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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
多色セット、だからこその黒単信心(新スタンダード)
今回も『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の新カードを使ったデッキを考えてみよう。今日はどの大学に入学するのか、色の組み合わせは……黒単だ!
……え、2色推しのセットで単色デッキ?と思われるかもしれないが、これはそう的外れなことでもない。ラヴニカの各ギルドも、ストリクスヘイヴンの各大学も、2色のカードというものは金色の多色カードのみではない。2色が溶けあった混成マナ・シンボルを持つカードも存在し、それらは2色でありながらもどちらか単色のデッキで用いることが可能だ。
そして『ストリクスヘイヴン』では、これに加えて新たな「2色でありながら単色」を成し遂げたデザインが登場する。モードを持つ両面カードだ。第1面と第2面、色が異なる単色のカードで構成されている。全く別のカードとして状況によって使い分けられるが、そこには各大学の共通するテーマもあって、2枚以上引いた際にはそれらを組み合わせて使うことも可能になっている。
このモードを持つ両面カードの中でも個人的にデザインが良いなと気になっている1枚が……《死に至る大釜》そして《修復の噴出》だ。
自分がプレビューを担当したというのもあって思い入れが強いが、それ以上にカードとして妖しい魅力を放っている。《死に至る大釜》は黒いアーティファクトで、ライフと墓地に関する能力を備えている。特にウィザーブルームの特徴である邪魔者・トークンを生成する能力は面白い。1/1の、文字通りちっぽけだけども邪魔なクリーチャーを用意しつつ、これのコストのために捨てたカードが活きてくればアドバンテージを得ることができるだろう。トークン生成にマナが要らないのが良いね。
第2面である緑の《修復の噴出》は対戦相手も回復させてはしまうものの、自身が4点のライフを得ながら墓地からカードを2枚拾うことができる。単純に手札が増えた上にライフも一息つけるので、どっしりと戦うコントロール系のデッキが対戦相手の攻撃に耐えた後の切り返しに使うにはもってこいなソーサリーだ。
で、本題。今回はタイトルや冒頭でも触れたように、単色デッキを構築する。《死に至る大釜》を使った「黒単信心」だ!
13 《沼》 4 《荒廃踏みの小道》 4 《闇孔の小道》 3 《ロークスワイン城》 -土地(24)- 4 《スカイクレイブの影》 2 《死より選ばれしティマレット》 2 《嘘の神、ヴァルキー》 4 《ロークスワインの元首、アヤーラ》 4 《残忍な騎士》 2 《悪夢の番人》 4 《アスフォデルの灰色商人》 3 《ひきつり目》 1 《汽水トラッジ》 2 《デーモゴスのタイタン》 -クリーチャー(28)- |
4 《死に至る大釜》 2 《オニキス教授》 2 《詩人の羽ペン》 -呪文(8)- |
2 《壊死放出法》 1 《害獣召喚学》 2 《汽水トラッジ》 1 《デーモゴスのタイタン》 2 《悪ふざけの名人、ランクル》 3 《強迫》 2 《大群への給餌》 2 《無情な行動》 -サイドボード(15)- |
大釜の生成する邪魔者・トークンをどのように活かすか考えた時、真っ先に思いついたのが《ロークスワインの元首、アヤーラ》。
黒のクリーチャーが自分のコントロール下で戦場に出るたび、対戦相手のライフを1点吸い取ってこちらのライフにしてしまう。また黒のクリーチャーを生け贄に捧げてドローすることも可能だ。
ということは、いらないカードを捨てて相手のライフを攻めつつ回復し、かつこの邪魔者で相手の攻撃をブロックした後にアヤーラで生け贄に捧げ、カードを1枚引くことで、カードの損失は0でありながら攻防を同時に行うことが可能ということだ。
アヤーラと邪魔者のエンジンを主軸にしてデッキを組むのであれば「黒単信心」でいくしかないだろう。アヤーラは{B}{B}{B}という濃いシンボル、すなわち高い信心を持つカードだ。彼女やその他の黒い信心を稼ぐパーマネントを並べ、そこに《アスフォデルの灰色商人》を投下。信心分のライフを吸い取り勝利を狙うという魂胆だ。
邪魔者&アヤーラでコツコツと削って、灰色商人の射程圏内に持ち込む、中速のデッキを意識したのが上記のリストだ。
大釜とともにもうひとつ、信心デッキに採用したいと思わせたのが《デーモゴスのタイタン》!
4マナで11/10というバカげたサイズの持ち主で。戦闘を行うと生け贄を要求するもののマナ・コストがすべて黒マナシンボルなので大量の信心が稼げるため、たとえ攻撃しなくても灰色商人のための頭数になってくれる。
生け贄に捧げても痛くないクリーチャーを用意しておけばゴリゴリ攻撃を仕掛けることもできるので、そういう工夫を用意しておきたい。1つは言わずともわかるだろう……大釜が生成する邪魔者・トークンだ。そして、その大釜と相性の良い《スカイクレイブの影》もあわせて使おう。
土地を戦場に出すことで墓地から唱えられる、しぶとさには定評のあるクリーチャーだ。大釜で捨てた後に唱えてよし、デーモゴスの餌になった後に唱えてもよし。
あとはマナを食うが《汽水トラッジ》もその役割を担う。
これを捨てて邪魔者作って、邪魔者生け贄に捧げて回復して、2マナ支払ってトラッジを戻す。こういう使い減りしないシステムを作ってガチャガチャやるデッキ、皆も好きだよね?
後は生け贄役にピッタリなのが《ひきつり目》。
死亡すると履修が行える。これによりカードを1枚捨てて1枚引くか、あるいはサイドボードから講義・カードを手札に加えるかが選べる。
新しいサブタイプを与えられたソーサリーをサイドボードに用意してみた。カードとしては少々コストが割高になっている講義・カードだが、何もないところから確定でゲームに少なからず影響を与える呪文を得られるというのはデッキの引き出しが拡がる大きな利点だ。
とりあえず除去である《壊死放出法》と邪魔者2体を得られる《害獣召喚学》を用意しておけば幅広いケースに対応できるんじゃないかな。
《詩人の羽ペン》も信心を増やしつつ回復できる要素であり、さらに履修もできる便利な1枚。《デーモゴスのタイタン》に装備させるのはロマンあふれる。
プレインズウォーカー・タイプで正体モロバレという衝撃的なデビューで話題となった《オニキス教授》も採用できる「黒単信心」。モードを持つ両面土地を採用することで《嘘の神、ヴァルキー》および《死に至る大釜》をそれぞれ別の呪文として唱えられるようにしているところもシャレていると思う。アヤーラで灰色商人を生け贄に捧げつつ《修復の噴出》で回収してやってほしい。
というわけで僕なりに考えてみた「黒単信心」。まだまだ組み方はあると思うので、皆もチャレンジしてみてね!
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