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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
入学に備えよう! プリズマリの壮大な呪文(新スタンダード)
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』! いよいよ来週の4月23日発売、オンラインだと今週リリースだ!
……ん~、『カルドハイム』こないだ出たばっかじゃないか?と、3か月という期間が過ぎる速度にビビる。
それはさておき、この春の新セットはシーズンにふさわしい、魔法の学校をテーマにしたセットだ。次元としてはラヴニカに似ており、マジックの5色のうち、カード裏面のデザインで隣り合わない2色、通称「対抗色」の組み合わせ5つを取り上げている。多色カードのオンパレード!
今回はギルドではなく、「大学」という形でグループ分けされている。それぞれにエルダー・ドラゴンが創始者として存在する5つの大学……胸が高鳴るな。
そんな新セットから1つの大学を選んでデッキを考えてみようと思う。その大学は……プリズマリ! 声に出して読みたい大学ランキングがあれば堂々の1位だろう。「久しぶり~お前今大学どこ行ってんだっけ?」「あ~俺、プリズマリ大でさ~」 こんな最強の返しができるプリズマリ大の面々に嫉妬しちゃうぜ。青と赤、マジックでも屈指の人気2色というのもあって、このカラーリングのデッキにチャレンジする方は多いのではないだろうか。では麗しきプリズマリの新カードを見ながら、方向性を考えていこう。
青と赤は古来よりインスタントとソーサリーの色だ。これまでのあらゆるセットでも、この2色のカードはこれに関する能力を持ったものがほとんどだ。これをよく表しているのが《実例指導》。
インスタントかソーサリーをコピーするもので、青でも赤でもマナが支払えてコモンとは驚きだ。インスタント or ソーサリー、あるいはそれのコピーによって誘発する「魔技」という新メカニズムのことも考えれば、プリズマリは要注目の大学といえる。
そして、今回はそのインスタントとソーサリーを、さらに一歩踏み込んでテーマにしている節がある。青と赤の多色の呪文の中には、そのコストも効果も大きいものが目立つのだ。これまでの青赤はどちらかといえば軽い呪文を1ターンに複数回唱えることを目指すものが多かったのだが、今回は壮大な実験を行い、文字通り爆発的な成果を得ようというスタンスでカードが作られている。
《マグマ・オパス》がその典型。
8マナという根本原理サイクルすらも上回るコストだが、4点ダメージを好きなように割り振り、パーマネントを2つタップして、4/4トークンを生成して、2枚ドロー。これでインスタントなのだから、相手のターンに唱えようもんなら確実に状況が大きく変わる。
コストに見合ったゲームを動かすカード、ではあるがいかんせん重い……デッキに複数枚入れるのを躊躇してしまうが、その問題点を解決するのが今回の青赤、プリズマリの本領。《マグマ・オパス》もそうであるように、青赤の重たい呪文には2マナ支払ってそれを手札から捨てることで宝物・トークンを生成する能力もついている。そりゃあ唱えた方が効果は大きいからそうしたいが、いつだってそうできるわけではない。他の呪文に繋げるため、使い切りのマナとしてストックしておける。これがプリズマリの特徴だ。ドローじゃなくてマナになるサイクリングと捉えれば、古くからのプレイヤーには把握しやすいかもね。
そしてこの宝物に関する能力を持っているのが、大学の創始ドラゴンである《ガラゼス・プリズマリ》!
