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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ジャンド死の影:災い魔、降臨(モダン)
最初にゼンディカーが舞台になった時のこと。『ワールドウェイク』というセットで衝撃的なカードが姿を現した。《精神を刻む者、ジェイス》? あれもかなり衝撃的なカードではあるが、ちょっと方向性が違う。《死の影》だ。
1マナにして13/13という強烈なスペック。当時、誰もがなんじゃこりゃと驚いたことだろう。そしてその能力。自分のライフの分だけのマイナス修整を受けるということで、とりあえず残りライフが12以下にならなければ生存できない。扱いにくいことは間違いないが、うまく使えば1マナで7/7などという驚異的なサイズで、戦場を我が物顔でのし歩くポテンシャルを誇る。
初登場後、しばらくはこれを扱うデッキは現れなかったが、時代が進むにつれて《通りの悪霊》をはじめとするライフをコストにするカードと組み合わせることで、序盤から自分のライフを大きく減少させて《死の影》で殴るというアグロデッキが確立され出した。モダンでブームを巻き起こし、レガシーでも活躍したほどである。
3度目のゼンディカー来訪となる『ゼンディカーの夜明け』ではこの《死の影》の後継機ともいえるカードが登場した。《スカイクレイブの災い魔》である。
2マナとデーモンにしてはかなりコストが軽いのがまず目を引く。そのサイズは……20からプレイヤーのライフを引いたものである。肝心なのはそのプレイヤーが誰か。《死の影》のように自分というわけではない。かと言って対戦相手でもない。最もライフが多いプレイヤーを参照するのである。こちらのライフが1であっても、相手のライフが19もあれば災い魔はたったの1/1。その逆もまたしかり。そんなわけでこいつを扱うには、相手のライフを減らしながら自分のライフも減らしていく必要がある。クセ、強いなぁ。
しかしそんなカードこそ使ってやりたくなるのが人情というもの。《死の影》デッキを日頃から使用しているプレイヤーは、むしろこの新しいお題に対して大いにテンションが上がっているかもしれない。今日はそんな《スカイクレイブの災い魔》デッキを紹介しよう!
2 《血の墓所》 2 《草むした墓》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《新緑の地下墓地》 4 《樹木茂る山麓》 1 《汚染された三角州》 -土地(18)- 4 《死の影》 4 《僧院の速槍》 4 《アクームのヘルハウンド》 4 《スカイクレイブの災い魔》 4 《通りの悪霊》 -クリーチャー(20)- |
4 《ミシュラのガラクタ》 3 《変異原性の成長》 4 《稲妻》 4 《思考囲い》 1 《コジレックの審問》 4 《ティムールの激闘》 2 《強大化》 -呪文(22)- |
1 《夢の巣のルールス》 2 《溜め込み屋のアウフ》 3 《致命的な一押し》 3 《虚無の呪文爆弾》 3 《夏の帳》 2 《コジレックの審問》 1 《暗殺者の戦利品》 -サイドボード(15)- |
かつて「ジャンド死の影」や「Super Crazy Zoo」などと呼ばれたデッキをベースにしている。《通りの悪霊》《変異原性の成長》《思考囲い》《新緑の地下墓地》《血の墓所》などライフをコストにするカードを総動員して、とにかくいち早く自分のライフを減らすことで《死の影》を戦場に送り出し、他の軽量クリーチャーも絡めて殴り倒す超アグレッシブなデッキだ。
そのライフを失うことに対する本気っぷりは、《稲妻》を自分に撃つプレイもあると言えば伝わるだろうか。
そんなデッキに追加の《死の影》的な存在として《スカイクレイブの災い魔》を足している。《死の影》を出す過程で自身のライフを減らし、さらにそれで相手に攻撃することで互いのライフを一気に下げて災い魔の降臨につなげようってことだ。
このタイプのデッキは1マナクリーチャーも結構重要で、《僧院の速槍》や《野生のナカティル》といった優秀な面々を採用することが多い。今回は速槍に加えて《アクームのヘルハウンド》が選ばれている。
ライフを減らすための《新緑の地下墓地》などのフェッチランドで、1ターンに2回の上陸を狙えるので高い打点で攻めていけるのだ。
速槍と相性の良さも加味して採用されている《ミシュラのガラクタ》や上記のフェッチランド、悪霊といったカードで墓地が一気に肥えるのもデッキの特徴である。これを活かすのが《強大化》。
探査コストを支払って、ただ同然のマナの支払いで+6/+6修整! これだけでも必殺技としては十分だが、ここにさらに《ティムールの激闘》を絡めて二段攻撃とトランプルを与え、ブロックしたところでそれをブチ抜いて勝つという強烈なアプローチを搭載。
影も災い魔も、これで対戦相手を一撃で葬り去るってなもんよ。
《死の影》と《スカイクレイブの災い魔》、己のライフを放棄しながら相手のライフも一気に追い詰める姿には美学すら感じる。しかしながら《死の影》はその影の主の寿命が近づくにつれ伸びることでサイズが大きくなるというのがフレイバーテキストからわかるが、災い魔はどのような原理でサイズが変わるのだろうか。生命力にあふれている人がいると縮こまってしまう気弱なデーモンが、弱っている人しかいない場だとここぞとばかりに牙を剥くってことかな? 性格は良いとは言えないが、デーモンらしくはあるなぁ。
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