連門の小道》 4 《産業の塔》 1 《マナの合流点》 4 《ダークスティールの城塞》 2 《変わり谷》 1 《宝物庫》 -土地(21)- 4 《羽ばたき飛行機械》 4 《ジンジャーブルート》 1 《ギラプールの希望》 4 《巧妙な鍛冶》 4 《石とぐろの海蛇》 -クリーチャー(17)- |
4 《ポータブル・ホール》 4 《バネ葉の太鼓》 3 《幽霊火の刃》 2 《ウォーターディープの黒杖》 4 《アーティファクトの魂込め》 4 《魅知子の真理の支配》 1 《影槍》 -呪文(22)- |
1 《夢の巣のルールス》
-相棒(1)- 4 《静寂をもたらすもの》 4 《頑固な否認》 2 《墓掘りの檻》 2 《失われし者のランタン》 2 《神秘の論争》 -サイドボード(14)- |
パイオニアの定番、《アーティファクトの魂込め》デッキだ!
デッキ名がもちろんそのままキーカードであり、このエンチャントを軽量アーティファクトに貼り付けることで早いターンで5/5以上のクリーチャーを確保して殴り切る、スピード最重視のアグロデッキである。
マナ・コスト{0}のアーティファクトすら多くある環境なので、2ターン目からパワー5が殴ってくるのもザラである。飛行を持つ《羽ばたき飛行機械》で空から攻めたり、破壊不能の《ダークスティールの城塞》で堅実に盤面を作ったりと、状況に合わせて器用に立ち回る側面も併せ持つ。
もちろん魂込め4枚だけでは引けるとは限らないので、《ウォーターディープの黒杖》で同様のカードを水増しし、《幽霊火の刃》で無色のアーティファクト・クリーチャーらを強化して殴るサブプランも用意。
《バネ葉の太鼓》でマナ加速し、《ポータブル・ホール》で除去もできる。これらのアーティファクトは《巧妙な鍛冶》で入手可能……と。隙のないデッキに仕上がっている。
そしてこのアーティファクトが主体でキーカードにオーラを持つアグロデッキ。白を足すことで《きらきらするすべて》も採用していることが多かった。
それらのパーマネントの数だけクリーチャーを強化するこのオーラ、アーティファクト・土地まであるこのデッキでは強烈な打点を弾き出す恐ろしい1枚だ。
ただ、これはオーラの弱点を持ってはいた。貼り付けたクリーチャーを破壊や追放などで除去されると、オーラとクリーチャーで2枚以上のカードを失ってしまうという……カードアドバンテージを簡単に失ってしまうというシンプルにして致命的な弱点だ。
《ダークスティールの城塞》を魂込めして破壊不能を用意できていればまだ扱いやすいが、そうでない場合は相手の土地がタップ状態か否かなど状況を把握した上でどのクリーチャーにつけるか、悩まねばならない。
この破壊力と脆さを併せ持った《きらきらするすべて》に代わり得るカードが神河からやってきた!《魅知子の真理の支配》であるッ!
エンチャント・デッキの回でも紹介したが、この英雄譚の破壊力はすさまじい。Ⅰ章&Ⅱ章能力はきらきらと同じ、エンチャントとアーティファクトの数だけ対象のクリーチャーを強化するというもの。これでもし対象にしたクリーチャーにインスタントの除去を投げつけられてしまっても、これはオーラではないので1対2交換を取られない。Ⅰ章が外れても次のターンにⅡ章が誘発、ワンモアチャンス!
さらにⅢ章能力できらきら内蔵クリーチャーが戦場にやってくる。つまり他のクリーチャーを根絶やしにされてもこれ1枚が残れば殴りに行けるクリーチャーは確保できる。アグロデッキにはとても頼りになる1枚ってわけだな。
パーマネントが並びきった終盤、《羽ばたき飛行機械》や《ジンジャーブルート》など回避能力を持ったクリーチャーを強化してバシーンとフィニッシュしても良い。あるいは……こんな展開例も。
- 1ターン目:《ダークスティールの城塞》セット、《羽ばたき飛行機械》《バネ葉の太鼓》、太鼓からマナ出して《ジンジャーブルート》、攻撃して1点ダメージ
- 2ターン目:《宝物庫》セット、《幽霊火の刃》、飛行機械を太鼓でタップして白マナ得て《魅知子の真理の支配》、対象はジンジャーで+7/+7修整、攻撃して8点
2ターン目に8点て……後は適当にやってりゃもう4ターン目までかかることの方が不思議なレベルだ。ブン回りを支える強烈な英雄譚、《夢の巣のルールス》で使いまわしても強いことはどこからどう見ても明らかだよな。
デッキに噛み合いまくっている、より隙の少ないカードを手に入れたことで、《アーティファクトの魂込め》デッキはさらに飛躍を遂げるだろう!
《魅知子の真理の支配》はスタンダードやアルケミーに留まらず、今後あらゆるフォーマットで暴れ回る予感があふれる、優雅な見た目に反してえげつないほどのパンチ力を誇る1枚だ。強くて軽いエンチャントやアーティファクトが溢れる環境で、このカードのポテンシャルを存分に引き出してやってほしいね。
リスクが低くなり、1枚でクリーチャーも担えるようになった新たな《きらきらするすべて》、そりゃあ強いって!
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