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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
神河来訪に備えて、スタンダードのクリーチャーデッキをピックアップ!(スタンダード)
もうこれが公開される頃には『神河:輝ける世界』のプレビューが本格始動している頃だろう。一体どんなカードがやってくるのか、ワクワクが止まらないって!
久しぶりの神河、日本をモデルにした次元の登場だもんな。初出の際は古代の日本という赴きで、まあぶっちゃけ西洋から見たごっちゃのアジア感もあったり、日本で生まれ育っても聞いたことのない「ずべら」とかいう妖怪が出てきたりと、いろいろと混沌としていて楽しいものだった。
それから作中世界で千年以上の時間が経過し、神河の文明も大いに栄え変化した。いわゆるサイバーパンクな世界、ネオンで彩られたビルの谷間に潜む忍者……SF映画好きなんかにはたまらないだろう。
そんな新しく輝ける世界からやってくるカードたちは、マジックにどのような変化をもたらすか。それを真っ先に受けるフォーマットと言えば、やっぱりスタンダード。まずはスタンダードで新しいデッキを組むのが嗜みってものだろう。未だ見ぬカードに今から胸が高鳴る。
そのスタンダードは、毎度新セットリリースの直前には遊ばれる機会が若干減少するというのも一種の風物詩となっている。前回はイニストラード2大セットが狭い間隔でリリースされたのもあっていつもと雰囲気は異なったが、大体3~4か月遊ばれた環境の終盤も終盤、最終盤になるとデッキもプレイヤーの引き出しも出尽くして、まあストレートな表現をすると飽きがくる人間も少し増えてくる。何とも贅沢な話だけどね。
かつてはマジックをプレイする、スタンダードで遊ぶとなると学校や仕事終わりに友人と集まって、互いの生活に支障をきたさない程度の短時間。ガッツリ遊ぶなら週末に、という具合に時間が限られていた。それに比べて今はMTGアリーナを起動すればいつでもどこでもマジックを、スタンダードを楽しめる。接する時間が圧倒的に長くなったことで、環境終盤までテンションを保つのが難しいという側面もあるかもしれない。
ただ、それで切り捨てるのも、もったいないのは事実だ。なぜなら、一度過ぎ去ったスタンダード環境とはもう出逢うことはできないから。
在りし日のデッキを持ち寄って遊ぶということもできるが、ランク戦やフライデー・ナイト・マジックなどで楽しむというのは、新セットが参入したりローテーションがあったりでスタンダード環境が変化してしまえば二度とできなくなってしまう。イニストラード環境が好きだったプレイヤーは、今のうちに楽しんでおくのが吉!
僕も環境初日から毎日のように多種多様なデッキでスタンダードのプレイを重ねていたので、正直飽きが来ていてしばらく他のフォーマットをメインでやっていたのだが……久しぶりにスタンダードをやってみると、これがなかなか面白いというか、味がある。アルケミーやヒストリックで調整されたカードの素のパワーを味わえるのは、なんだか逆に新鮮だね。
そしてこの環境末期をプレイしてデッキをおさらいしておくことで、次の神河環境でも好スタートを切れることは間違いない。
スタンダードをしばらく離れていたという人のためにも、今回は復習を兼ねてスタンダードのデッキを紹介だ!
2 《森》 1 《平地》 2 《草茂る農地》 4 《枝重なる小道》 4 《岩山被りの小道》 3 《落石の谷間》 4 《針縁の小道》 2 《日没の道》 2 《ハイドラの巣》 1 《バグベアの居住地》 -土地(25)- 4 《ヤスペラの歩哨》 4 《光輝王の野心家》 4 《厚顔の無法者、マグダ》 4 《無謀な嵐探し》 2 《粗暴な聖戦士》 2 《傑士の神、レーデイン》 2 《結ばれた者、ハラナとアレイナ》 3 《黄金架のドラゴン》 -クリーチャー(25)- |
2 《蛇皮のヴェール》 2 《レンジャー・クラス》 2 《勇敢な姿勢》 4 《エシカの戦車》 -呪文(10)- |
2 《粗暴な聖戦士》 2 《精鋭呪文縛り》 1 《傑士の神、レーデイン》 1 《蛇皮のヴェール》 3 《バーニング・ハンズ》 2 《削剥》 2 《勇敢な姿勢》 2 《天使火の覚醒》 -サイドボード(15)- |
まずはこちらのナヤ(白赤緑)カラーのアグレッシブなデッキから。作成者いわくデッキ名は「Super-Greed Naya Aggro」。超欲張りってことだな。
デッキ名が示す通り、スタンダードの強カードや各種ギミックをあれもこれもと詰め込んでいるのが特徴。グルール(赤緑)の誇るマナ供給エンジン、《ヤスペラの歩哨》と《厚顔の無法者、マグダ》がその屋台骨になっている。
