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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
第3のナヤ(スタンダード)
『カルドハイム』リリースより1か月以上が経過した。早いなぁ~。このセットは試したくなるカードが多くて、スタンダードとヒストリックをやっているとアッという間に時間が過ぎたように思う。
これだけの期間が経過すると、デッキも環境初期よりもかなり進化している。カード選択が洗練され、デッキとしての完成度が上がるのはもちろんのこと。ものによっては同じカラーで、同様のカードで構成されていても細部が異なり、結果として複数のデッキに細分化されるものもある。
例えば、現スタンダードのナヤ。ナヤとは白緑赤の3色を指すが、このカラーのデッキで最初に姿を現したのは「ナヤ・アドベンチャー」。前環境の赤緑の出来事を持つ(当事者)カードを使ったデッキに白を足し、《スカルドの決戦》でアドバンテージ獲得と盤面強化を同時に行おうというアプローチのデッキだ。
出来事デッキは手数が多く、それに《スカルドの決戦》が加わることでマシンガンのようなゲーム展開が可能になり、デッキは大きく強化された。
この手数デッキの決定力をさらに引き上げたのが「ナヤ・フューリー」。《黄金架のドラゴン》を主役に据え、これを強化し続けて大ダメージを叩き出す。
そして、第3のナヤ。アドベンチャーの発展型であり、一撃に賭けるフューリーとは逆に、小物でもその数で圧倒することに重きを置いたデッキも出現。ベースとなっているデッキが強いだけに、そこからさらに何かに特化させることでより完成度の高いデッキへと、見事進化を遂げている。
今日はそんな横並び、面展開を得意とするナヤデッキの紹介だ!
3 《平地》 2 《森》 1 《山》 4 《枝重なる小道》 4 《針縁の小道》 4 《岩山被りの小道》 4 《寓話の小道》 -土地(22)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《巨人落とし》 4 《ヤスペラの歩哨》 4 《クラリオンのスピリット》 2 《絡みつく花面晶体》 4 《砕骨の巨人》 4 《恋煩いの野獣》 3 《秘密を知るもの、トスキ》 2 《水晶壊し》 -クリーチャー(31)- |
2 《カビーラの叩き伏せ》 4 《スカルドの決戦》 1 《フェリダーの撤退》 -呪文(7)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》 -相棒(1)- 2 《鎖巣網のアラクニル》 3 《ドラニスの判事》 3 《傑士の神、レーデイン》 2 《赦免のアルコン》 4 《ガラスの棺》 -サイドボード(14)- |
「ナヤ・クラリオン」や「ナヤ・トスキ」と呼ばれるデッキだ。それぞれ《クラリオンのスピリット》と《秘密を知るもの、トスキ》のことであり、デッキ名にもなるほどのキーカードだ。
《クラリオンのスピリット》は同一ターンに2回目となる呪文を唱えた際にスピリット・トークンを生成する能力を持つ。出来事持ちカードはそれ単体で2回唱えられるし、《巨人落とし》《恋煩いの野獣》のようにどちらかのモードが1マナに設定されていたりもするため、1ターンに2回呪文を唱えることは容易い。クラリオンがその横にいることでトークンが増え、たとえ1/1といえば飛行を持つそれは戦力として十分にカウントできる。
手数を稼ぐための《スカルドの決戦》はⅡ章とⅢ章の効果で+1/+1カウンターを置くため、スピリットの打点も大きく飛躍することになる。
そして、それらの攻撃が対戦相手本体に通ることで《秘密を知るもの、トスキ》の能力が誘発しドローがもたらされる。毎ターン2アクション以上しつつクリーチャーを複数体展開し、それらを強化して打点を引き上げつつも手札は消費されない……人類の夢を形にしたかの如く、だ。
ベースは出来事デッキなので、《エッジウォールの亭主》を出して出来事持ちのクリーチャーを唱えてドローしながら展開していくのも基本的な動きである。ただこれをやっているだけでも強いからなぁ。
《恋煩いの野獣》が攻撃に参加するために必要な「1/1をコントロール」という条件は、野獣自身の出来事や亭主で満たすものだが、このデッキであればクラリオンから出たスピリットもカウントできるのが強みである。
それらでわちゃわちゃやりながら、スカルドや《フェリダーの撤退》で強化して押し切る。シンプルながら、途切れることのない動きは対戦相手にとってまさしく地獄。どれだけ除去してもクリーチャーがわいてくるデッキという印象を受けるだろう。
その展開力を支える、地味ながらこのデッキの重要なパーツは《ヤスペラの歩哨》。
1マナ・クリーチャーでありつつマナを生み出せるので採用されている。《金のガチョウ》のほうが単体で仕事するので効率よくマナを出せるようにも思えるが、このデッキでは毎ターン起動できるということが重要だ。
序盤の盤面づくり、スカルドやトスキで得たカードを大量展開、それらを行う上で毎ターンマナを生み出してほしいので、他のクリーチャーをタップという条件付きでもヤスペラが適任だ。1ターン目ヤスペラ、2ターン目クラリオン・ヤスペラとクラリオンタップから1マナの呪文を唱えてスピリット・トークン生成……という動きはまさしくロケットスタート。スタンダードではこのデッキならではの特権といえるだろう、
また、《カザンドゥのマンモス》や《黄金架のドラゴン》といったカードを採用している他のナヤデッキと異なり、デッキ内に同じマナ・シンボルを2つ以上含むカードがないため、《湧き出る源、ジェガンサ》を相棒として使えるのはこのデッキならではのセールスポイントでもある。
ただでさえ手が尽きないデッキにさらなる保険、手札がなくなることがどうしても許せないというプレイヤーにはまさにうってつけ。ぜひともこのデッキのエンドレスな猛攻を楽しんでいただきたいね!
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