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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:名はデッキを表す。インパクトのあるデッキ名2選(パウパー&レガシー)

岩SHOW

 デッキリストを毎日のように眺めていると、素晴らしいデッキ名に遭遇することがある。そう、名前だけでもうクールに感じられるデッキってあるのだ。

 というわけで今週もやってきました、筆者が独断で「これはクールだ」と感じたデッキを紹介する当コーナー。今週はデッキ名にフォーカスしてみた。今週見つけたクールなデッキ2選を紹介だ。早速行ってみるぞ、ウラァ!

黒単で…?
Tyler Jung - 「黒単バーン」
Magic Online Society Pauper FNM / パウパー (2021年8月27日)[MO] [ARENA]
12 《
2 《ラクドスの肉儀場
2 《やせた原野
2 《陽焼けした砂漠
-土地(18)-

4 《変わり身ののけ者
4 《夜市の見張り
4 《トゲだらけのボガート
3 《グール・ドラズの吸血鬼
-クリーチャー(15)-
4 《夜の衝突
3 《ティゼルスの果実
4 《血の署名
4 《魂の刈り取り
4 《君主の一噛み
4 《暴君の選択
4 《欠片盗み
-呪文(27)-
1 《墓所のネズミ
4 《喪心
3 《侵入者への呪い
2 《ゲスの評決
3 《押し寄せる砂
2 《息詰まる噴煙
-サイドボード(15)-
MTG Melee より引用)

 

 毎週金曜日の夜をパウパーで楽しんでいるコミュニティを発見、面白いリストはないかと探れば……燦然と輝く「Mono Black Burn」の文字が! 「黒単バーン」、う~むクールな響きだ。

 バーンとは本来赤いデッキ、赤という色の役目であるプレイヤーに直接ダメージを与えられる《稲妻》などの呪文で対戦相手のライフを一気に攻めるアグレッシブなアーキタイプのことだ。

 それに矛盾する、黒単色のバーン。黒には対戦相手に直接ダメージを与える呪文こそ少ないが、ライフを失わせる呪文という役目は与えられておりそこそこの枚数がある。コモンのそれらを詰め込んだのがこのパウパーの黒単バーンというわけだ。クールな発想してるねぇ。

 赤のダメージ呪文と異なり、ライフを吸わせるということは対戦相手のクリーチャーに対して唱えて除去に用いることはできない。本来除去で勝る黒なのに、この逆転現象は面白い。

 とは言っても《魂の刈り取り》は除去でありライフを失わせる火力にもなり得るナイスチョイス。

 《夜の衝突》《ティゼルスの果実》と再利用可能だったり、《欠片盗み》でドローしたりと息切れ対策も揃っているのはこの形の強み。

 《血の署名》の使い方で勝負が決まりそうな、シンプルに見えてクールな奥深さを感じられる点もグッとくる。

爆弾男
Nicholas Dijohn - 「Bomberman」
2k @ MTG First Game Center トップ8 / レガシー (2021年8月21日))[MO] [ARENA]
4 《古えの墳墓
4 《裏切り者の都
4 《魂の洞窟
3 《古えの居住地
4 《ウルザの物語
1 《爆発域
-土地(20)-

4 《巧妙な鍛冶
4 《オーリオックの廃品回収者
3 《石とぐろの海蛇
3 《歩行バリスタ
-クリーチャー(14)-
4 《水蓮の花びら
4 《オパールのモックス
3 《ライオンの瞳のダイアモンド
3 《ミシュラのガラクタ
1 《Lodestone Bauble
3 《防御の光網
4 《虚空の杯
4 《大いなる創造者、カーン
-呪文(26)-
1 《深海の破滅、ジャイルーダ
-相棒(1)-

1 《爆発域
2 《封じ込める僧侶
2 《エーテル宣誓会の法学者
1 《宮殿の看守
1 《歩行バリスタ
1 《ライオンの瞳のダイアモンド
1 《トーモッドの墓所
1 《ガラスの棺
1 《液鋼の塗膜
1 《世界のるつぼ
1 《罠の橋
1 《マイコシンスの格子
-サイドボード(14)-
mtgtop8 より引用)

 

 お次はレガシーから。このデッキの名前は……「Bomberman」。英文法的にはBomberのみで爆弾を仕掛ける人を意味するので破綻しているのだが、某ゲームのタイトルになぞらえてこう呼ばれる。英語圏での発音は「ボンバマン」だとか。

 なぜこのように呼ばれるのか、その理由はこのデッキのコンボが爆弾を投げ続けるというフィニッシュを迎えるため。

 《オーリオックの廃品回収者》は墓地から1マナ以下のアーティファクトを戦場に戻す能力を持ち、これで《ライオンの瞳のダイアモンド》を戻す。

 ダイアモンドから3マナ得て、2マナ払ってまた廃品回収者で戻して……と無限にループを形成して有り余るマナを手に入れる。そのマナを使って《黄鉄の呪文爆弾》を拾っては投げ拾っては投げ、無限ダメージで勝利すると。

 爆弾を投げ続ける様を人は「Bomberman」と呼んだ。廃品回収者の英名から「サルベイジャーコンボ」とも呼ばれることもあるが、こちらはヴィンテージの《ドルイドの誓い》を用いたコンボのことを呼ぶことが多い。いずれにせよ、クールなデッキ名であることには違いないね。

 現在は呪文爆弾を使わなくなり、《歩行バリスタ》や《Lodestone Bauble》を決め技に用いるためボンバー要素はなくなったのだが、それでも「Bomberman」であることには変わりはないのだ。

 このコンボは《深海の破滅、ジャイルーダ》という新しいオプションを獲得したことでも話題になった。

 コンボパーツはマナ総量が4と0、つまり偶数で、後は《虚空の杯》《ミシュラのガラクタ》などのサポートも偶数で固められるので、このデーモン・クラーケンの恩恵を受けられる。廃品回収者を探すもよし、墓地利用が封じられたのなら対戦相手の適当なクリーチャーを奪って殴って勝つもよしのナイスフィニッシャーだ。

 《大いなる創造者、カーン》のおかげでメインデッキには入れられない《罠の橋》のようなマナ総量が奇数のカードを用いることもできるのがちょっとズルい、否、これもクールポイントと呼ぶべきだろう。

 そんなジャイルーダの偶数制約の中で、ちょうどこういうのが欲しかったという新カードがこの夏に参入。《巧妙な鍛冶》だ。

 アーティファクトを探す手段として、《ライオンの瞳のダイアモンド》や《歩行バリスタ》などコンボパーツをかき集めたり、《虚空の杯》《防御の光網》など妨害パーマネントを手に入れたり。クリーチャーとして戦場に残り、しかもアーティファクトを出すことで毎ターンサイズアップが狙える。良いことづくめだ。これを《虚空の杯》で《剣を鍬に》《致命的な一押し》などから護りつつ殴るだけでも戦える、求めていたクールなクオリティのカードがついにやってきたというところだな。

クールなまとめ

 デッキ名というものは時に軽視されることもある。競技シーンなどにおいては、デッキの内容を一目である程度伝える必要があるため、やや味気ないデッキ名で記されてしまうこともある。

 これは仕方のないことだが、逆にカジュアルな場であれば凝ったデッキ名をつけてリストを登録したって良い。遊び心が許される場所では、大いに好きな名前を付けようじゃないか。あるいは「黒単バーン」のように内容を伝えるためのシンプルな表記を逆手に取って、見たものを混乱させるデッキを作るというの楽しいことだ。

 名前も考えながらデッキを作ってみよう。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Name your deck!!

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