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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

白青機体:ロボットを操縦する、その夢が現実に(スタンダード)

岩SHOW

 皆には夢はあるかな? 途方もない夢が。僕にはあるよ!

 それは……ロボットの操縦席に座るということ。なんだそういう夢かいと、そう思った人もいるかもしれない。でもこれは真面目に真面目、大真面目な夢だ。物心ついたころから特撮ヒーローやアニメに憧れ、彼らが乗り込む人型ロボットや動物をモデルにしたビークルに乗る姿に胸を焦がした。いつか大人になったら僕も○○レンジャーや○○警備隊になって巨大ロボットとかに乗ってみたい……でも戦うのは怖いしなぁなんて、幼心に進路の理想と現実に悩んだものである。

 結局のところ、その夢を追って乗り物の操縦士を目指したりロボット工学に進んだりということはなかったのだが、夢は夢として残っている。

 そして今日、さまざまなゲームなどでロボットに乗り込んで戦うという夢を叶えてくれる、そんな世の中がやってきた。

 このたび、マジックにおいても『神河:輝ける世界』にて、ついにメカ好きたちがイメージする通りの、乗り込んで戦うロボットがカード化だ。最新の機体カードのことである。

 パワーの合計が指定された数値になるようにクリーチャーをタップすることでクリーチャー化するアーティファクトである機体。今作では無色は当然として、白青黒の色付きのものが作られている。これらの色には機体に乗るのに適した新クリーチャータイプ・操縦士もおり、この3色におけるひとつのテーマとして扱われている。

 今回はそんなハイテクメカと、それを乗りこなすパイロットらを主役としたデッキを紹介しよう。

TheOneJame - 「白青機体」
スタンダード(BO1) (『ゼンディカーの夜明け』~『神河:輝ける世界』) (2022年2月11日)[MO] [ARENA]
5 《平地
5 《
4 《さびれた浜
4 《連門の小道
4 《メカ格納庫
-土地(22)-

4 《有能な整備士
4 《巧妙な鍛冶
3 《航海の神、コシマ
-クリーチャー(11)-
3 《ポータブル・ホール
4 《勇敢な姿勢
4 《乗り手の生まれ
4 《巨大な鋤
4 《駆動メカ
4 《神童の試作機
4 《電圧改竄メカ
-呪文(27)-
TheOneJame氏のTwitter より引用)

 

 神河リリース直後、まさにたたき台というスタンダードのリストを見つけた。

 タップリ詰め込まれた機体の数々、かつて『カラデシュ』期のスタンダードでも機体を主軸にしたアグロデッキが時代を築いたものだが、当時のリストよりも圧倒的に多いその枚数に驚かされる。この「青白機体」は神河の新たな機体と操縦士、そしてそれらが加わったことでやれることで相対的に強くなった既存の機体を組み合わせて構築してある。

 まずは新要素、操縦士。どのクリーチャーも機体に乗り込むことを前提にデザインされており、その特徴として、それが機体に乗り込む際に本来持つパワーよりも大きい値としてカウントされるという能力がある。

 《有能な整備士》は1マナ2/1とマナ総量で見た打点でも優れたクリーチャーだが、機体に登場する際にはパワー4として換算される。

 コストパフォーマンスとはまさにこのこと、効率よく機体に乗り込みパワフルな戦闘を行ってくれる1枚だ。

 同じく操縦士として採用されているのは《乗り手の生まれ》。

 クリーチャーと機体の数だけサイズを強化するオーラで、クリーチャーだけでなくアーティファクトにもつけられる。すなわち機体に貼り付けておいて、クリーチャー化すると凄いサイズに…というカードなのだが、このデッキにおいてはオーラとしては相手の土地が全部タップだとか、《勇敢な姿勢》を構えられるとかの安全が保証されている状況下でしか使わないかな。メインは魂力で捨てて、操縦士・トークンを2体得るモードになるね。これ1枚で計パワー6分のクリーチャーを得られるので、デッキ内の機体すべてを動かすことが可能だ。

