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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジャンド・アルカニスト~墓地からの収穫~(ヒストリック)

岩SHOW

 『モダンホライゾン2』がもうすぐリリースされる。日本では6月11日(金)に発売される予定なので、モダンをはじめこのセットが使えるフォーマットに興味がある人はぜひとも手に取ってみてほしい。

 パックから飛び出るカードの数々は、スタンダードを経由しないからこそ作れる実験的なものやかなりカードパワーの高いもので構成されている。あぁ、少しでも早く新カードを使いたい!

 ……と思ってしまうのが人の性だが、その欲求はすでに満たすことができる。『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の「ミスティカルアーカイブ」に先行収録されている《豊穣な収穫》はレガシーやヒストリックでプレイすることが可能だ。

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 なかなか粋なプレビューだが、果たしてこのカードがどれほど使われているかというと……めっちゃ人気! 1マナでドローの類だが、手に入るカードが土地かそれ以外かを選ぶことができる。これ、見た目以上に便利な呪文だ。

 どういうデッキで本領を発揮するかというと、土地の枚数を極力抑えた構成のもの。軽いカードを中心に採用しているデッキは、土地を引きすぎると使い道がなく無駄なドローとなってしまう。それを回避するため枚数を抑えるが、それはそれで必要な場面で土地を引けない可能性もある。そんな時に、この手の土地を手に入れられる呪文はありがたい。土地1枚で初手をキープしやすくしてくれる上に、ゲーム終盤では土地以外を指定して確実に呪文を手に入れる。この便利さは、もはや緑を足してでも使いたくなるレベル?

 今日はそんなヒストリックのリストを取り上げよう。

AlthMTG - 「ジャンド・アルカニスト」
ヒストリック (2021年5月3日)[MO] [ARENA]
4 《血の墓所
4 《竜髑髏の山頂
4 《草むした墓
4 《花盛りの湿地
4 《踏み鳴らされる地

-土地(20)-

4 《縫い師への供給者
4 《戦慄衆の秘儀術師
4 《死の飢えのタイタン、クロクサ
3 《漁る軟泥

-クリーチャー(15)-
4 《豊穣な収穫
4 《思考囲い
2 《コジレックの審問
4 《血の長の渇き
2 《致命的な一押し
4 《信仰無き物あさり
1 《大渦の脈動
4 《立身 // 出世

-呪文(25)-
1 《夢の巣のルールス

-相棒(1)-

1 《漁る軟泥
2 《強迫
2 《致命的な一押し
4 《燃えがら蔦
2 《暗殺者の戦利品
2 《魔女の復讐
1 《大渦の脈動

-サイドボード(15)-
AlthMTG氏のTwitter より引用)

 

 ヒストリックの「ラクドス・アルカニスト」に《豊穣な収穫》などを取り入れた「ジャンド・アルカニスト」だ。アルカニストとは《戦慄衆の秘儀術師》のこと。

 墓地からインスタント or ソーサリーを唱えられるイカしたゾンビで、これの選択肢のひとつに《豊穣な収穫》を加えているのだ。

 このデッキは《夢の巣のルールス》を使う関係で土地の枚数を20枚に抑えているが、《死の飢えのタイタン、クロクサ》がいる関係で4枚目の土地が欲しいという場面もある。そんな時は確実に土地が手に入る《豊穣な収穫》は素晴らしいね。

 デッキは基本的にラクドスと同じ。《縫い師への供給者》で切削するか《信仰無き物あさり》で捨てるかして墓地を満たして秘儀術師で唱える呪文を用意したり、《立身 // 出世》の《立身》で戦場に戻すクリーチャーを仕込んだりする。

 《思考囲い》《コジレックの審問》で対戦相手の手札を確認、その中から相手のコンボパーツや円滑な動きを促すカードなどを捨てさせ、ゲームのペースをこちらがコントロール。

 これらを秘儀術師でおかわりすることで一種のハメ状態に持っていく。

 クリーチャー主体デッキ相手には《血の長の渇き》《致命的な一押し》でバシバシと撃ち落として、これらも再利用。

 この動きをスムーズに行えるように、《豊穣な収穫》でカードを手に入れていこう。

 緑を足したことのメリットは他にもある。《漁る軟泥》はラクドスなどの同型やその他墓地利用デッキに対して鬼神のごとき活躍を見せてくれる。そう、このデッキはアルカニストを狩るアルカニストなのだ。

 ライフの減少がなかなか激しいデッキでもあるので、軟泥の回復は微々たるものであってもありがたい。

 また、赤と黒では対処しにくいパーマネントへのアンサーを用意できるのも嬉しい。具体的には墓地対策のパーマネント。《墓掘りの檻》などは赤黒でもなんとかなるが、《安らかなる眠り》をポンと出されるとどうしようもない。そこに緑が加わるだけで、エンチャントだってなんとかなる。

 特に注目すべきは《燃えがら蔦》! シブいチョイスだ。

 これは生け贄に捧げることでアーティファクトかエンチャントを破壊できるのだが、マナ総量が2なのでルールスで墓地から唱えられる! 何度も使いまわせるので、その手のパーマネントを並べるデッキにとっては悪夢となるだろう。地味にダメージを与える能力もついていて、無駄にはなりにくい。

 ジャンドになったことでラクドスよりも器用になったが、ただ良いことばかりでもない。《豊穣な収穫》はある程度求めるものが手に入るが、手札が増えるカードではない。量を求めるなら《村の儀式》の方が上回るし、それと相性抜群な《若き紅蓮術士》が採用されていないことで、相手のクリーチャーに殴られだすと脆いという側面も。

 このリストの形で強く立ち回れる相手と、一般的なラクドスでそうできる相手とはやや異なるので、各自が対策したい仮想敵に合わせて調整していくのが良いだろう。

 そんなわけで、最後に良いとこどりしてみたリストを載せて今回はオシマイ。また明日!

岩SHOW - 「ジャンド・アルカニスト」
ヒストリック (2021年5月)[MO] [ARENA]
4 《血の墓所
4 《竜髑髏の山頂
4 《草むした墓
4 《花盛りの湿地
4 《踏み鳴らされる地

-土地(20)-

4 《縫い師への供給者
4 《戦慄衆の秘儀術師
3 《死の飢えのタイタン、クロクサ
3 《若き紅蓮術士
2 《漁る軟泥

-クリーチャー(16)-
2 《豊穣な収穫
4 《思考囲い
2 《コジレックの審問
4 《血の長の渇き
2 《致命的な一押し
4 《信仰無き物あさり
2 《村の儀式
4 《立身 // 出世

-呪文(24)-
1 《夢の巣のルールス

-相棒(1)-

1 《漁る軟泥
2 《強迫
2 《致命的な一押し
4 《燃えがら蔦
2 《暗殺者の戦利品
2 《大渦の脈動
1 《魔女の復讐

-サイドボード(14)-

 よく考えたらこれが公開される頃には『ヒストリック・アンソロジー5』で《忌まわしい回収》が再録されてるんだな……これは切削に特化したジャンドが勢力を拡大しそうな予感!

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