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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
コボルド・ストーム(レガシー)
マイナーものの魅力ってのはどんなジャンルにもある。映画や音楽、漫画など。趣味の世界ではメジャーではなくとも魅力あふれるマイナーな世界が、それを愛する一部の人を熱くさせてカルト的人気を集めているね。
マジックにおけるマイナー……マイナーなデッキやマイナーなカードは熱狂的なファンを生み出している。マイナーなクリーチャータイプというのも、多くはなくとも少なくはないファンを獲得している。
人間・エルフ・ゴブリン・マーフォーク・ゾンビ・ドラゴン・天使・デーモン……これらがメジャー種族とするとマイナー種族とはどういった面々になるか。たとえば……「コボルド」なんかはこれぞマイナー種族!というところじゃないかな。
《Kobolds of Kher Keep》のように他のマジックとは明らかに異質な、コミック調のイラストを持ったものなどが『レジェンド』で複数登場。コボルドを強化するカードもいくつかあるというのも人気につながっているが、彼らがもっとも人を惹きつけるポイントは……{0}!
《Kobolds of Kher Keep》に《Crimson Kobolds》《Crookshank Kobolds》の3種類は、色を持っていながらコストが{0}という最初のカードとして登場。彼らは0/1と戦闘面では何の役にも立たないが、そのコストは実に魅力的だ。
近年、ここに新たに《ロフガフフの息子、ログラクフ》も加わった。
0マナコボルドを真面目に使ったコボルド部族デッキはもちろんのこと、そのコストに注目してコンボデッキで用いるマニアもいる。今日はそんなマニアックなコボルド中心のデッキをご紹介!
4 《ガイアの揺籃の地》 -土地(4)- 4 《Kobolds of Kher Keep》 4 《Crimson Kobolds》 4 《Crookshank Kobolds》 2 《ロフガフフの息子、ログラクフ》 4 《メムナイト》 4 《羽ばたき飛行機械》 4 《ファイレクシアの歩行機械》 4 《Elvish Spirit Guide》 4 《クローサの旅人》 4 《絡み森の大長》 4 《孔蹄のビヒモス》 -クリーチャー(42)- |
4 《豊穣な収穫》 4 《垣間見る自然》 2 《ゴブリンの放火砲》 4 《変わり樹の共生》 -呪文(14)- |
4 《夏の帳》 1 《バーラ・ゲドの復活》 4 《活性の力》 4 《虚空の力線》 2 《ゴブリンの放火砲》 -サイドボード(15)- |
レガシーにおけるコンボデッキだが……どう表現したものか(笑)。
一応、このデッキコンセプト自体はかなり昔からある。コボルドをはじめとしたコストが{0}のクリーチャーの群れ、群れ、群れ。その数、圧巻の26枚!
で、これらのクリーチャーをどうするのかというと、《垣間見る自然》と組み合わせることでコンボとしている。
このソーサリーを唱えたターンは、クリーチャー呪文を唱えるたびにカードが1枚引ける。{0}のコボルドをはじめとした連中を投下し続け、カードを引きまくり……というのがデッキのメインエンジンだ。
呪文を同一ターンに連打することで勝つデッキは《苦悶の触手》や《ぶどう弾》のようにストーム呪文を用いることが多く、この{0}クリーチャー×《垣間見る自然》コンボデッキもそういったカードでフィニッシュすることが多かったので「コボルド・ストーム」と呼ばれる。ただこのリストは、時代が進んだことでストームが不要となった最新型だ。
ストームを使わずして勝つ「コボルド・ストーム」の新たなフィニッシュは《孔蹄のビヒモス》で迎える!
大量に並べた{0}クリーチャー、そしてそれと組み合わせる《ガイアの揺籃の地》からマナを得てこの巨大な怪物を唱える!
戦場に居る有象無象の数だけビヒモスのサイズが修整され、速攻を活かして即攻撃!クリーチャーをばら撒いてから1ターン挟んでのビヒモスであればそれらの小粒も攻撃できるのでほぼ確実に仕留められるし、{0}を並べたのと同一ターンの仕掛けでも、計15体以上クリーチャーを出せていれば一撃で20点を超えるダメージを叩き出せる。
そんなわけで1~2ターン目に勝ってしまう、実に暴力的なコンボだ。このビヒモスに《ガイアの揺籃の地》も古いカードなので、もっと早くにこの勝ち方を目指すデッキが現れても良さそうなものだったが……この2021年に出現したのには理由がある。近年のカードで安定感が向上したのだ。
まず、《変わり樹の共生》。
「コボルド・ストーム」はその特性上、土地を複数枚デッキに入れると機能しなくなる。《垣間見る自然》から土地をドローしたら何の意味もないからだ。土地をごく少数、《ガイアの揺籃の地》4枚のみに留めるも、《垣間見る自然》を唱える{G}は欲しい……そんな我がままを叶えるのがこのソーサリーであり土地である《変わり樹の共生》だ。《Elvish Spirit Guide》《絡み森の大長》とこの共生で{G}を得て、コンボをスタートしよう。
《変わり樹の共生》を《うねる森、変わり樹》として置いたらそのターンは土地を出してしまっているので《ガイアの揺籃の地》が出せないじゃないかって? ご心配なく! そういう時のための《クローサの旅人》だ。
これで手札から土地を直接戦場に出すおかげで、1ターンに複数の《ガイアの揺籃の地》を運用なんてスーパープレイも可能だ。
で、《変わり樹の共生》は土地となる上に(ある程度の運は必要となるが)追加のビヒモスとしてカウントできる。同一ターンにダブルビヒモスなんてのも決して夢ではないのだ。
もう1つ、デッキの安定感を高める1枚が《豊穣な収穫》。
『モダンホライゾン2』に収録されるカードで、今現在はミスティカルアーカイブとしてリリースされレガシーなどでは一足先に使うことが可能となっている。
土地かそうでないかを指定してカードを手に入れられるソーサリーで……つまりは土地と指定すればこのデッキでは確実に《ガイアの揺籃の地》が手に入る。
2020~2021年の収穫で、《孔蹄のビヒモス》と《ガイアの揺籃の地》、2つのキーカードへのアクセスが容易になった。あとはマリガンでしっかりと《垣間見る自然》が見つかればなんとかなる!というところまでデッキの完成度はアップしているのだ。
土地の枚数が少ないのを活かして《ゴブリンの放火砲》も勝ち手段の1つとして採用されている。
起動してコボルドらをパラパラと20枚以上公開してワンショット・キルを決めてみたいものだ。コンボ以外の要素はデッキ内に存在せず、絶対に決めて勝つぞ!という強い意志を感じる。
同時に、{0}軍団を適当に並べてガイアからビヒモスってできたら、どんだけゲームがグダグダになっても勝ってしまえるというのも嬉しいところ。
この手のソリティア系コンボ、好きな人はとことんハマることだろう。マイナー種族であるコボルドが主役のマイナーコンボデッキ、カルト的な人気を集める予感……?
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