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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:アルケミー初の変更はダンジョンへの追い風!(アルケミー)

岩SHOW

 今週も届けるぞ、クールなデッキ!

 というわけで元気よくスタートを切ってみた、なぜそんなにテンション高いのかって?そりゃあこれを書いている日時を明かせばわかるかな。現在2022年1月26日。そう、該当フォーマットに対して禁止制限などに関する告知が行われた日だ。

 この日にワクワクするということは、何かのカードが禁止や制限から解かれたのかってところだが、今回それはなかった。

 ではなぜかというと……長い長い禁止制限改定の歴史において初めてのイベントが起こったからだ。その名はカードの「再調整」。アルケミーおよびヒストリックにおけるカードの能力に(禁止改定のタイミングとしては)初めてメスが入った。デジタルの時代が本格的に始まったのだと、身をもって実感するね。

 今回この調整は、カードの能力を下方修整するものと、その逆に上方修整するものとの両方が実施された。そう、この上方修整、つまりは強くなったカードたちが僕の好みというか……これまでスポットが当たりにくかった面々なので、それがなんとも嬉しいのだ。

 かなり多くのカードが調整を受けることになったが、それらには共通したテーマが与えられている。ダンジョンだ。

 『フォーゴトン・レルム探訪』にて登場したダンジョンの部屋能力、およびそれを誘発させる探索能力。ダンジョンは3種あり、それぞれにテーマが異なる。

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 いずれもゴールには秘宝のように輝かしい能力が待っており、特に「狂える魔道士の迷宮」を踏破した時にはカードを3枚引いた上にその中の1枚のコストが無料になるという、脳内物質ドバドバな体験が待っている。

 またダンジョンを踏破した際にボーナスを得られるカードもあり、それらの能力は踏破自体が簡単ではないということもあって、なかなかに破格の性能を与えられている。

 夢の詰まったダンジョンを探索するのは楽しいのだが、如何せんダンジョンを探索するというアクションはコストが割り高に設定されている。その象徴とも言えるのが《ダンジョンの入口》。

 この土地はダンジョン探索が行えるとあってサイクルの目玉であるが、かなりの問題点を抱えているカードでもある。

  • (1) {C}しか出ない。単色ではカードが少なく、多色で組みたいダンジョン・デッキにとって重荷となる
  • (2) 能力の起動コストが{4}+伝説のクリーチャータップと、かなり重い
  • (3) その上で、タップイン。デッキのテンポを大きく削ぐ

 僕も何度か使おうと試みたが、正直言ってかなり厳しい。いつしかダンジョン・デッキを組んでもデッキには入らないカードとなってしまっていた。悲しい話だけどしょうがないよな……

 でも、そこに今回救いの手が差し伸べられた。

A-DungeonDescent.png

 (1)の問題は解決しなかったが、無色土地であっても受け入れられる性能にチェンジ! 普通にアンタップ状態で戦場に出るので出してすぐマナとしても探索としても使える。そして、起動に必要なマナが{4}から{1}へ! 大幅コストダウンにより、これの能力を起動しつつ他のアクションを取るという1ターンに2回以上の行動も無理がなくなった。こりゃあ助かる、超クールだ!

 というわけで調整により生まれ変わったダンジョンカードを用いたクールなデッキを考える、今週はこれでいこう!

 とりあえず、ダンジョン関連の強化されたカードを他にも確認。個人的にでっかい変更が施されたなぁと感じたのは《ファインド・ザ・パス》。

A-FindthePath.png

 土地から出るマナの量を増やすマナ加速オーラであり、同時にダンジョン探索も行える1枚なのだが……オリジナルは土地から{G}{G}を得られるというものだった。これでも悪くはないのだが、緑が濃いデッキでこそそのマナを有効活用できるのは言うまでもないだろう。各色の探索カードを使った多色デッキにはちょっと採用してもメリットが薄い1枚だった。

 これが調整を受けて、捻出できるのは任意の色のマナを2点という形になった。これは多色デッキの友! 気軽に色を足しやすくなって、デッキの引き出しも増やせるってもんだ。《ダンジョンの入口》の弱点(1)もこれでクールに解決したようなもの。これは緑をデッキのベースにするっきゃないな!

