- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- ディミーア・ローグ(レガシー)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ディミーア・ローグ(レガシー)
先日開催された日本選手権2020秋。スタンダードで争われたこのトーナメントでは、ある職業(クリーチャー・タイプ)が躍進した。「ローグ」ことならず者だ。
このクリーチャー・タイプでデッキを固め、《盗賊ギルドの処罰者》《空飛ぶ思考盗み》などの能力で相手のライブラリーを切削し、その墓地が溜まることで強力になったならず者の集団で攻めきる。軽量のコストと瞬速を活かしトリッキーに立ち回るデッキだ。
決勝ラウンドに3名ものプレイヤーを送り出して勝ち組デッキとなったローグ。では、マジックの歴史上最強のならず者って、どのカードかわかるかな?
さまざまな意見もあるとは思うが、カード単体で考えた場合最も強力だと多くのプレイヤーが挙げるであろう1枚は……そう、《真の名の宿敵》!
プレイヤーに対するプロテクションで対戦相手を指定し、それがコントロールする発生源からダメージを受けず、呪文や能力の対象にならず、ブロックもされない。まさしく不死身の存在として攻防ともにその名を知った者に絶望感を与えるパワーカードだ。色が青であること、種族がマーフォークであることなども手伝って、レガシーでは使用可能になったタイミングから長きにわたって人気の高い1枚となっている。
この最強のならず者を、スタンダード環境のならず者デッキの中核を担う面々とともに組み合わせるというのはどうか。思いつきそうでつかなかったアイディアを実行したプレイヤーを見つけたので、今日はそのリストを紹介しよう。
3 《冠雪の島》 2 《冠雪の沼》 3 《Underground Sea》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 1 《新緑の地下墓地》 3 《魂の洞窟》 -土地(20)- 4 《盗賊ギルドの処罰者》 4 《悪意の大梟》 4 《空飛ぶ思考盗み》 3 《夜鷲のあさり屋》 2 《真の名の宿敵》 1 《厚かましい借り手》 1 《疫病を仕組むもの》 1 《悪ふざけの名人、ランクル》 1 《遺跡の盗人、アノワン》 -クリーチャー(21)- |
4 《渦まく知識》 3 《思案》 2 《致命的な一押し》 1 《呪文貫き》 1 《発掘》 2 《取り除き》 1 《苦花》 4 《意志の力》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(19)- |
1 《奪い取り屋、サーダ・アデール》 2 《外科的摘出》 3 《思考囲い》 1 《コジレックの審問》 2 《墓掘りの檻》 3 《アメジストのとげ》 1 《苦花》 1 《梅澤の十手》 1 《最後の望み、リリアナ》 -サイドボード(15)- |
ローグらしくデッキカラーはディミーア(青黒)。レガシーでも発足時より人気のカラーだ。クリーチャー総数は21枚、そのうちディミーアならとりあえず入れておけという便利カードである《悪意の大梟》と、黒ければとりあえず入れておけという除去能力を備えた《疫病を仕組むもの》以外はすべてならず者で構成されている。レガシーでここまでならず者が集っているのも見たことないかもしれないなぁ。
スタンダードよろしく《盗賊ギルドの処罰者》《空飛ぶ思考盗み》を序盤から繰り出し、これらの能力で対戦相手のライブラリーを切削していく。最強のならず者こと《真の名の宿敵》であれば相手の戦場に何が待ち構えていても気にすることなく攻撃し、思考盗みの切削能力を誘発させられる。墓地が8枚を超えれば宿敵もパワーが4以上になることを狙えるので、どうやっても止められない攻撃をゴツンゴツンと叩き込んで決着と相成る。
相手のデッキにもよるが、《夜鷲のあさり屋》もとてつもない速度でパワーを上昇させ、絆魂を使ってアグレッシブなデッキとの殴り合いもバックアップしてくれるだろう。スタンダード組、やりおる予感。
レガシーの青いデッキの常として、《意志の力》などの軽量打ち消し呪文で、コンボをはじめとする相手のデッキのブッ放しを咎める。
《目くらまし》が不採用なのは宿敵やその他のならず者が3マナ以上であるため、これらをスムーズに展開できることを重要視したためだろう。
打ち消しやクリーチャー除去、土地、そしてならず者たちを《渦まく知識》《思案》で都度探して引き込み、ゲームを意のままの展開へと持っていく。レガシーの青いクリーチャーを使うデッキの基本的な動きはこのデッキでもそのままだ。
スタンダードで使えないならず者は《真の名の宿敵》に限らない。最新のカードの1つであるが統率者デッキに含まれている《遺跡の盗人、アノワン》もそうだ。
すべてのならず者を強化し、それらで戦闘ダメージを相手本体に与えればその分切削、このときクリーチャー・カードが落ちれば1枚ドロー。盤面も手札も強くする頼もしい1枚だ。
このアノワンとの組み合わせがコンボのように強力なのが《苦花》。
置いておけば毎ターンライフと引き替えに1/1飛行のフェアリーが得られる、言わずと知れた強力エンチャントだ。このフェアリーは同時にならず者でもある。アノワンや思考盗みで強化して殴り、さらに切削やドローを得ればとてつもなく気持ちよくなれるはずだ。レガシーというフォーマットはこうでなくてはね。
スタンダードで活躍したクリーチャー・タイプを、カードプールが広大なレガシーに持ち込む。このアプローチはたびたび見られ、その都度面白いデッキを生み出している。マジックの長い長い歴史の中には「え、お前さんが?」と言いたくなるような意外なタイプを持つクリーチャーがいるもんだ。宿敵とならず者のような強力な組み合わせ、《魂の洞窟》で支えられた種族や職業を統一したデッキを君も作ってみよう。
RANKING ランキング
NEWEST 最新の読み物
-
2024.11.15広報室
すべての基礎となるスタンダード対応セット『ファウンデーションズ』本日発売!関連キャンペーンも開催|こちらマジック広報室!!
-
2024.11.14戦略記事
とことん!スタンダー道!ゴルガリ・ランプと『ファウンデーションズ』の注目カード(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.14読み物
第50回:『ファウンデーションズ』統率者ピックアップ|クロタカの統率者図書館
-
2024.11.13戦略記事
墓地を貯めて大ダメージを狙え、ジャンド昂揚(モダン)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.12戦略記事
ラクドス・バイパー:好きなカードを使うための構築(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.12お知らせ
『ファウンデーションズ』ビギナー・ボックスの内容|お知らせ
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事