このエルダー・ドラゴンは4マナ3/4飛行、戦場に出れば宝物生成で実質3マナのカードと考えればコストは格安。そして驚くことに、アーティファクトから好きな色のマナを得られるようになる(使い道は限定されるが)。
宝物だったら元からそうじゃないかとなるが、このマナ能力は宝物を生け贄に捧げなくてよい。土地と同じようにタップするだけなので、宝物は戦場に残り続けるのだ。カードを捨てて得た宝物を恒久的なマナ加速として使えるのはなかなかに画期的。これまでにないマジック体験ができそうだ。
というわけで、今日はこの《ガラゼス・プリズマリ》を使ったデッキを考えてみよう! まずはベースとなるデッキから。
7 《冠雪の島》 3 《冠雪の山》 3 《移り変わるフィヨルド》 4 《河川滑りの小道》 3 《不詳の安息地》 4 《寓話の小道》 -土地(24)- 4 《砕骨の巨人》 4 《厚かましい借り手》 4 《黄金架のドラゴン》 -クリーチャー(12)- |
3 《霜噛み》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《本質の散乱》 2 《否認》 3 《襲来の予測》 1 《神秘の論争》 4 《多元宇宙の警告》 4 《サメ台風》 3 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(24)- |
1 《灰のフェニックス》 3 《アゴナスの雄牛》 1 《霜噛み》 3 《焦熱の竜火》 2 《精神迷わせの秘本》 2 《否認》 1 《神秘の論争》 2 《アショクの消去》 -サイドボード(15)- |
現スタンダード環境の「イゼット・テンポ」だ。他のデッキに押されて環境終盤ではあまり見かけないデッキにはなったが、初期から中期にかけては強力なアーキタイプのひとつとして地位を確立していた。
スタンダードで宝物を使うデッキと言ったらこれ。《黄金架のドラゴン》で宝物を生成し、そこから得られる2マナを使って《襲来の予測》などの打ち消しを構える。
カード単体の威力はそう高くはないが、予顕を駆使して手数で押していくデッキだ。色と宝物を用いる点は《ガラゼス・プリズマリ》と噛み合っている。
ただ今回は、低コストで手数でというテンポデッキよりは、一発の重さで勝負するデッキを組みたいので、デッキのベクトルは異なる点には注意だ。それを踏まえて『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の新カードを採用した、イゼットもといプリズマリのデッキがこちら。
7 《冠雪の島》 6 《冠雪の山》 4 《河川滑りの小道》 4 《寓話の小道》 2 《凍沸の交錯》 -土地(23)- 4 《砕骨の巨人》 4 《厚かましい借り手》 4 《黄金架のドラゴン》 2 《イフリートの炎塗り》 2 《ガラゼス・プリズマリ》 -クリーチャー(16)- |
3 《霜噛み》 2 《襲来の予測》 4 《多元宇宙の警告》 2 《サメ台風》 4 《表現の反復》 3 《マグマ・オパス》 3 《創造の発露》 -呪文(21)- |
やっぱり《マグマ・オパス》をぶっ放したい、そんな気持ちが抑えられない。同系統の《創造の発露》もぶちかましたい。ダメージを与えながら手札を増やせる、そんなインスタントを唱えたくないって方が嘘だわな。
これらの呪文は前述のように、手札から捨てて宝物に変換できる。結果的に手札が減るとはいえ、どちらかを唱えられたら結果その損失は埋まるのでOKという考えでいこう。
また、捨てることで《イフリートの炎塗り》によって墓地から唱えられるというメリットもある。
そんな欲望を詰め込んだので、デッキとして綺麗に動くかはわからないが……リリース前のサンプルというかアイディア例ということでご勘弁いただけたら。
重いところオンリーだとデッキとして大振りになりすぎるので、「イゼット・テンポ」の軽くて相手に干渉できる部分は流用する形にしている。《砕骨の巨人》《厚かましい借り手》で無理やりこじ開けてイフリートの攻撃を叩き込むか、《ガラゼス・プリズマリ》&《黄金架のドラゴン》からマナを伸ばして極大呪文へと繋いでフィニッシュとしたい。
軽くて手札を稼ぐ手段として《表現の反復》には大いに期待している。
より重い呪文を唱えることにシフトした構成にするのなら、《壮大な魔道士》や《アイレンクラッグの妙技》といったマナ加速手段を盛り込んだデッキにしても良いだろう。
《マグマ・オパス》などがそこまでかけて唱えてもリターンが見合う呪文かどうかは、使ってからのお楽しみだね。どうせならコピーして無茶苦茶したい気持ちもある。
あふれ出る発想は青と赤が大歓迎とするところだ。爆発的な創造力で新スタンダードのデッキを生み出そう!
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