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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:グリクシス・パクト(ヒストリック)

岩SHOW

 毎度おなじみクールな金曜日、1週間クールしてましたかァッ!

 独断で選んだ「コイツぁクールだ!」と唸らされるデッキを紹介する当コーナー。年末年始、成人の日などのおやすみラッシュが終わり、THE日常に切り替わりつつあるタイミングにこれを書いている。刺激、あるいはまったり感が薄れだし、いろいろと現実と直面していかなければならない……学生も社会人も、皆気合いを入れていかないといけないタイミングだ。

 こんな時にこそ、「クール」が大事になってくる。日々の息抜き、心のオアシスとしてクールなものを享受することで毎日を生きる糧とするのだ。

 すなわち、ありふれた日常においてこそマジックの存在は大きなものになってくるのだ。学校や仕事が終わって、家に帰って晩飯食って、ホッと一息……さあマジックだ、と。ダラダラと過ごしている時にはそのありがたみはわかりにくくなってしまうが、家にいてどんな時間帯であってもPCやスマホを起動するだけでマジックが遊べるこの時代、本当に恵まれているよな。MTGアリーナなどオンラインでマジックが遊べること、それ自体がもうクールなのだ。

 マジックというかけがえのないクールさに感謝しつつ、今日もいくぞッッ! MTGアリーナで遊べるヒストリックのデッキを紹介だ!

NiceMaceStun - 「グリクシス・パクト」
Hooglandia Historic Open - Sponsored by CoolStuffInc.com & Metafy.gg 3位 / ヒストリック (2022年1月9日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《冠雪の島
1 《
1 《冠雪の沼
1 《
1 《湿った墓
1 《異臭の池
1 《水没した地下墓地
1 《欺瞞の神殿
1 《難破船の湿地
1 《清水の小道
1 《蒸気孔
1 《硫黄の滝
1 《嵐削りの海岸
1 《河川滑りの小道
1 《泥濘の峡谷
1 《憑依された峰
1 《荒廃踏みの小道
1 《ラウグリンのトライオーム
1 《ゼイゴスのトライオーム
1 《ストーム・ジャイアントの聖堂
1 《寓話の小道

-土地(22)-

1 《願いのフェイ
1 《弾けるドレイク
1 《船砕きの怪物

-クリーチャー(3)-
1 《血の長の渇き
1 《塵へのしがみつき
1 《考慮
1 《コジレックの審問
1 《選択
1 《思考囲い
2 《汚れた契約
1 《安堵の火葬
1 《取り除き
1 《表現の反復
1 《無情な行動
1 《精神迷わせの秘本
1 《アズカンタの探索
1 《願い爪のタリスマン
1 《大魔導師の魔除け
1 《不気味な教示者
1 《覆いを割く者、ナーセット
1 《襲来の予測
1 《髑髏砕きの一撃
1 《シルンディの幻視
1 《方程式の求解
1 《至高の意志
1 《焼けつく双陽
1 《ヴァラクートの覚醒
1 《ハグラの噛み殺し
1 《衰滅
1 《首謀者の収得
1 《サメ台風
1 《プリズマリの命令
1 《発展 // 発破
2 《神秘を操る者、ジェイス
1 《龍神、ニコル・ボーラス
1 《目覚めた猛火、チャンドラ

-呪文(35)-
1 《心悪しき隠遁者
1 《否定の契約
1 《致命的な一押し
1 《邪悪な熱気
1 《霊気の疾風
1 《破滅の刃
1 《パワー・ワード・キル
1 《汚れた契約
1 《才能の試験
1 《神々の憤怒
1 《神秘の論争
1 《影の評決
1 《思考のひずみ
1 《食肉鉤虐殺事件
1 《神秘を操る者、ジェイス

-サイドボード(15)-
MTGMelee より引用)

 

このクールなデッキは?

 デッキリストの恐るべき長さ! これぞヒストリックの「グリクシス(青黒赤)パクト」だ。

 なぜこんなにもリストが長いのか? それはハイランダー構築にある。ハイランダーとは基本土地以外の同名カードはデッキに1枚までしか採用できないという、制限付きの構築フォーマットのこと。

 統率者戦やブロールなどはこれにあたるわけだが……このデッキは厳密に言うとハイランダーではない。よく見てもらえば、60枚のメインデッキの中に2枚入っているカードもある。ただ、さらに注目してほしい。その例外を除いて、基本土地さえも1枚制限で組まれているということを!

 なぜヒストリックという4枚まで採用できるフォーマットでこのようなことをするのか? その答えは「パクト」だ!

どこがどうクールなのか?