 操縦士たちと、アーティファクトを展開するとサイズアップする《巧妙な鍛冶》で乗組員は確保。彼らが乗り込む機体のラインナップ、まずは新カードの方から。

 《神童の試作機》は攻撃することで新たな操縦士を呼び出す。

 乗り込めなくしてやろうと単体除去で操縦士を潰そうとしても、一度動き出すともう間に合わないという展開を生み出す。攻撃しながらブロック役を用意できるわけでもあり、またその操縦士で搭乗して機体でブロックという芸当も可能なのでまさしく攻防一体。

 《駆動メカ》も飛行を持ち、これ自体が搭乗された時に他の機体もクリーチャー化させるので、操縦士は1体いればなんとかなるというしぶとさをデッキに与えている。

 《電圧改竄メカ》は5/5で威迫と戦闘面でもパワフルであり、また除去役も兼ねる。4点は当たり前、6点くらいは平然と飛ばしてくれるので…なんだか《火炎舌のカヴー》を思い出したね。

 これら新カードとともに機体プッシュの恩恵を受けるのは……まずは《巨大な鋤》!

 スタンダードのヤバい機体といったらやっぱりこれだ。攻撃できればライフとマナを得られる、ゲームの流れを変え得る1枚。搭乗6と重いが、《乗り手の生まれ》1枚で動かせるので3ターン目から無理のない収穫作業が可能になった。後続をどんどん展開して圧殺すべし。

 《航海の神、コシマ》のもうひとつのモード《領界船》も各種機体シナジーの到来で、ここにきてイキイキと仕事をこなす。

回転

 土地が得られるこの船は、機体と操縦士と複数行動を支える貴重なアドバンテージ源。コシマとして搭乗役にも回せるので無駄にならない。

 これらの機体を地味ながらしっかりサポートするのが《メカ格納庫》。

 色付きの機体を唱えるのにも役立つが、最大の恩恵は起動型能力で機体をクリーチャー化させること。《ドゥームスカール》などの連打で操縦士を根絶やしにされても、このハンガーからマシンは無事に出撃してくれるぞ。

 これは《駆動メカ》との組み合わせ最強や!と思ってやってみたが、《駆動メカ》が他の機体を動かす条件は「搭乗されるたび」なので何も誘発しなかった。皆は気を付けてね!

岩SHOW - 「エスパー機体」
スタンダード(BO1) (『ゼンディカーの夜明け』~『神河:輝ける世界』) (2022年2月)[MO] [ARENA]
3 《平地
3 《
4 《さびれた浜
4 《連門の小道
1 《陽光昇りの小道
1 《清水の小道
1 《フロスト・ドラゴンの洞窟
4 《メカ格納庫
1 《宝物庫
-土地(22)-

4 《有能な整備士
4 《巧妙な鍛冶
1 《オズワルド・フィドルベンダー
2 《航海の神、コシマ
1 《大牙勢団の総長、脂牙
-クリーチャー(12)-
2 《ポータブル・ホール
3 《勇敢な姿勢
1 《完全武装
4 《乗り手の生まれ
1 《メカ巨神のコア
2 《巨大な鋤
2 《駆動メカ
2 《勢団の銀行破り
4 《神童の試作機
4 《電圧改竄メカ
1 《肉体の裏切者、テゼレット
-呪文(26)-

 先ほどのリストがプレイしていてとても楽しかったので、少し自分用にカスタマイズもしてみた。

 《大牙勢団の総長、脂牙》や《肉体の裏切者、テゼレット》と、攻め手が途切れないようにするカードを足すことで少々ゲームが長引いてもなんとかなる。

 《勢団の銀行破り》はリミテッドでめちゃ強だったので構築でもという思いで採用してみたが、やはり複数枚ドローできるカードに間違いはない。使ってみてその便利さを体感してほしいね。

 《メカ巨神のコア》はロマン枠に見えがちだが、このカードの起動は意外とすんなり決まる。リスクが高そうに見えてそうでもない合体ロボ、メカ巨神は勝ちパターンとして十分に考慮に値するものだ。増量も検討中。

 皆には夢はあるかな? 途方もない夢が。僕にはあるよ! それは……ロボットの操縦席に座るということ。そしてそれは、マジックで叶えられる。このゲームは、神河という次元は、夢を現実にしてくれるんだ。

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