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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
エニグマ&ファイア:今こそパイオニア!(パイオニア)
店舗イベントの復活というのは本当に喜ばしい。
マジックの遊び方はいくつもあるが、やっぱり紙のカードで顔を合わせてというのが最高だ。それを通して友達になることもあるし、実際にカードを手に取ってシャッフルして引いて、というあの工程はテーブルトップマジックならではのものだ。
スタンダードやヒストリックなどはMTGアリーナでプレイできるし、統率者戦はオンラインで遊ぶのが流行ったりしたが、ここ1年半ほど他のフォーマットは勢いがダウンしていたのは言うまでもないだろう。
特に2020年初頭から競技イベントとしても推されていたパイオニアは、リアルのカードでの大会が開けない状況でかなりトーンダウンしてしまっていた。プレイヤーズツアーも行われて盛り上がっていたのに、残念だなぁと思っていた。
それから長い時を重ねて、各マジック取り扱い店舗にて大会が再開。パイオニアの大会も開催されだしたようで、ネット上で遊びに行ったという報告を目にする機会が明らかに増えた。『パイオニア・チャレンジャーデッキ』も発売とあって、良い流れができている。
そんなわけで当コラムでもパイオニアのデッキを紹介する機会は増えるかもしれない。今回はパイオニアのイベントにもし僕自身が参加するならこのデッキを使いたい、というものを紹介させていただこう。テーマは、派手に行こうぜ。
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《山》 1 《森》 4 《寓話の小道》 3 《ラウグリンのトライオーム》 3 《サヴァイのトライオーム》 3 《ケトリアのトライオーム》 2 《氷河の城砦》 3 《神無き祭殿》 4 《陽花弁の木立ち》 2 《繁殖池》 2 《草むした墓》 2 《マナの合流点》 -土地(33)- 1 《迷い子、フブルスプ》 3 《月恵みのクレリック》 1 《エメリアのアルコン》 1 《無神経な血魔道士》 1 《拘留代理人》 1 《激情の共感者》 1 《玻璃池のミミック》 1 《秋の騎士》 1 《反射魔道士》 1 《改革派の結集者》 1 《スカイクレイブの亡霊》 1 《帰還した王、ケンリス》 1 《スカラベの神》 1 《狼の友、トルシミール》 1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》 1 《膨らんだ意識曲げ》 1 《老いたる深海鬼》 -クリーチャー(19)- |
4 《岩への繋ぎ止め》 4 《ナイレアの存在》 4 《野望の試練》 3 《海の神のお告げ》 1 《石成の荒廃》 1 《鍛冶の神のお告げ》 1 《世界樹への道》 1 《安らかなる眠り》 4 《奇怪な具現》 4 《創案の火》 1 《古き神々への拘束》 -呪文(28)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-相棒(1)- 1 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》 1 《暁の騎兵》 4 《致命的な一押し》 1 《高山の月》 1 《耳の痛い静寂》 1 《安らかなる眠り》 3 《神秘の論争》 1 《ケイヤの誓い》 1 《食肉鉤虐殺事件》 -サイドボード(14)- |
なんだかちょっと懐かしい、《空を放浪するもの、ヨーリオン》相棒の80枚デッキ!
思えばヨーリオン・デッキをリアルでプレイするイベントっていうのも、なかなか開催できずにスタンダードを去ってしまったもんなぁ。ということでヨーリオンの実物を所持しているプレイヤーはぜひともパイオニアで使って、当時果たせなかった思いを存分に満たしてほしい。
ヨーリオン以外にもデッキ内には現行スタンダードおよびちょっと前のスタンダードのカードが多く見られ、パイオニアというものがスタンダードで構築デビューを果たしたプレイヤーの次なる挑戦先として適しているフォーマットだというのがよくわかる。
数々のカードの中でも存在感を放つのは大きく2つ。まずは《奇怪な具現》。
このカードを活かすためにこのデッキはエンチャントとクリーチャーのみで構成されている。エンチャントを生け贄に捧げて、それよりもマナ総量が1大きいクリーチャーを直接戦場に出せるという、まさしく奇怪な能力を持ったこの1枚。この能力を活かすために、エンチャントの大半が《古き神々への拘束》のように戦場に出した時に誘発する能力を持ち、その時点で仕事を果たすカードで固められている。
戦場に出た際に能力誘発ということは、ヨーリオンで追放して再利用しても美味しいってことだ。数々のエンチャントで除去、あるいはドローやマナを安定させつつ、クリーチャーを具現させていく。これがまずひとつのテーマ。
そしてそのメインテーマを安定させるのが……これまた懐かしの《創案の火》!
あの超強力エンチャントがパイオニアでは使用可能! 現物を所持している皆さん、さあデッキを組もう!
自分のターンにしか呪文を唱えられず、また1ターンに2回という制限はつくものの、マナを支払わずに自分のコントロールしている土地の枚数と等しいマナ総量のカードを唱えられるという、特殊な加速エンチャントだ。これで具現と他のエンチャントを同時に出すなどして、エンチャントとクリーチャーだけのもっさりしがちなデッキをスムーズにブン回していくのである。
創案のデメリットである1ターンに2回しか呪文を唱えられないという弱点も、ヨーリオンでターン終了時まで追放してしまったり、《奇怪な具現》で生け贄に捧げてしまうという方法で解消可能だ。5マナのクリーチャーに繋げられるのでかなり強い面々を引っ張ってこれる。《スカラベの神》《帰還した王、ケンリス》などマナを必要とするクリーチャーも多いので、これらと創案は相性が良いというのもポイントが高いね。
このロマンあふれるデッキにおいて、良いアクセントになっている現実的なチョイスが《月恵みのクレリック》だ。
ヨーリオン80枚デッキにおいて、4枚ずつしか入れられないキーカード2種をライブラリーの一番上に置いてくれる、堅実な仕事をこなしてくれる。クリーチャーなので戦闘に参加もできるし、ヨーリオンで追放して再利用も可能。
ライブラリーの一番上に置くというのは、手札に入るのに比べてサーチとして弱く感じるかもしれないが、《思考囲い》などの手札破壊によってプランが崩されないというポジティブに捉えられる点も。もちろん具現 or 創案以外にもその状況で輝くエンチャントを持ってこれるので、特にサイドボード後はこのクリーチャーを有効活用して優位にゲームを進めていこう。こういうカードが脇を固めているデッキって良いよねぇ。
《創案の火》で行動を加速させ、《奇怪な具現》で強力なクリーチャーを得て勝つ、名付けて「エニグマ&ファイア」。パイオニアで楽しいデッキを探しているプレイヤーにオススメできる逸品だ。皆もデッキを作って、近くの店舗イベントに参加しに行こう! パイオニアならではの、そして人と向かい合ってカードでやり取りするマジックの楽しさが君を待っている。
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