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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ゴブリン・コンボ:コモンだけで無限を? できらぁッ!(パウパー)
コンボはマジックの華である。
特定のカードを組み合わせて勝利する、その姿かたちの美しさを楽しみ、決まった時の爽快感に酔う。あんまり強すぎるイージーコンボが蔓延りすぎるのはそれはそれで問題だが、コンボデッキが一切ない環境というのもつまらない。2枚揃えて終わり!なコンボは確かに味気ないのかもしれないが、複数のカードを噛み合わせて勝利に向かうデッキは、成立した時の感動も大きくマジックならではの気持ちよさを味わえるものだ。
そんなわけで今回紹介するのはコンボデッキ、気になるフォーマットは……パウパーだ。
出た、コモンカード限定の構築! コンボといえば癖のあるカードや何かに特化したカードを用いるので、やっぱりレアが絡んでいるものを想像しがち。しかしながら、コモンだけでコンボができないなんてことは決してない。なんだったらコモンに縛られているからこそ、他の環境では見ることのできないような複雑怪奇、ビューティフルでエクストリームなコンボデッキが組まれているものだ。
では早速、そのリストを見てみよう。
5 《山》 5 《沼》 4 《鉱滓造の橋》 2 《大焼炉》 2 《囁きの大霊堂》 1 《ラクドスの肉儀場》 -土地(19)- 4 《スカークの探鉱者》 4 《朽ちゆくゴブリン》 4 《ゴブリンの女看守》 1 《炎波の発動者》 -クリーチャー(13)- |
4 《彩色の星》 1 《虚無の呪文爆弾》 4 《発掘》 2 《強迫》 2 《信仰無き物あさり》 4 《命取りの論争》 4 《授業初日》 4 《胆液の水源》 2 《間に合わせの砲弾》 1 《無謀なる衝動》 -呪文(28)- |
2 《ゴリラのシャーマン》 1 《クラーク族のシャーマン》 1 《仮面の蛮人》 1 《火花鍛冶》 4 《紅蓮破》 1 《強迫》 1 《削剥》 1 《喪心》 1 《連弾炎》 2 《予言学入門》 -サイドボード(15)- |
これはパウパーの「ゴブリン・コンボ」だ。ゴブリンはさまざまな能力を持ったものがいるので、決まれば価値の無限コンボを成立させたりするトリッキーな部族だ(詳しくはコチラ)。
そしてこのデッキも、コモンしかないのにまさかの無限コンボを搭載している! 一番低いレアリティ、誰でも手に入れられるようなありふれた存在のコモンだけでもできるもんなんだな、マジックってやっぱりやべぇゲームだよ。ではそのコンボを以下にまとめてみよう。
- 《朽ちゆくゴブリン》《スカークの探鉱者》を戦場に並べる
- 《授業初日》を唱える
- 《スカークの探鉱者》で《朽ちゆくゴブリン》を生け贄に捧げて{R}を得る
- 《朽ちゆくゴブリン》の死亡により頑強が誘発、墓地から戦場に戻る
- 頑強で-1/-1カウンターが置かれるが、《授業初日》により+1/+1カウンターも置かれるため、相殺となる。
これ、つまりは《朽ちゆくゴブリン》を生け贄に捧げてマナを得るというアクションが無限に可能となる。コモンカード3枚で無限マナって決まるんだな。
こうして得たマナで勝つための手段は……わかりやすく《炎波の発動者》を無限に起動して延々と焼き続ける。あるいは《間に合わせの砲弾》でまたまた《朽ちゆくゴブリン》を無限に生け贄に捧げてフィニッシュ。マナさえあれば何でもできる、なんとでもなるよね。
このデッキはコンボでありつつもその主要カードがゴブリンというところがポイント。《朽ちゆくゴブリン》《スカークの探鉱者》と無限マナのパーツを揃えるために《ゴブリンの女看守》を用いることができるのがパウパーにおける他のデッキとの差別化が図れるというか、ゴブリンデッキならではの強みだね。どちらのパーツも拾えるし、フィニッシュである《炎波の発動者》もサーチできたりと隙が無い。
残念ながら赤と黒でコモンという縛りになると、もうひとつのコンボパーツ《授業初日》をサーチすることは難しい。なのでなんとかこれを手に入れるため、デッキの他の部分はドローに重きを置いている。
《信仰無き物あさり》は最も手ごろなもので、これで2枚掘り進めてゴブリンを捨てつつ《発掘》で釣り上げることでコンボの達成速度を高めることすら可能だ。無限マナが揃った後のドロー源としてフィニッシャー探しにも役立ってくれることだろう。
《胆液の水源》もこのデッキならではのナイスな1枚。
戦場に出てドロー、墓地に置かれてもう1枚ドロー。これを《命取りの論争》で生け贄に捧げることで大量ドローとマナ加速を狙いたいところ。
他にも生け贄でドローできるアーティファクト《彩色の星》を用意して、論争か《間に合わせの砲弾》でドローしていく。
なんだったらコンボを決めずとも、これらとアーティファクト・土地を生け贄にしてそのダメージで勝ってしまうというパターンも無きにしもあらず。サイド後は《クラーク族のシャーマン》で生け贄に捧げて全体ダメージに変換、相手のクリーチャーを薙ぎ払いつつ一気にドローなんていうコモンとは思えない理想的な動きさえできてしまう……パウパー恐るべし。
《ゴブリンの女看守》という超万能サーチを備え、ゴブリンというあらゆる次元に生息するクリーチャーを取り扱っている以上、これからの新戦力にも大いに期待できる。パウパーのゴブリン・デッキの未来は明るいぞ!
コモンだけなので集めるハードルも低いこのデッキ、ぜひとも組んでいつまでも遊び続けてほしいね!
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