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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

タイヴァーはエルフの英雄になれるか?(新ヒストリック&新スタンダード)

岩SHOW

 タイヴァー・ケルは期待の持てる新キャラクターだ。

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 何よりそのビジュアルよ。体脂肪率はかなり低く見える、筋骨隆々とした肉体美。特に上腕二頭・三頭筋の発達具合が良いですねぇ。フィジーク選手としてすぐに大会にエントリーできそうだ。多元宇宙ボディビル大会の開催を所望する。

 話が筋肉にそれそうなので戻すが、タイヴァーは環境を利用して戦う魔術に長けた戦士で、自らの戦いが後生に語られる伝説になることを目標にしている。彼の名がマジック史に残るか否か、それはカードとしての《タイヴァー・ケル》がどのような活躍を見せるかにかかっているとも言える。

 歴史に名を残したいのであれば、その名が示すとおりヒストリックがおあつらえ向きのフォーマットだろう。幸い、この環境にはエルフデッキを組むためのカードがひと通り揃っている。タイヴァーの能力はすべてエルフに関するものだ。新世代のプレインズウォーカーでエルフを強化し、伝説となる勝利を。今日はそんな壮大な目標に向かってエルフデッキを考察してみようか。

岩SHOW - 「緑単エルフ」
ヒストリック (~『カルドハイム』)[MO] [ARENA]
16 《
4 《ギャレンブリグ城
-土地(20)-

4 《ラノワールのエルフ
2 《アロサウルス飼い
4 《エルフの部族呼び
4 《エルフの幻想家
2 《ドゥイネンの精鋭
2 《楽園のドルイド
4 《エルフの大ドルイド
4 《鉄葉のチャンピオン
3 《領界渡り
2 《養育者、マーウィン
1 《ピーマの改革派、リシュカー
2 《獣に囁く者
-クリーチャー(34)-
3 《豊穣の力線
3 《タイヴァー・ケル
-呪文(6)-

 まずはヒストリック環境から。ヒストリックはエルフの選択肢も多く、かなりデッキが組みやすいね。エルフは緑のメイン種族のひとつで、あらゆる次元に生息している=非常に多くのセットに収録されている。カードプールが広いフォーマットでは自ずと強いカードが集まってくるわけだ。

 その象徴とも言えるのが《ラノワールのエルフ》。

 最古のエルフであり、1マナ1/1、緑マナを1つ生み出すそのスペックはマナ・クリーチャーの中でも最高クラス。1ターン目にこれを唱えることで、以降のターンの手数が大きく変わってくる。エルフにとっての理想のスタートだ。

 そこに《豊穣の力線》が添えてあれば最強!

 2ターン目に4マナから《タイヴァー・ケル》ってのも夢じゃないぜ。そのタイヴァーでラノワールをアンタップしてさらに2マナで……快感。

 そんなロケットスタートから繰り出すエルフたちは、同族と群れることで強くなる面々。エルフを強化する《エルフの部族呼び》《エルフの大ドルイド》で横並びにしたエルフを強化してフィニッシュというのが理想の勝ち方。

 大ドルイドは《養育者、マーウィン》とともに大量のマナを生み出すエンジンにもなる。

 これらのエルフから多くのマナが得られるということは、すでに多くのエルフを展開した後であり、すなわち手札は減っているのでせっかくのマナが余ってしまうのでは、と思われるかもしれない。その点に関しても抜かりなしだ。

 クリーチャー呪文を唱えるとカードを1枚引ける《獣に囁く者》のおかげで、回り出したら止まらない。

 これまでこのようなアドバンテージを生み出すエルフはこれぐらいしか選択肢がなかったが、『カルドハイム』以降は《領界渡り》も強力な候補として躍り出る。

 3マナという軽さで、エルフを指定すればライブラリーの一番上からエルフを唱えられる! カード1枚で2枚分以上の働きどころか勝利までもぎ取るポテンシャル。手数を大きく稼ぐことを嫌って、対戦相手が《領界渡り》を真っ先に潰してくるのであれば、大ドルイドなど強力な他のエルフが生き延びるのでそれはそれでOK。この多相クリーチャーの存在は、タイヴァーにも比肩する強力なエルフの新戦力と言えるだろう。

 

 続いてはスタンダード。ヒストリックと比べるとかなりエルフの数は少なく、エルフ間でのシナジー(相互作用)を生み出すカードもない……『カルドハイム』の新カードを除いて。タイヴァーの兄である《スケムファーの王、ヘラルド》を見ての通り、このセットでは緑に加えて黒がエルフを受け持つカラーだ。

 黒いエルフの中でも《スケムファーの報復者》は見るからに強力!

 エルフが死亡するたびに1枚ドローということで、除去やブロックされることを恐れずに軽量のエルフを送り出してガンガン攻撃する、どちらかと言えばアグレッシブなデッキが組めそうだ。

岩SHOW - 「緑黒エルフ」
スタンダード (『エルドレインの王権』~『カルドハイム』)[MO] [ARENA]
8 《
7 《
4 《闇孔の小道
2 《疾病の神殿
1 《ロークスワイン城
-土地(22)-

4 《薄暮振るい
4 《ヤスペラの歩哨
4 《エルフの戦練者
4 《スケムファーの報復者
4 《領界渡り
3 《スケムファーの王、ヘラルド
3 《スケムファーの影賢者
1 《梢の戦術家
1 《茨外套の打撃者
-クリーチャー(28)-
3 《無情な行動
3 《ヘラルド、エルフを統一する
1 《アガディームの覚醒
3 《タイヴァー・ケル
-呪文(10)-

 タイヴァーか、あるいはエルフを手札に加えられるヘラルド。また彼の名を冠する《ヘラルド、エルフを統一する》はエルフやタイヴァーを戦場に出すことができる可能性がある。

 この英雄譚は全体強化、そして攻撃することが相手の盤面を崩壊させることに繋がるかなりの「剛」のデザイン。そんな攻める気質のこのデッキではタイヴァーの[+1]能力による+1/+1カウンターを置いての強化、そしてそのエルフをアンタップして実質的に警戒を与えることが戦闘をしていくことをサポートしてくれるだろう。

 エルフの数を参照する者たちも良い働きをしそうだ。特に《スケムファーの影賢者》。

 このデッキではクリーチャーはすべてエルフなので、これの能力で相手のライフ4~5点ほど持っていけそうで期待が高まる。殴り合いに遅れてライフがピンチの時は回復してもよしと、臨機応変なのが魅力的。《ヘラルド、エルフを統一する》で墓地から戻して決着というのが理想的だな。

 新プレインズウォーカー、タイヴァー。エルフという団結して強くなる種族を体現した彼が、今後どのような立ち回りを見せるのか。ストーリーも構築シーンからも、そしてその肉体美からも目が離せない。

 スタンダードでエルフデッキがもし活躍したら、結構久しぶりのことになるかな。ヒストリックでもエルフデッキにプレインズウォーカーが入ることはあまりなかったので、新しいゲーム展開を期待できる。さあ、大自然と向き合う時間だ。

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