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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ディミーア・コントロール:新メカニズム大活躍の予感?(スタンダード)
既存のスタンダードデッキと『カルドハイム』の出会いについて考えるシリーズ、最後はここまで取り上げていなかった色、青と黒。「ディミーア・コントロール」目線でいってみよう!
現スタンダードでは「グルール・アグロ」などのクリーチャーデッキが活躍し、それに対抗するためのコントロールデッキもまた多く作られた。アグロデッキを相手に生存するための黒のクリーチャー除去。そして反撃のための手札を得るためのドローと、相手の抵抗を封じるための打ち消しは青で。昔から愛される、コントロールに必要なものの組み合わせだ。
現スタンダードであれば、青を用いれば《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒に出来るのも心強い。
任意のタイミングで手札に入る4/5飛行でゲームに勝ちに行くと同時に、その能力で各種パーマネントを出し入れして能力を再利用する動きで対戦相手とのカードの枚数差を大きく付けて引き離す。
コントロールデッキにとって肝である、ある程度のターンまでは淀みなく土地を並べていきたいという要求に応えるように《ハグラの噛み殺し》のような土地としても使えるカードが登場したことも大きな収穫だった。
8 《島》 3 《沼》 4 《ゼイゴスのトライオーム》 4 《清水の小道》 4 《欺瞞の神殿》 1 《ヴァントレス城》 1 《ロークスワイン城》 4 《這い回るやせ地》 1 《廃墟の地》 4 《寓話の小道》 -土地(34)- -クリーチャー(0)- |
2 《血の長の渇き》 2 《塵へのしがみつき》 4 《取り除き》 4 《無情な行動》 4 《精神迷わせの秘本》 4 《海の神のお告げ》 3 《本質の散乱》 3 《否認》 2 《ジュワー島の撹乱》 4 《中和》 4 《絶滅の契機》 4 《啓示の雨》 2 《ハグラの噛み殺し》 4 《悪夢の詩神、アショク》 -呪文(46)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-相棒(1)- 2 《メア湖の海蛇》 1 《塵へのしがみつき》 1 《否認》 3 《神秘の論争》 2 《影の評決》 4 《サメ台風》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(14)- |
勝つためのカードはヨーリオンと《悪夢の詩神、アショク》と《這い回るやせ地》と最小限に抑え、どれも除去だったり土地だったりと別の役目もこなせるカードになっている。これぞ純然たるコントロールデッキの形と言えるね。
クリーチャー除去も打ち消しも10枚以上採用し、相手の攻めを受けきりつつドロー呪文で手札を満たす。これを繰り返せば相手は心が折れて投了する。それがコントロールの流儀。
ということは、『カルドハイム』の新カードに求められるものも自ずと絞られてくる。優秀なクリーチャー除去・打ち消し・ドロー。そしてゲームを終わらせるフィニッシャーであり、同時に他の役目もこなせるカードだ。
まずは除去・打ち消し・ドローらコントロール三大要素から見ていこう。これには『カルドハイム』の新メカニズムからいくつか候補が見つけられる。予顕カードだ。
予顕を持つカードは{2}を支払って手札から裏向きに追放しておける。その後、予顕コストを支払うことで唱えることができる。
わざわざこんなことをしてどうするのかというと、ターンは跨いでしまうがより1ターンの間に払うコストはより軽いものになる、というのがひとつ。特にコントロールデッキは序盤で能動的に動くことは少ない。2ターン目にとりあえず予顕、後のターンにそのカードを唱える、と動けば無駄なマナもなくお得に運用できる。そして、裏向きに追放している状態だと何のカードが飛んでくるかわからず、相手に迷いが生じるという点もコントロールからすれば利点として働く。相手が悩んだ末にこちらにとって有利な選択肢をとってくるのであれば万歳だ。
実際、予顕を持つインスタントの数々は使い勝手の良さそうなものが揃っている。最も目を惹くのは、3マナという近年の打ち消し呪文の基本となっているコストでありながら、予顕コストであればかの《対抗呪文》のように2マナで唱えられる《襲来の予測》。
2マナという軽さは、メインで4マナ以上の大きなアクションをしながらでも無理なく構えられるコストであり、逆に考えればコントロールと対戦する側は何かが裏向きで追放されていて土地が2枚立っている場合、それが《襲来の予測》ではないか?という警戒と疑念を常に持たなければならない。これはかなりいやらしいね。
打ち消されても良いから手数で勝負!とクリーチャーを並べてくる相手には《ターグリッドの影》で酷い目に遭わせるといい。
4マナでクリーチャー2体に対処できるインスタントとは破格の性能だ。
このあたりを2ターン目など、空いているターンに予顕しておけばゲームを有利に進められるだろう。
そして先に掲載した《多元宇宙の警告》、これは4マナ支払っても決して重くない、十分な性能を誇るドロー呪文だ。予顕はピンチの時に、構えていなければならないけども手札も補充しないとジリ貧、というような状況でその使い勝手の良さを発揮するだろう。4マナ支払うのは厳しくとも2ターンに分けて2マナずつならOK、そんなカツカツな状況に選択肢が増えたのはGOOD。《啓示の雨》よりも見ることができる枚数も多いので優秀そうに思えるね。
さて、これだけ予顕インスタントが期待できそうならこの神様にだってお声をかけないとバチがあたりそうだ。《星界の神、アールンド》!
本体は1/1ながら、手札および予顕で追放しているカード1枚につきサイズアップする。コントロールが予定通りに動けていれば、相手にクリーチャーがいないところに5/5くらいで現れてくれる。ゲームを終わらせるには十分なサイズだ。
そして、ターン終了時に最大で2枚、手札が増える可能性のある能力も持っている。「インスタント」と言っておけば割とヒットしそうだ。状況によってはソーサリーや土地もね。手札が増えれば相手との物量に差が出るし、アールンド自身も強くなるしで最高。アドバンテージ源としての仕事もしてくれるので、複数の役割を持っているため採用したいカードの条件に当てはまる。
そしてアールンドの良いところはこれだけではない。序盤に手札に来た場合は5マナと重いので不要なカードとなってしまうところを、なんと2マナで《囁く鴉、ハーカ》として唱えられるので無駄にならない。
そのスペックも2/3と、アグロデッキの低マナ域クリーチャーをブロックできるサイズであるし、飛行も持っている。対戦相手や状況によってはこれで攻撃していくのもアリだろう。プレイヤーに戦闘ダメージが通れば占術2が行える。手札に戻ってしまうがの難点に見えるが、アールンドとして唱え直せると考えよう。占術で何がライブラリーの一番上にあるかチェックしてから、アールンドでカードタイプを指定して確実に手札を増やす動き……想像しただけで強いッス。
コントロールを構築する際の難しいところは、何を何枚採用するのがベストなのかが煮詰めなければわかりにくいところだ。環境に一体どんなデッキがいるのか、どんなカードが採用されているのか。それらの答えとしてのリストはどんな形がベストか、これは実際にゲームをしてみるまではピンとこないかもしれない。なので、新環境スタート時点では満足のいくデッキを作れなくて負けが重なるかもしれない。
でも諦めずに敵を知り、そして己の目指すべき姿を知れば、コントロールに光が差してくる。アールンドの持つ予顕の力を信じて、『カルドハイム』の到来を待とう!
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