 緑には今回同じく調整を受けた《エリーウィック・タンブルストロム》もいるし、求められている伝説クリーチャー枠も兼ねる《銀月街のレンジャー、ヴェイリス》もいる。緑系多色のダンジョンデッキで決定だ。

 そしてもう1つ、マナ基盤をクールにサポートする1枚が思い浮かんだ。《厚顔の無法者、マグダ》だ。

 彼女は2マナと現アルケミー環境でも最軽量の伝説のクリーチャーの1人であり、《ダンジョンの入口》を運用する上ではそれだけでもありがたい存在であるが、さらにマグダはご存知の通りタップ状態になると宝物を生成する。マナを払って探索しつつマナを得られる、実質無料みたいなもんだな。ゴリゴリと積極的に探検しつつ他のアクションも行える、これまでのダンジョンデッキと違って展開力で勝負できるデッキにクールに変貌だ。

 マグダと《ファインド・ザ・パス》のおかげで色を足しやすくなったので……デッキのベースは赤緑にしつつ、そこにシンプルかつクールに強い《無私のパラディン、ナダール》を持つ白も加えて3色。そしてダンジョン探索の価値を高める《遺跡探し、ハーマ・パシャール》だけ青も足して、黒以外の4色でデッキを仕上げてみよう!

岩SHOW - 「4色ダンジョン」
アルケミー (2022年1月27日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
1 《平地
2 《落石の谷間
4 《岩山被りの小道
2 《草茂る農地
3 《枝重なる小道
1 《日没の道
4 《針縁の小道
1 《樹皮路の小道
1 《河川滑りの小道
1 《連門の小道
3 《ダンジョンの入口

-土地(25)-

4 《ヤスペラの歩哨
3 《厚顔の無法者、マグダ
4 《回廊のガーゴイル
3 《無私のパラディン、ナダール
2 《遺跡探し、ハーマ・パシャール
2 《銀月街のレンジャー、ヴェイリス
2 《結ばれた者、ハラナとアレイナ
1 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン
2 《指名手配の殺し屋、ラヒルダ

-クリーチャー(21)-
4 《運命的不在
1 《君は呪いの彫像を見つけた
4 《ファインド・ザ・パス
3 《エリーウィック・タンブルストロム

-呪文(14)-
2 《ポータブル・ホール
3 《スレイベンの守護者、サリア
2 《傑士の神、レーデイン
1 《海門の擁護者、リンヴァーラ
1 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン
1 《フロギーモス
2 《脆性破
1 《一からやり直し
2 《パラディン・クラス

-サイドボード(15)-

 たっぷりのダンジョン探索カードと、そして《ダンジョンの入口》のための伝説のクリーチャー。あとは最低限の除去呪文でメインデッキを構築してみた。

 伝説クリーチャー枠はいわゆる「ただ強」カードを。《結ばれた者、ハラナとアレイナ》はスタンダード、アルケミーで各種アグロデッキの打点を引き上げるパワーカードっぷりを発揮している、今や定番の1枚。

 これと組み合わせるには《指名手配の殺し屋、ラヒルダ》がいいね。

カードをクリックで別の面を表示

 パワー上昇と先制攻撃の相性はピカイチ、ブロックを嫌って攻撃を通せばアドバンテージを取られると、相手からすればややこしいことこの上ないクールなコンビネーションだ。《残忍な無法者、ラヒルダ》に変身すれば二段攻撃で一瞬でライフが溶けてしまうだろう。

 このあたりの正攻法とダンジョン戦略、両方をちらつかせて臨機応変に使い分け盤面を掌握しよう。

 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》もアドバンテージの取れる伝説という点で嬉しい1枚。

 《命取りの論争》などの生け贄カードや宝物を用いるデッキには強烈&クールなアンチカードとして機能してくれるので、メイン・サイドともに優先的に使っていきたいカードだね。

 《ヤスペラの歩哨》or《ダンジョンの入口》&《厚顔の無法者、マグダ》、あるいは《ファインド・ザ・パス》でマナ基盤を作り、色も量も十分な供給ができるようになればクリーチャーを展開しつつダンジョンを探索。

 ダンジョンの部屋能力では、クリーチャーではできないこと、相手のクリーチャーのパワーを下げたり攻撃を防ぐといったものを意識して進めていくとゲームを優位に進められるだろう。最後は《無私のパラディン、ナダール》や《エリーウィック・タンブルストロム》でダンジョン踏破をダメージ増加につなげてクールにフィニッシュしよう。

 この他、黒絡みのダンジョンカードも強化を受けているので、赤緑をベースにそういった3~4色デッキを組んでみるのも良いかもしれない。

 楽しそうに見えたかな? クールに映ったかな? さあ、今こそアルケミーという名のダンジョンを探索だ。それじゃ今週はここまで。Stay cool! Enjoy new dungeons!!

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