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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

リアニメイト・コントロール(スタンダード2022)

岩SHOW

 蒸し暑いなぁ~。油断すると一気に体温が上がってしまい熱中症になりかねない。今年も暑い夏がやってきたね。お家で友達と対戦するなり、MTGアリーナなりする時には無理せずエアコンの力に頼るのを忘れずに! 夏が苦手という人も多いだろうけども、まあくれぐれも無理せずにできるだけ楽に過ごして皆で乗り切ろう。

 この夏が終われば……秋の新セットがやってくると同時に、スタンダードのローテーションだ。まだ先の話ではあるが、いよいよその時が来るんだなぁと。『エルドレインの王権』『テーロス還魂記』『イコリア:巨獣の棲処』『基本セット2021』の4つのセットがスタンダードを離れることになる。振り返ればどれも、インパクトの大きなセットだったなぁ。

 これらが去ることで何が起きるのか? この夏はそんなことを考えながら過ごすのも良いかもしれない。カードとの別れはいつだって寂しいものだが、悲観的な側面ばかりではない。強力なカードと役割が被っていることで席を奪われていたカードにスポットライトが当たる可能性は大いにある!

 それを確かめるには、MTGアリーナで絶賛開催中の「スタンダード2022」をプレイするのが最適だ。新スタンダードの予習、ローテーション後に残るカードの復習にピッタリな、まさに夏休みの宿題なこのフォーマット。今回は現行スタンダードではあまり見かけないカードたちが主役のデッキを紹介だ。

Daniel Bitel - 「リアニメイト・コントロール」
スタンダード2022(BO1) (2021年7月20日)[MO] [ARENA]
2 《
2 《平地
2 《
4 《針縁の小道
4 《荒廃踏みの小道
4 《陽光昇りの小道
1 《清水の小道
2 《ロアホールドの学舎
2 《シルバークイルの学舎

-土地(23)-

4 《騒々しい写本、コーディ
2 《黄金架のドラゴン
1 《燃えルーンの悪魔
1 《ギルドの重鎮、ザナサー
2 《ヴェロマカス・ロアホールド

-クリーチャー(10)-
2 《血の長の渇き
4 《検体探し
4 《身震いする発見
2 《消失の詩句
1 《ドラゴンの火
2 《魂の粉砕
3 《シュタルンハイムの解放
4 《ロアホールドの命令
3 《潮による復活
1 《ドゥームスカール
1 《エメリアの呼び声

-呪文(27)-
2 《環境科学
1 《壊死放出法
1 《害獣召喚学
1 《ご破算
2 《マスコット展示会

-サイドボード(7)-
Daniel Bitel氏のTwitter より引用)

 

 白黒赤、それにほんのわずかに青を足したリスト。分類するならばコントロールで、主役の1つは《騒々しい写本、コーディ》!

 ストリクスヘイヴンのかわいいマスコット、現スタンダードでももちろん使用は可能だが、《無情な行動》《取り除き》など2マナ除去でサクッと潰されてその能力を発揮される前に潰されることがほとんどという状況。これらがなくなれば、思い切って3ターン目にプレイして、無事にターンが返ってくるのをより祈りやすくなる。そうなると、パーマネントが少なめのデッキにとっては大きくアドバンテージを得る手段として機能してくれるはずだ。

 逆に考えれば、コーディに対処可能な軽い除去はそれだけで価値があるとも言えるね。簡単にカード1~2枚分のアドバンテージを稼いでしまう強力なクリーチャーなので、要警戒だ。

 コーディを用いるということはデッキはほとんどがインスタントとソーサリーということになるが、このリストにはかわいい写本以外にもクリーチャーが採用されている。いずれもヘビー級で、1枚でゲームに勝てるポテンシャルを感じさせるものだ。

 《ヴェロマカス・ロアホールド》をはじめとする面々は、コーディを引かなかったり対処された際には手札から唱えて用いることも。

 ただコーディがいても運用可能なようにもなっているのがこのデッキの注目ポイント。それを可能にするのはリアニメイト戦略だ。《身震いする発見》で手札から捨て、墓地に落ちたそれを《潮による復活》で戦場に、という算段だ。

 これであればコーディとも共存可能で、《潮による復活》でコーディの能力を誘発させることで除去をしながら大型フィニッシャーを降臨させるという大技も狙える。そして何より、《潮による復活》は除去されたりしたコーディを釣り上げることもできるというのが大きいね。

 基本部分はコントロールデッキのそれで、白黒赤というクリーチャーやその他パーマネント除去を得意とする色の本領を発揮してクリーチャーをプチプチと潰していく。これをいつまでも続けているとどこかで捌き切れなくなって負ける危険性が高まるので、上記のような攻勢に出るカードで切り返すことが重要だ。

 序盤はコントロールし、中盤からコンボやパワーカードで攻勢に出るデッキというのは現行スタンダードでも多く存在するが、その多くは勝ちに行く要素をローテーションで失うことになる。ではどうなるか、その答えがこのデッキで取り上げているカードのように、スタンダード2022をプレイすることで見えてくるかもしれない。

 《シュタルンハイムの解放》も使ってみると「このカード強ぇなぁ」としみじみ感じたりしたので、皆も側にあるのに気づいていない未来の強力カードを探しに行こうじゃないか。

 あるいはそれらに後を託して去り行くカードたちを愛でるのも大事な時間だよね。この夏もまた、マジック的に思い出深いものになれば良いなぁと、心からそう思うのだった。

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