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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
《血の化身の目覚め》を使いたい!(新スタンダード)
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』は5つの大学が舞台。そこに通う生徒と教授たち、飛び交う魔法をカード化している。
各大学はそれぞれに2色の組み合わせからなる魔術を取り扱っている。その組み合わせは対抗色と呼ばれるもの。これが何かというと、マジックのカードを実際に見ながらだとよくわかる。
カードの裏面、マジックのロゴの下。中央に5つの色を示すシンプルな図形が五角形状に並んでいる。この五角形で隣り合う点(色)というのは友好色と呼ばれる。たとえば白から見れば青と緑が隣り合う色なので、白青および緑白は友好色となる。これに対して対抗色はというと、五角形の対角線上に位置する2色のこと。つまり白からすれば黒と赤である。
マジック黎明期からしばらくは、この友好色の多色カードが多く、対抗色の多色カードは少なかった。また友好色では色の垣根を越えて相互作用を起こすものがあり、対抗色に対しては露骨なまでの対策カードが用意されていた。
ただ、2005年ごろからこの概念は薄れていき、友好色も対抗色もなく、互いの色の良いところを合わせた多色カードが作られていくようになる。今日においては友好色よりも対抗色のカードの方が多く目にするようになってきたレベルであり、ストリクスヘイヴンはまさにその象徴と言えるのだ。
ただ対抗色まみれのこのセットにおいて、唯一友好色のカードが存在しているのは興味深い。それは《オリークの首領、エクスタス》の第2面である《血の化身の目覚め》だ。
白黒のカードに隠された赤黒のモードこそ、このセットの唯一とも言える友好色要素。このデザイン、いかにこの血の化身というものがストリクスヘイヴンのあるべき姿を乱す存在なのかが強調されていてわかりやすいね。
見た目もなかなかにカッコよく、カードとしても3/6のアバターという他に類のないトークンを生成するので、思わず使ってみたくなる。そして黒赤という友好色の象徴とも言える、生け贄に関するカードとくればもう最高だ。《血の化身の目覚め》のコストのために生け贄に捧げたクリーチャーを《オリークの首領、エクスタス》で回収するという動きもできてしまうあたりが自己完結していてデッキも組みやすそうだ。
そんなわけでストリクスヘイヴン入学前の予習デッキ構築シリーズ、今回はこの白黒/黒赤のモードを持つカードをフィーチャーしたものに挑戦だ!
7 《沼》 3 《山》 4 《悪意の神殿》 4 《荒廃踏みの小道》 1 《ロークスワイン城》 4 《寓話の小道》 -土地(23)- 3 《スカイクレイブの影》 2 《嘘の神、ヴァルキー》 4 《砕骨の巨人》 4 《悲哀の徘徊者》 4 《悪ふざけの名人、ランクル》 2 《イマースタームの捕食者》 -クリーチャー(19)- |
4 《初子さらい》 4 《村の儀式》 4 《無情な行動》 3 《アクロス戦争》 3 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(18)- |
1 《スカイクレイブの影》 3 《髑髏砕きの突撃者》 2 《悪意に満ちた者、ケアヴェク》 1 《アゴナスの雄牛》 2 《強迫》 2 《乱動する渦》 2 《魂の粉砕》 1 《食らいつくし》 1 《アクロス戦争》 -サイドボード(15)- |
とりあえず既存のデッキから《血の化身の目覚め》と同一カラーリングの「ラクドス・サクリファイス」のリストをおさらい。
《初子さらい》《アクロス戦争》で対戦相手のクリーチャーのコントロールを得て、それを《村の儀式》《悲哀の徘徊者》《悪ふざけの名人、ランクル》《イマースタームの捕食者》といったカードの生け贄に捧げて処分する。
相手の戦力を削ぎつつこちらが得をする、クリーチャーを主体としたデッキを相手にすれば滅法強い戦術だ。
相手のクリーチャーだけでなく、自分の《スカイクレイブの影》を生け贄に捧げて土地を出して唱えなおし、損失なしに生け贄要求カードを運用できるのもデッキの強みだ。
ここに《血の化身の目覚め》を追加するのは容易な話だ。相手から奪ったクリーチャーと《スカイクレイブの影》を生け贄にアバターを召喚して攻撃してやろう。
で、せっかく《オリークの首領、エクスタス》のモードでも唱えられるのであれば、白マナも得られるようにしておいて、いざって時は墓地回収能力を使いたい。エクスタスのためだけに白マナってのもなんだかもったいないないので、ロアホールド(赤白)やシルバークイル(白黒)の新カードもデッキに採用して、「マルドゥ・サクリファイス」にしちゃうってのも手だろう。
この2大学には生け贄エンジンとは直接の関係はないが優秀な除去呪文が増えている。《断割》《引き裂き》《消失の詩句》と、文字通り万能でありいずれも2マナと軽量。
これらでクリーチャー以外にも耐性を高めつつ、既存のカードからもアドバンテージを稼げるようなものを採用すれば、相手は選ばずに戦えるかも……?
2 《沼》 2 《山》 1 《平地》 4 《サヴァイのトライオーム》 4 《荒廃踏みの小道》 4 《陽光昇りの小道》 4 《針縁の小道》 1 《ロークスワイン城》 2 《寓話の小道》 -土地(24)- 3 《スカイクレイブの影》 1 《嘘の神、ヴァルキー》 4 《砕骨の巨人》 4 《悲哀の徘徊者》 2 《イマースタームの捕食者》 3 《悪ふざけの名人、ランクル》 2 《オリークの首領、エクスタス》 1 《シャドリクス・シルバークイル》 -クリーチャー(20)- |
4 《初子さらい》 4 《村の儀式》 3 《アクロス戦争》 1 《情け無用のケイヤ》 2 《引き裂き》 2 《消失の詩句》 -呪文(16)- |
とりあえず思いついたカードを入れただけなのでリストとは呼べないお粗末なものになってしまった。《新米解剖者》《マスコットの横取り》など生け贄システムの選択肢も増えたので、純粋にラクドスでそれらを採用して綺麗にまとめた方が良さそうだ(笑)。
せっかくだし、白絡みの見るからに強い除去は使ってみたい。後は《シャドリクス・シルバークイル》を使ってみたいというのもあった。
相手のクリーチャーを強化しつつコントロールを奪って攻撃後生け贄、邪悪極まる戦術を披露したい。
白を絡めるのであれば《シルバークイルの口封じ》《精鋭呪文縛り》など優秀な新クリーチャーも使ってみたい。
その場合、生け贄デッキではなくなってしまうだろうが、しっかり仕事をするクリーチャーを最強の除去群でバックアップしつつ《スカルドの決戦》で決着を狙うという方向性でまとめると面白そうだ。
見るからに悪い、邪なるものの象徴的な《血の化身の目覚め》。このカードを使ったデッキを組むのであればマルドゥかラクドスか、はたまた他の3色か。面白いカードだと思うので、各自のアイディアでこの邪悪なアバターを活躍させてやってほしい。
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