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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
2色が強くて5色が強い! ニヴ=ミゼットで大満足(ヒストリック)
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』『ヒストリック・アンソロジー5』と畳みかけるように新戦力が参入したヒストリック環境。この2つのセットに見られるのは……強力な2色のカードだ。
ストリクスヘイヴンには2色を司る大学が集まっているのは今さら言うまでもない。アンソロジー第5弾には前回に触れたように2色の「命令」サイクルが収録されている。
強い2色のカードが短期間でまとまってリリースされたことにより、ヒストリックはちょっとしたパニック状態。とりあえず既存の2色デッキ「グルール・アグロ」や「イゼット・フェニックス」は軒並み強化された形になる。2色デッキの時代の到来だ!
……というわけでもないのがヒストリックというフォーマット。ここにはMTGアリーナでリリースされたすべてのセットがある。『カラデシュ』期から今日のスタンダードに至るまで、およそ5年分に特殊な再録を少々。これだけのカードプールであれば、土地の選択肢もバリエーション豊かに揃えられている。
多色土地というものはそのセットがリリースされた頃の状況により強弱の波というものがある。現在のスタンダードはややマイルドという状況だが、ヒストリックであればライフを犠牲にしつつアンタップで出せる《湿った墓》などのショックランド(※1)、特定の土地タイプをコントロールしていればアンタップで出せる《竜髑髏の山頂》などのチェックランド(※2)といった強力な多色土地が現役だ。
- ※1:2点のライフを支払うというのが《ショック》を受けることに相当するのでこう呼ばれる。ラヴニカの各ギルドカラーに対応しているため「ギルドランド」とも
- ※2:基本土地の有無を確認することからこう呼ばれる。他にもコア(基本)セットに収録されること多かったため「コアランド」、初出セットに合わせて「M10ランド」や「イニストランド」とも
これらと、《ゼイゴスのトライオーム》などの3色土地などを組み合わせれば、3色以上のデッキだって難なく運用できてしまう。それらのデッキだって、新しい2色のカードを手に入れて活気づいているのだ。
特に「2色」であるという点はあるカードにとっては特別な意味を持つ。そのカードは……《ニヴ=ミゼット再誕》!
5色のニヴ=ミゼットはちょうど2色からなるカードを手に入れられるので、強い2色カードが出れば出るほどにその強さが増していくのだ。
この春に得た新戦力で、夏を乗り切る準備は万端。より一層デッキパワーを高めたヒストリックの《ニヴ=ミゼット再誕》を紹介しよう!
1 《平地》 1 《沼》 1 《山》 1 《氷河の城砦》 1 《孤立した礼拝堂》 1 《聖なる鋳造所》 1 《寺院の庭》 1 《湿った墓》 1 《水没した地下墓地》 1 《蒸気孔》 1 《硫黄の滝》 1 《血の墓所》 1 《竜髑髏の山頂》 1 《草むした墓》 1 《根縛りの岩山》 2 《インダサのトライオーム》 2 《ラウグリンのトライオーム》 2 《ゼイゴスのトライオーム》 3 《サヴァイのトライオーム》 2 《ケトリアのトライオーム》 1 《世界樹》 -土地(27)- 2 《運命の神、クローティス》 2 《天頂の探求者、カーリア》 4 《ニヴ=ミゼット再誕》 1 《スカラベの神》 1 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(10)- |
1 《マナの税収》 4 《稲妻のらせん》 3 《表現の反復》 3 《思考消去》 1 《アングラスの暴力》 3 《轟音のクラリオン》 2 《コラガンの命令》 4 《古き神々への拘束》 2 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》 -呪文(23)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》
-相棒(1)- 1 《秋の騎士》 1 《秤の熾天使》 1 《人質取り》 1 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》 3 《墓掘りの檻》 2 《思考囲い》 3 《ドビンの拒否権》 1 《陽光の輝き》 1 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》 -サイドボード(15)- |
5マナ6/6飛行と単体でゲームに勝てる立派なボディに加え、戦場に出た際にライブラリーの上から10枚の中にある2色の呪文を手札に一気にドンと補充するアドバンテージの取り方が豪快な《ニヴ=ミゼット再誕》。
彼は2色の組み合わせ1つにつき1枚手札を得られるので、同じカラーリングのカードばかりでデッキを組んでもあまり美味しくない。そんなわけで2色の組み合わせ10パターンの中からなるべくバリエーション豊かなラインナップを用意する必要がある。
また、単色で同じようなことができるカードでもあえて2色のものを採用するなどの工夫も必要だ(《思考囲い》ではなく《思考消去》を用いるなど)。ただ5色のデッキを組めば良いというわけではないので割とハードルは高いものなのだ。
そんなニヴ再誕デッキは、各2色から主に除去を集めたコントロールデッキだ。対戦相手のパーマネントに対処するのは得意で、《古き神々への拘束》があるのでパーマネントの種類は問わずに対処可能だ。この英雄譚は各種トライオームを持ってきて色マナを安定させる役割も担っている。
逆にこれ以外にマナサポートはなく、自力で何とかするという気概を感じざるを得ない。《耕作》など入れても良いが、ニヴのハズレが増えてしまうからね。《成長のらせん》を用いるリストも見られるが、このリストではそれも不採用。そもそも青と緑を優先して得られるような土地構成にしてしまうと赤白とか黒赤の強力なカードが使いづらくなってしまうのはダメなんじゃないのか?という意図が読み取れる。これは納得できる理由であり、また実際にプレイしてみると《成長のらせん》なしでも土地が強いので十分何とかなってしまう。その分土地は27枚と総数を多くして、確実に得られるようにしてある。
では新たに手に入れた2色カードについて解説していこう。《成長のらせん》がないことで空いたスロットで存在感を発揮しているのが《表現の反復》。
このデッキでの反復はかなり強い! なぜなら、3枚めくればそこにあるのは多色土地かあるいは2色のパワフルな除去。その中から2枚を使用できるのだから、アドバンテージは質も量も完璧。序盤は足りていない色マナを得て、中盤以降は盤面を一掃する手段やニヴを手に入れて攻勢に転じるきっかけとなる。とにかく強いので、今後5色ニヴデッキを組む際にはぜひとも候補に入れてほしい。
除去の枠には2種類が加わっている。《稲妻のらせん》は、とにかくライフが大事なこのデッキの生命線。
クリーチャーやプレインズウォーカーを処理しつつ減ったライフを埋め合わせて、このデッキが勝つための終盤へとしっかりと繋げる。それでいてニヴ再誕後は対戦相手本体に撃ち込んでライフを削ってさっさと勝つ手段になるのもGOOD。
もう1つの除去は《コラガンの命令》。
低タフネスのクリーチャーとア―ティファクトの2枚抜き、墓地からニヴを拾う、対戦相手がドローしたカードをメイン・フェイズに入る前に捨てさせるなどなど、状況によってモードを切り替えながら最高のパフォーマンスを発揮させよう。ニヴでこれが公開されると「あぁ、除去っても意味ないな」と悟った対戦相手が投了しがち。その気持ちはよくわかる、嗚呼無情。
新2色呪文でバッチリ強化されたニヴ再誕コントロール。5色デッキとか回せる気がしないという方もいるだろうが、ヒストリックの土地の充実ぶりを信じて、一度試してみないかい? デカいドラゴン出しながら手札7枚超えちゃったよ捨てないとな~なんて贅沢な悩みでニヤニヤするのは、最高のマジック体験のひとつに違いないッ!
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