クールポイントその1:契約内容をご確認

 パクトとは契約の意味、マジックのカードの略称としてかなり多くのものに用いられるのだが、このデッキにおいては《汚れた契約》のことである。

 このカードのテキストはちょっとややこしいが、要約すると「デッキ内に2枚以上同じカードが入っていないなら、この呪文で好きなカードを手に入れられる」と書かれている。このデッキはパクトで好きなカードを手に入れることを狙っている、なので同名カードがめくれて契約不成立になってしまうのは困る。そのために基本土地さえも散らして1枚挿しに抑えているのだ。

 パクト自身はこれでパクトをめくってしまっても被るという事態にならないので、2枚挿しになっている。これは古くからパクト系デッキに見られたクールな特徴だ。

 そしてパクトとは別にもう1種、デッキ内に2枚採用されているのが《神秘を操る者、ジェイス》!

 このクールなプレインズウォーカーはパクトと相性が抜群である。ジェイスはライブラリーにカードがない状態でカードを引く、あるいは[-8]能力でライブラリーをジャスト引き切ればゲームに即勝利という、アドバンテージ源を兼ねる勝利条件カードだ。

 つまり……ライブラリーを好きなだけ追放してしまえるパクトで吹っ飛ばし、その後ジェイスの[+1]能力でドローしようとして引けない!勝ち!というクールな一人芝居を演じることができちゃうのだ。

 かつてはこのパクトコンボ、より手軽な《タッサの神託者》で4ターン目に即座に勝てるイージーコンボとして君臨したものだ。ヒストリックにおいて同カードは禁止となったので、今ではこの勝ち方はジェイスでしか達成できない。

 なので勝利に向かうコンボパーツはメインから2枚ずつ採用、各種サーチ手段でこれら2枚を揃える。

 サイドボードにも1枚ずつ仕込んで《願いのフェイ》で引っ張ってくる。クールに徹底してるおかげで、たった2枚でも4枚あるかのように感じられるんだぜ。

クールポイントその2:私はコントロール

 デッキとしては、ただコンボだけを狙うものではない。ハイランダーであるため、それだけのパーツでデッキを埋められないというのもあるが、そう簡単にコンボは決まらないのでしっかりとそれを決めるための準備を行うために、相手のクリーチャーを除去したり呪文を打ち消すなどのコントロールデッキとして立ち回る必要がある。

 幸い、グリクシスカラーにはコントロール向けのカードが十分に揃っているので、ハイランダーで散らした構築をしたとしてもカードが足りないなんてことにはならない。

 《龍神、ニコル・ボーラス》《目覚めた猛火、チャンドラ》など、コントロールとしての動きに貢献しつつゲームに勝てるカードも取り揃えられているので、メインでうっかりコンボなしで勝てそうならそう立ち回っても良いかもしれない。

 コントロールと思って油断している相手にサイド後、パクトを唱えた時の気持ちよさ……これほどクールな種明かしってのもないもんだわ。

クールテクニック!&さらなるクールのために

 このデッキで最もクールかつエキサイティングな1枚は《発展 // 発破》ではないかな。

 《発破》でタップリ引きつつダメージを与えるのも良いが、注目すべきは《発展》。2マナで唱えて4マナ以下のインスタントかソーサリーのコピーになるという、状況によって全く役割を変えるトリッキーな1枚。

 これ、ハイランダー構築においては本来1枚しかない呪文を2連発できるということである。同じカードは1枚という制約、その禁をクールに破るぜ。

 コピーして一番強いのは、もちろん言うまでもなく《汚れた契約》。まずコピーが先に解決され、これで勝利手段のジェイスを確保。そしてコピー元の本家を解決し、ライブラリーの残りが1~2枚くらいになるまで、とにかく追放し続ける。そしてジェイスを出したら彼の能力でライブラリーを0枚にしてカードを引こうとして、即勝利と。

 契約コピーは計4マナでできるので、これを対戦相手のターン終了時に仕掛けて、続く自分のターンでジェイスを出してフィニッシュというのが理想的。というかこの動きが本当に最強なので、もっと推し進めたいというのがプレイしてみての感想。

 なので僕は《感電の反復》もデッキに潜ませる形に調整してみた。

 《感電の反復》自体が強いからね、これで大きくアドバンテージを取ってコントロールとしての立ち回りをより強固なものにして勝ちたいところだ。クールなコンボの入り口、簡単に増やせるのであればやらない手はないって!

クールなまとめ

 重要なコンボパーツを失っても、既存のカードで問題なく機能するヒストリックの「グリクシス・パクト」。文句なしにクールな良いデッキなので、日常にクールを求める人は一度手に取ってみてはいかがかな。では今週はここまで。Stay cool! Enjoy everyday life!!

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