- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- スリヴァー今昔(レガシー&過去のフォーマット)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
スリヴァー今昔(レガシー&過去のフォーマット)
スタンダードやヒストリックが自分にとってのメインフォーマット、MTGアリーナが主戦場という方にはあまり実感はないかもしれないが、一部の他フォーマットをたしなんでいるプレイヤーにとっては、それを遊ぶ場というものがこの1年で激減してしまったものである。
レガシーやモダンなど、歴史あるカードで対戦できるフォーマットを好んでいるプレイヤーの多くは、自分が何年にも渡って所持している宝物のようなカードたちを実際に使ってゲームをするのが好きで、かつ同じフォーマットを愛する者同士で集うことで発生する空気感というものを味わっている。
どちらもMagic Onlineで自室から遊ぶことはできるが、それだけだと物足りない。世界中のプレイヤーがどうやら同じ思いらしく、これらのフォーマットにおいては画面共有のできるコミュニケーション・ツールを用いて、リモートでの対戦が活発に行われている。カードに触れ、シャッフルし、対戦相手と談義しながら対戦を行うのがやっぱり最高。集結できないならせめてリモートで、そんなプレイヤーが集まって日夜リモート大会が開催されている。
それらの大会結果を覗き、デッキリストを探す機会が増えたものである。あるレガシーの大会結果を見てみると、同世代なら思わずニッコリしてしまうリストを見つけた。
2 《Tundra》 4 《魂の洞窟》 4 《スリヴァーの巣》 2 《手付かずの領土》 2 《古代の聖塔》 2 《カラカス》 3 《不毛の大地》 -土地(19)- 4 《風乗りスリヴァー》 3 《先制スリヴァー》 4 《水晶スリヴァー》 4 《筋肉スリヴァー》 4 《筋力スリヴァー》 4 《捕食スリヴァー》 3 《斬雲スリヴァー》 2 《冬眠スリヴァー》 2 《吸管スリヴァー》 4 《不確定な船乗り》 3 《スレイベンの守護者、サリア》 -クリーチャー(37)- |
4 《霊気の薬瓶》
-呪文(4)- |
2 《封じ込める僧侶》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《翻弄する魔道士》 1 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》 2 《調和スリヴァー》 2 《疫病を仕組むもの》 2 《大祖始の遺産》 2 《四肢切断》 -サイドボード(15)- |
「5色スリヴァー」だ。スリヴァーは単体では恐れるに足らずなクリーチャーであるが、複数種類が戦場に並ぶと、それらで能力を共有しあうのでどんどんと厄介になっていく。気が付けば人を踏み潰すモンスター軍団が誕生して勝負アリ。
そのメカニズムと、独特の見た目に惹きつけられたプレイヤーは数知れず。とにかくクリーチャーを出して殴るのが好きというプレイヤーには、一度はプレイしていただきたい伝統的なアーキタイプだ。
スリヴァーも複数の世代があり、そのいずれもで存在するのが全体強化。《筋肉スリヴァー》より始まる系譜で、《筋力スリヴァー》《捕食スリヴァー》と全部で12枚体制となれば複数体を並べて圧倒的なサイズに育て上げることが可能だ。
これに速攻を与えて勝利へのタイムラグをなくす《斬雲スリヴァー》は同時に飛行も与えて、《風乗りスリヴァー》とともに地上を固める他のクリーチャー・デッキを嘲笑う。《吸管スリヴァー》で絆魂もつくので、スリヴァー相手に殴り合いで勝とうというのは愚かな選択となってしまうだろう。
除去を使ってくるコントロール系のデッキ相手にも《水晶スリヴァー》の被覆で単体除去は無視し、対象を取らない除去も《冬眠スリヴァー》で逃げてしまえば恐れるに足らず。
多相で実質スリヴァーな《不確定な船乗り》、そしてデッキ内における唯一の非スリヴァーである《スレイベンの守護者、サリア》でも除去体制を高めるとともに相手の自由な行動を阻害し、こちらのペースに引き込む。恐ろしいビートダウンである。
