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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
インカーネーションの意味とは? 4色エレメンタル(モダン)
マジックは英単語を覚えるのにヴェリィ~グッド! お父さんお母さんも、ぜひともお子さんにマジックを勧めてあげてください。学校の試験で必要な単語はあまり覚えないかもしれないけども……1つでも多く覚えるに越したことはないしね!
僕はマジックを通じてアバター/Avatarという単語の意味を把握していたので、後に仮想現実系ブームの際にアバターというフレーズが出てきても「?」とならずにすんなりと馴染めたよ! アバターは化身という意味で、これを《憤怒の化身》なんかで知ることができたわけだ。
そしてアバターに近い意味でインカーネーション/Incarnationというフレーズも覚えられたよ! こちらは具体化とか、宗教的な意味では顕現とかそういうことを示す。いつ使うねんと言われそうだが、まあいつかね、海外出張の際に私はハットリ・ハンゾウの生まれ変わりですよ、なんてジョークを挟むことで現地のスタッフと仲良くなったなんてこともあるかもしれんしね(過去にプロツアーのカメラクルーたちに似たようなことを話したらバカウケしてた思い出)。
というわけでインカーネーション、マジックではクリーチャー・タイプの1つになっている。生命体というよりは、概念が姿かたちを得たものという雰囲気の面々で、どれも生物名として似つかわしくない単語が名前になっている。《栄光》とか《起源》とかいった具合にね。
『モダンホライゾン2』ではインカーネーションが目玉サイクルとして各色の神話レアを務めている。どれもエレメンタルとタイプを兼ねており、パワー/タフネスは2~4、マナ総量は3~5という中堅サイズの面々だ。
キーワード能力を2つ、瞬速とその色に対応したものを1つ持っている。そして戦場に出た際に誘発する能力、そして手札を1枚追放することで想起で唱えられるという点もすべてのカードで共通している。想起ということで戦場に出てそのまますぐ生け贄に捧げられてしまうが、戦場に出た際に誘発する能力で仕事は果たしてくれる。
《悲嘆》は《暴露》のように用いることが可能で、代替コストでマナ不要で唱えられる、いわゆるピッチスペルとして用いるという選択肢を持ちつつ、マナに余裕があればきちんと唱えてクリーチャーとして戦力にしちゃいなよというわけである。どれも能力は優れたものであり、モダンやレガシーでデッキのアクセントとして使用されている。
で、このインカーネーション・サイクル。エレメンタルである点に注目。エレメンタルといえばモダンで人気の部族であり、5色や4色のエレメンタルデッキはトーナメントでもたびたび姿を見かけるものだ。それらのデッキにインカーネーション、入らないわけがない!
というわけで今日は、新たに顕現したエレメンタルたちが共演するデッキを紹介しよう!
1 《平地》 1 《森》 1 《神聖なる泉》 1 《聖なる鋳造所》 1 《寺院の庭》 1 《蒸気孔》 1 《繁殖池》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《溢れかえる岸辺》 2 《霧深い雨林》 1 《乾燥台地》 4 《魂の洞窟》 2 《手付かずの領土》 -土地(23)- 4 《炎族の先触れ》 4 《不確定な船乗り》 4 《復活の声》 4 《発現する浅瀬》 1 《忍耐》 1 《乱動の座、オムナス》 4 《創造の座、オムナス》 4 《孤独》 2 《緻密》 1 《基盤砕き》 3 《激情》 1 《目覚ましヒバリ》 -クリーチャー(33)- |
4 《儚い存在》 -呪文(4)- |
1 《孤児護り、カヒーラ》 -相棒(1)- 4 《大爆発の魔道士》 3 《忍耐》 3 《基盤砕き》 2 《緻密》 1 《激情》 1 《目覚ましヒバリ》 -サイドボード(15)- |
ズラリ!豪華33体のエレメンタルによる黒以外の4色デッキだ。エレメンタルに絞り込んだことで《魂の洞窟》《手付かずの領土》と5色土地が使えるのでこんな一見無茶な攻勢が成り立つのだ。
そんなエレメンタルで固めたことで《炎族の先触れ》で好きなものをライブラリーの一番上に仕込んだり、《乱動の座、オムナス》で大ダメージを叩き込んだりできるが……最も大きな恩恵を授けてくれるのは《発現する浅瀬》。
エレメンタルが戦場に出るたびにライブラリーの一番上のカードが土地なら戦場に出すか、そうでなければ手札に加える、という大きなアドバンテージを得られる。3ターン目に《発現する浅瀬》が出て、続くターンまで生き延びればもう好き放題!
なので対戦相手はそれを阻止するために全力で浅瀬を叩きにくるだろう。そんなに甘くないよな……と、思わなくて良い。そう、インカーネーションたちがいるんだからね。
これらを想起で唱えることでマナ不要で《発現する浅瀬》の能力を誘発させられる! インカーネーションの能力でしっかりとクリーチャーを除去したり打ち消したり墓地追放をしつつ、想起で追放した手札分のディスアドバンテージを浅瀬で取り返すのだ。マナを支払わないどころかマナが増える可能性もある、超強力シナジーに震えるばかりだ。
さらにこのインカーネーションを活かすための工夫がこのリストには仕込まれている。まず、唯一の非クリーチャー呪文である《儚い存在》。
クリーチャーを追放してすぐさま戦場に戻す、これを2ターンに渡って行えるインスタントだ。浅瀬やオムナスを出し入れするだけで得する強力呪文だが、インカーネーションとの相性も抜群だ。想起コストで唱えられたクリーチャーは、戦場に出た際に生け贄に捧げる能力が誘発する。これを解決する前に《儚い存在》で追放。その後戦場に戻るわけだが、こうして戻ってくるクリーチャーは追放される前のものとは別のオブジェクトとして扱われる。つまり戻ってきたインカーネーションには想起で唱えられたという事実がなくなっており、そのまま戦場に残る。きちんと戦力として扱うことが可能となるわけだ。
それどころか《儚い存在》の2回目で使いまわして、対戦相手の戦場をズタボロにしてしまえることも。これに《発現する浅瀬》が絡めば、いかに一方的なゲーム展開になるかよくわかってもらえるだろう。
もうひとつの工夫は4色デッキであること、すなわち《創造の座、オムナス》を採用していること。
これ自体、各種フェッチランドや《発現する浅瀬》と組み合わせてマナやライフをジャンジャン供給しやりたい放題を加速させる役目を担うのだが、それ以上に重要なのがこのカードが4色であること。デッキが採用しているインカーネーションすべての想起コストに対応している! せっかく浅瀬もインカーネーションもあるのに手札に対応する色のカードがなくて気持ちよくなれない……そんな不完全燃焼な状況を少しでも避けられるように、オムナスは喜んでその身を捧げてくれるのだ。
ただでさえ物量が異常なエレメンタルが、インカーネーションの参入でよりパワフルかつ小回りが利くようになっている。《孤独》は英語でsolitudeなんだねなんて、勉強しながら楽しめるこのモダンデッキ……皆さんの家庭にも、おひとついかがかな。
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