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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

嵐を呼ぶ新生化コンボ!(ヒストリック)

岩SHOW

 マジックにおいて、コピーはかつて結構大変なことだった。そういうことをするカードは数自体があまりなかったし、使い勝手もそれほど良いとは言えず、使われているのを目にすることは稀だった。

 しかし近年は、コピーするカードが各セットに複数枚採用されるのも珍しくはない。コストなども現実的になり、構築の場でも目にするようになってきた。『ゼンディカーの夜明け』の神話レア、《石成エンジン》なんかはその象徴。これ1枚で何でもコピーしちゃうのだから、シールドデッキでお目にかかった時はその万能さにビビったよ。

 気軽にコピーができるこの時代、それを活かしたデッキが現れるのも同然の流れ。今日はコピーがテーマのコンボデッキを紹介だ! フォーマットはヒストリック!

topically relevant thorman - 「新生化コンボ」
ヒストリック (2020年9月22日、~『ゼンディカーの夜明け』)[MO] [ARENA]
1 《
4 《繁殖池
2 《内陸の湾港
4 《踏み鳴らされる地
2 《岩山被りの小道
4 《蒸気孔
2 《河川滑りの小道

-土地(19)-

4 《金のガチョウ
4 《楽園のドルイド
4 《海門の嵐呼び
4 《二重詠唱の魔道士
4 《玻璃池のミミック
2 《戦闘の祝賀者
2 《タクタクの瓦礫砦

-クリーチャー(24)-
4 《選択
4 《可能性の揺らぎ
2 《熟考
4 《新生化
1 《シルンディの幻視
2 《ヴァラクートの覚醒

-呪文(17)-
4 《軍勢の戦親分
3 《厚かましい借り手
4 《否定の契約
3 《削剥
1 《神秘の論争

-サイドボード(15)-

 

 このデッキがフィーチャーしているコピー能力の持ち主は、新しい神話レアである《海門の嵐呼び》。

 どうやら《石成エンジン》といい、このセットの神話レアはコピーに強いものが揃っているようだ。嵐呼びは、これが戦場に出た後に唱える、点数で見たマナ・コストが2以下のインスタントかソーサリーをコピーする能力を持ち、キッカー・コストを払えば2回コピーが行われる。

 そしてこのカードでコピーしたい1枚が、追加コストとしてクリーチャーを生け贄に捧げ、(簡単に言えば)それより1マナ多いコストを持つクリーチャーをライブラリーから戦場に持ってくることができる《新生化》。

 唱えて解決する前のこれをコピーすると、コストとして生け贄に捧げられた後の状態のコピーとなる。コピーとなった呪文は唱えるわけではないのでクリーチャーの損失はなく、前述のようにコピー元で生け贄に捧げたクリーチャーが参照されるので、クリーチャーを持ってこられるとあってなかなかにお得である。

 このデッキはそんなオイシイ《新生化》コピーを狙っているのだが、その回数が1回や2回ではない。順を追って説明しよう。

 まず必要なのは{1}{U}{U}{G}。これのために《金のガチョウ》や《楽園のドルイド》などのマナ・クリーチャーを用いる。3ターン目に条件を満たすことだって難しくない。

 そして唱えるのはもちろん上記の2枚、《新生化》と《海門の嵐呼び》。まずは嵐呼びを唱えて戦場へ、能力が誘発する。次に唱える2マナ以下のインスタントかソーサリーがコピーされるので、嵐呼びを生け贄に捧げつつ《新生化》を唱えて、これのコピーを生み出す。

 コピーを解決して持ってくるのは……《二重詠唱の魔道士》。

 これは戦場に出た時にインスタントかソーサリーをコピーする。これを用いて、まだ解決していないオリジナルの《新生化》をコピー。また《二重詠唱の魔道士》を持ってくる。これをライブラリー内の《二重詠唱の魔道士》を全部出すまで繰り返す。

 《二重詠唱の魔道士》を出し切ったら、今度は《玻璃池のミミック》に切り替える。

 これを《二重詠唱の魔道士》のコピーとして戦場に出し、また能力が誘発して……《玻璃池のミミック》を出し切るまで続けよう。

 最後の《玻璃池のミミック》でコピーした《新生化》と、オリジナルのそれで持ってくる最後の2体は《戦闘の祝賀者》と《タクタクの瓦礫砦》。あるいは相手のデッキや状況によっては《タクタクの瓦礫砦》2枚。

 この瓦礫砦で、コピー祭りで出てきたすべてのクリーチャーが速攻を持ち、総攻撃! 最大で《二重詠唱の魔道士》4体(2/2に+1/+1カウンター1個でパワー3)、《玻璃池のミミック》4体(同様)、《戦闘の祝賀者》(4/1に+1/+1カウンターでパワー5)が殴りかかることになる。

 相手の戦場ががら空きならこれで勝てるが、ブロックできるクリーチャーが複数いる場合は《戦闘の祝賀者》を督励して追加の戦闘ステップを手に入れ、波状攻撃を行えばある程度のブロッカーがいても相手のライフを十分に削り切れるダメージを叩き出せる!という寸法だ。

 《タクタクの瓦礫砦》を2枚持ってくるのはそこに除去を撃たれて速攻で殴れなくなるのを防ぐため。状況によっては《玻璃池のミミック》を1体諦めて《タクタクの瓦礫砦》2枚に《戦闘の祝賀者》という形にしたり、あるいは《戦闘の祝賀者》を2枚持ってくることで勝ちに繋がることもあるだろう。コピーに次ぐコピーで、最早コピーとはどういう意味なのかが分からなくなってしまうレベル。とにかくすごいぜ、新生化×嵐呼び。

 このコンボに必要なカードが揃うのは、実はヒストリックとエターナル環境しかない。モダンやパイオニアには《二重詠唱の魔道士》がいないからだ。

 ただ、それはコピーしまくりルートに限定した話。《新生化》2枚で3マナのクリーチャーを揃えることで別のコンボを成立させることは可能だ。例えば……《太陽冠のヘリオッド》と《スパイクの飼育係》で無限ライフとかね。

 夢が広がる2枚コンボ、これからの動向には要注目だ!

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