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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
《無謀な嵐探し》でスピードアップ! グルール系デッキ2種紹介!(スタンダード)
構築においてクリーチャーを主体にした攻めるデッキを組む際に、非常に重宝される能力がある。速攻だ。
リミテッドでももちろんこの能力を持っていることは大きなプラス要素であるが、構築の方がそれをより顕著に体感できるだろう。
構築においては、クリーチャーで攻めてくることを許すようなデッキはない。まず、除去の量が決定的に違う。低コストを除去だけで固めたコントロールなどはザラで、そういった相手にクリーチャーを出しては除去されを繰り返していてはいつまでたってもダメージが通らない。
また、コントロール以外のデッキ、アグロ同型やミッドレンジといった相手も除去を搭載しているのが普通であり、クリーチャーが生きて次のターンを迎えることは保証されていないも同然。コンボデッキもいつその一撃必殺を繰り出してくるかわからず、とにかく早くゲームを終わらせるべき相手だ――
といった具合に、速攻という能力はこれらのプロブレムへの1つの解答となり得る素晴らしいものなのである。速攻最高! ビバ・ヘイスト!
特にその速攻を、継続して複数のクリーチャーに与えられるようなカードには素晴らしく価値がある。かつては《ヤヴィマヤの火》や《憤怒》のようなカードが時代を築いたものである。
そんな速攻付与カードの新顔が『イニストラード:真夜中の狩り』で登場。《無謀な嵐探し》である。
3マナで自身も実質3/3速攻として機能し、その後は後続を速攻&パワーを1強化してどんどんと戦線へ送り出していく。また夜を迎えることで《嵐蓄積の斬鬼》に変身しても速攻付与は継続して持ち、パワーを2上げてトランプルも与えると効果が大幅アップする。
これはかなり強力なクリーチャーであり、リリース前より大きな期待が持たれていた。今日は《無謀な嵐探し》を用いたデッキの中からグルール(赤緑)カラーをピックアップ! さあ、嵐を探しに出発だ!
6 《森》 3 《山》 4 《岩山被りの小道》 4 《落石の谷間》 2 《ハイドラの巣》 3 《バグベアの居住地》 -土地(22)- 4 《ヤスペラの歩哨》 4 《裕福な亭主》 3 《厚顔の無法者、マグダ》 1 《水蓮のコブラ》 3 《茨橋の追跡者》 3 《無謀な嵐探し》 4 《黄金架のドラゴン》 -クリーチャー(22)- |
4 《ドラゴンの火》 3 《レンジャー・クラス》 2 《髑髏砕きの一撃》 4 《エシカの戦車》 3 《レンと七番》 -呪文(16)- |
3 《辺境地の罠外し》 2 《秘密を知るもの、トスキ》 2 《星山脈の業火》 3 《火遊び》 4 《バーニング・ハンズ》 1 《レンジャー・クラス》 -サイドボード(15)- |
前環境から安定感のあるビートダウンだったグルール。ローテーションにより《エンバレスの宝剣》という必殺武器は失ったものの、主要パーツを務めていた《厚顔の無法者、マグダ》や《黄金架のドラゴン》は残留。《ヤスペラの歩哨》とマグダの黄金マナ加速コンビで展開を大きくサポートする動きは健在だ。
この展開により飛び出すハードパンチャーを《無謀な嵐探し》で速攻持ちにして、ゲームを大きく加速させていくのである。
その重い一撃を担うカードの1つは《エシカの戦車》。
4マナでパワー4と優れたダメージ効率に加え、猫2体を引き連れてくる展開力は新スタンダードでも唯一無二のものである。この戦車に速攻を付け、猫などを乗り込ませて突撃させることでトークンをコピーする能力をすぐさま誘発させられるのはかなりの脅威。
《エシカの戦車》の唯一の弱点とも言える、どんな小さなクリーチャーでも適当にブロックしてきたらダメージが通らないという問題も《嵐蓄積の斬鬼》でトランプル持ちにすることで解決だ。
《エシカの戦車》はカードパワーが高いものの、それゆえに警戒され各デッキ対策は用意されるのが当たり前と考えた方が良い。そうした中で速攻を与えて、とりあえずトークンは増やしてダメージも1回は入れておく、という運用は良いアンサーである。
もう1枚の重量級は《レンと七番》。その[-3]能力で生成されるツリーフォークだ。
土地の数だけのサイズということで6/6以上になるのも容易なこのトークン、これにも速攻やトランプルをつけることでその脅威度は格段に上昇するのは言うまでもない。
このツリーフォークは到達を持つので対戦相手の《黄金架のドラゴン》対策にもなるという優れもの。さらに先述の《エシカの戦車》で攻撃することでこのトークンのコピーも作れてしまう。そんなのってもう……鬼ですよ。
《ドラゴンの火》《髑髏砕きの一撃》などで相手のクリーチャーを除去しつつ、マナ加速からクリーチャーを繰り出し、それに速攻を持たせて殴る。これぞ強いグルールの象徴といった構成だ。
ただもちろん、これがベストな形と決まったわけでは決してない。まだまだ環境はスタートしたばかりだし、この手のデッキは本当に細かいバリエーションが多いものだ。今回はリストをもう1つ紹介しておこう。
4 《岩山被りの小道》 4 《樹皮路の小道》 4 《河川滑りの小道》 4 《落石の谷間》 4 《ハイドラの巣》 2 《バグベアの居住地》 -土地(22)- 4 《ヤスペラの歩哨》 4 《厚顔の無法者、マグダ》 4 《群れ率いの人狼》 4 《カザンドゥのマンモス》 4 《無謀な嵐探し》 4 《月の帳の執政》 4 《黄金架のドラゴン》 -クリーチャー(28)- |
3 《火遊び》 3 《安堵の火葬》 2 《髑髏砕きの一撃》 2 《エシカの戦車》 -呪文(10)- |
2 《星界の大蛇、コーマ》 2 《バーニング・ハンズ》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《否認》 2 《夜を照らす》 2 《壊れた翼》 3 《家の焼き払い》 -サイドボード(15)- |
こちらはメインは赤緑2色だが、《樹皮路の小道》《河川滑りの小道》と青マナも出せる土地を採用することでサイド後に青いカードを使うという構成だ。青の得意とする打ち消し呪文と、打ち消されず破壊不能も得る《星界の大蛇、コーマ》で、対コントロールなどをより強く戦えるような構成になっている。なかなか意欲的な構築である。
クリーチャーチョイスも単騎の打点をより重視したものになっており、《無謀な嵐探し》がよりハッスルしそうな構成だ。《月の帳の執政》が速攻を持って殴ってくる、黄金架とのドラゴン連打は20点のライフなどあっという間に削り尽くしてしまうだろう。
除去のチョイスも《安堵の火葬》になっているのが面白い。
いざとなれば手札を入れ替えるドローになり、引きすぎた土地をより有効なものへと変換して勝利という場面を演出してくれる可能性も。一見カードを捨てることに重きを置かないといけないカードに見えるが、こういう普通のデッキで使ってもそのポテンシャルは発揮できるのだ。
《無謀な嵐探し》を放っておくと、後続がどんどん雪崩れ込んできてゲームオーバー。これを除去すればそれはそれで単体のパワーが高いクリーチャーが生き残る。どう転んでも厄介なこの新たな狼男、赤い系のクリーチャーデッキのド定番となりそうだ。対策カード、しっかり用意してスタンダードに臨みたいところだね。
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