5色のわがままなデッキを支える土地は5色生み出せるもののオンパレード。《スリヴァーの巣》をはじめとする、スリヴァーやクリーチャーにのみ使える5色のマナで楽々運用してやるのだ。《霊気の薬瓶》も無茶な攻勢を支え、また数が並ぶことが重要なスリヴァーの展開速度を支える。ほとんどのスリヴァーが2マナなので運用もしやすいね。
で、現在のレガシーでスリヴァーが使われるのをたまに見かけるたびに、思い出すデッキがある。それはかつてのスリヴァー・デッキの理想型。『テンペスト』ブロックの、いわゆる第1世代のみが存在した頃……今から20年以上前の話だ。
3 《Tundra》 4 《Underground Sea》 1 《Volcanic Island》 1 《Tropical Island》 2 《Scrubland》 4 《氾濫原》 4 《真鍮の都》 2 《宝石鉱山》 2 《知られざる楽園》 -土地(23)- 4 《有翼スリヴァー》 4 《水晶スリヴァー》 4 《冬眠スリヴァー》 4 《筋肉スリヴァー》 4 《酸性スリヴァー》 -クリーチャー(20)- |
3 《Demonic Consultation》 2 《剣を鍬に》 4 《対抗呪文》 2 《解呪》 4 《意志の力》 2 《誤った指図》 -呪文(17)- |
3 《水流破》 2 《剣を鍬に》 3 《死者への敬意》 2 《解呪》 2 《名誉の道行き》 3 《非業の死》 -サイドボード(15)- |
これぞ「カウンター・スリヴァー」。その名の通り、カウンターこと打ち消し呪文で相手の妨害をしながらスリヴァーで殴る。かつて存在したエクステンデッドというフォーマットにおいて定番デッキのひとつだった。
クリーチャーを展開するデッキに《意志の力》を添え、ライフを詰めつつ要所を打ち消すという手法がエクステンデッドにおける各種コンボデッキ相手に有効な手段だったのだ。
このリストはその中でも「DDスリヴァー」と呼ばれるもので、2つのDが意味するのはDemonicとDirection。《Demonic Consultation》で必要なスリヴァーをサーチし、《誤った指図》で打ち消し合戦により強く、という仕様だ。なんともノスタルジーを感じるカードたちである。
最近のスリヴァーではめっきり見なくなった《酸性スリヴァー》というチョイスもたまらないね。
スリヴァーを生け贄に捧げることで《ショック》が撃てるようになり、ライフを追い詰めたらこれで投げきって終了というわけだ。当時はまだ数少ないスリヴァーの中でも特に攻撃的で、強力なカードだったなぁ。
いっそのこと、こういう懐かしいデッキばかりを持ち寄ったリモート大会なんてやっても面白いかもしれない。長くマジックを楽しんだ友人らと「どの時代が一番好きだった? じゃあその時代のデッキ組んでリモート対戦しようぜ」なんて具合にね。
そして気兼ねなく顔を合わせてカードで遊べる日が来たら、その時は改めて同じテーブルを囲んで……あぁ、そういうのが幸せってやつだなぁ。
また『カルドハイム』では多相能力が再登場。《不確定な船乗り》のような強力なものが登場すればスリヴァー・デッキはまた強化されるかもしれない! そっちも楽しみだ。
RANKING ランキング
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.26広報室
2025年1月より「プレインズウォーカー・フレンドリーマッチ(PWFM)」新シーズン!その他イベント情報更新も|こちらマジック広報室!!
-
2024.12.25戦略記事
師走のサプライズ!物あさり復活、今こそホロウワン(モダン)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.24戦略記事
リザード・バーン:紙のトカゲは冬眠しない(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.23戦略記事
グルール&ボロス、赤いアグロとダメージ呪文(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事