マグダはタップ状態になると宝物を生成する変則的なマナ加速であり、これをヤスペラのマナ能力でタップすれば任意の色マナと宝物で計2マナ得られることになる。両方使ってそのターンに爆発的な加速をしても良いし、宝物は貯金しておいてあとで使うというプランも立てられる。1ターン目ヤスペラ、2ターン目マグダの黄金ムーブからなら、3ターン目に《黄金架のドラゴン》で攻撃するのも造作ない。
単体でも強いパワーカードの詰め合わせ的なこのデッキ、アルケミーやヒストリックでは調整されたカードの存在が目立つ。先に上げた《黄金架のドラゴン》など、久しぶりにスタンダードで使うと呪文の対象になった際にも宝物を生成するその強さにたまげた。相手の除去の対象になって宝物生成、そこからマナを得て《蛇皮のヴェール》や《勇敢な姿勢》で除去耐性を与えつつさらに宝物……という動き、実際にやってて脳が痺れるようなたまらなさを感じるね。
《エシカの戦車》は調整版よりも搭乗コストは重いが、しかしながらやっぱり猫が2体出てくるのは何かがおかしいとさえ思えるアドバンテージっぷりだ。
攻撃時、トークンなら種類を問わずに増やせるので宝物も対象に取れることを忘れずに。
そして、しっかりと戦闘前に誘発する《光輝王の野心家》がこれまたシンプルに超強い。《結ばれた者、ハラナとアレイナ》との組み合わせは神河以降も圧倒的なダメージをもたらし続けることだろう。そんなわけでナヤ・カラーのクリーチャーには今後要注目だ。
もうひとつ、白と赤は共通するが3色目が異なるデッキを紹介しよう。その色は黒、マルドゥカラーだ。
2 《沼》 2 《山》 4 《憑依された峰》 4 《荒廃踏みの小道》 4 《陽光昇りの小道》 4 《針縁の小道》 1 《目玉の暴君の住処》 1 《バグベアの居住地》 -土地(22)- 4 《よろめく怪異》 3 《ひきつり目》 4 《厚顔の無法者、マグダ》 2 《隠棲した絵描き、カレイン》 3 《スカルポートの商人》 3 《オリークの首領、エクスタス》 4 《黄金架のドラゴン》 -クリーチャー(23)- |
4 《命取りの論争》 2 《冥府の掌握》 2 《婚礼の発表》 4 《ステンシアの蜂起》 2 《食肉鉤虐殺事件》 1 《アガディームの覚醒》 -呪文(15)- |
3 《強迫》 3 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》 3 《バーニング・ハンズ》 2 《真っ白》 1 《食肉鉤虐殺事件》 1 《環境科学》 1 《壊死放出法》 1 《マスコット展示会》 -サイドボード(15)- |
マグダと黄金架を4枚ずつ採用しているという共通点がありながら、こうも違うデッキになるものだからスタンダードってやつは奥深い。
こちらもクリーチャー主体のデッキながら、重視しているのはトークン戦術。クリーチャーと宝物、両方のトークンを生成して戦場のパーマネントの数を増やし優位に立つ、手数で押すタイプのデッキだね。
《命取りの論争》《スカルポートの商人》《血の化身の目覚め》などでそれらのトークンを生け贄に捧げることで、さらなる手数やダメージへと繋げることを狙っている。
最大の武器は《ステンシアの蜂起》。
このエンチャントで人間・トークンを得て生け贄に捧げるもよし、あるいは生き延びさせて13個のパーマネントという条件を達成し、7点という大ダメージを叩き込むのを狙うのもオツなものだ。
《婚礼の発表》と並べることでトークンで戦場を埋め尽くす超展開&それらを強化しての攻撃という必勝パターンも。
そのプランを《ひきつり目》《よろめく怪異》などの生け贄に捧げても得するクリーチャーで支えるといったところかな。
ライフをある程度減らせば、自身のトークンを《食肉鉤虐殺事件》で全滅させ、八つ当たりでライフを削り切るという勝ちパターンも備えている。
トークンと生け贄関係のパッケージを備えたデッキは神河リリース後も愛用されるのではないかな。《貪る混沌、碑出告》というその戦略やカラーリングにピッタリなカードもやってくるしね。《命取りの論争》《隠棲した絵描き、カレイン》まど、宝物によるマナ加速がそういったカードを使いやすくしてくれる、現スタンダードにおける基本戦略は今後も不変に違いない。
せっかくだからとプレイしてみた環境最終盤のスタンダード、なかなか楽しかったので皆にも経験してほしいところだね。プレビューで公開されるカードを眺めながらスタンダードのデッキをプレイすることで、次期環境で組むデッキの構想を高めていこう。来期も皆のスタンダード生活が豊かなものであることを祈るね。
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