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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
グルール上陸(スタンダード)
まいど! スタンダード、やっとるかいっ!? プレイ時間が大きく取れる人はもういくつかの新しいカードやデッキの使用感を試した上で、何を使おうか決めたというところかもしれない。
そうでない人に向けて、どんなカードを使ったどんなデッキがあるのか、それを伝えるのがこのコラムの存在意義だと考えている。社会人、学生、この時期は忙しいという方が多いことだろう(僕も忙しくてあまりマジックができていない)。忙しい合間にちょっとした時間でMTGアリーナをプレイできればそれだけで幸せってなもんだ。
時間が限られているなら、どうせなら複数ゲームを遊びたいと思うのが人情。そうなると候補として立ち上がってくるのがアグロデッキ。前のめりに攻めまくるデッキは、勝っても負けてもゲームが早い。忙しい人の味方であるアグロデッキ、現スタンダードにおけるその代表的なカラーは……赤緑! そう、グルールだ!
4 《森》 3 《山》 4 《岩山被りの小道》 4 《寓話の小道》 -土地(15)- 4 《アクームのヘルハウンド》 3 《むら気な猛導獣》 4 《山火事の精霊》 3 《水蓮のコブラ》 4 《カザンドゥのマンモス》 3 《迷える探求者、梓》 3 《ケルドの心胆、ラーダ》 3 《探索する獣》 -クリーチャー(27)- |
1 《棘平原の危険》 2 《カズールの憤怒》 2 《カルニの待ち伏せ》 2 《ヴァラクートの探検》 2 《変わり樹の共生》 4 《髑髏砕きの一撃》 3 《エンバレスの宝剣》 2 《怪物の代言者、ビビアン》 -呪文(18)- |
4 《漁る軟泥》 3 《砕骨の巨人》 2 《打ち壊すブロントドン》 2 《棘平原の危険》 2 《轟く叱責》 2 《グレートヘンジ》 -サイドボード(15)- |
グルールと言えば、ローテーションで失ったものは少なくない。アグロ向けのカードを挙げれば……《生皮収集者》《ザル=ターのゴブリン》《グルールの呪文砕き》《ドムリの待ち伏せ》《ボーラスの壊乱者、ドムリ》と非常に優秀な面々が並ぶ。
これらとともにマナ基盤を担っていた《踏み鳴らされる地》まで失ったのだから損失はかなり手痛いものだが、それでも諦めずに前進するのがグルール。打点の要である《探索する獣》と《エンバレスの宝剣》がある限り、グルールは戦えるッ。しかも『ゼンディカーの夜明け』でやってきた新カードたちはグルールに新しい戦略をもたらした。「グルール上陸」の誕生である。
赤と緑にはアグレッシブな上陸能力が割り振られている。シンプルに、サイズが大きくなるクリーチャーだ。素のパワーは0でも上陸で2上昇し、1マナでパワーが実質2と使いやすい《アクームのヘルハウンド》。
3マナ3/3というバランスの良さにこちらもサイズが2アップしてずっしり重い打点になる《カザンドゥのマンモス》。これは土地としても出せるので使い勝手が良い。
そして、グルールならではの赤緑2色! 《山火事の精霊》!
これがなかなか強い、見た目よりもずっとハードなパンチをぶちかますやり手なのだ。2マナで1/1とこちらも素のスペックは今ひとつだが、上陸で上述の2種と同じく+2/+2修整を得る。これに加えて速攻を持っているので、飛び出てデカくなってすぐ殴るのが偉い! しかも《探索する獣》と同じくパワー2以下にはブロックされないという回避能力を持つため、小粒に止められることを気にせずにガンガン殴りに行ける。使ってみれば、綺麗にハマった時にはじき出す打点の高さに驚くことだろう。これらの新クリーチャーがデッキの主役だ。
デッキの残りの部分はいかに上陸を達成させるか、それを突き詰めるカードで埋められている。まず土地の枚数を見てほしい。たったの15枚だ。少なっ! これだと毎ターン引いてきた土地を置く、なんて基本的な動きもままならないのでは……と思ってしまうところだがご安心を。《髑髏砕きの一撃》のような第2面が土地である両面カードが、全部で15枚も採用されている。土地15枚にして実質30枚体制ってわけだ。これで土地を置けないのではという不安は解消できるし、土地ばっかりのデッキで土地しか引かず負けるという恐怖もグッと抑えられる、素晴らしい。
これらのカードは土地として出しておきながら《むら気な猛導獣》で手札に回収して呪文として用いるというテクニックも。除去やプレイヤー本体にダメージを与えるもので構成されているので、最後のひと押しにもってこいだ。
他のカードでは土地を置くことを助けるクリーチャーの姿も。《ケルドの心胆、ラーダ》はライブラリーの上から土地をプレイできるので、実質的にドローしているようなアドバンテージをもたらしてくれる。ライブラリーの上の両面カードも土地としてプレイできるのでお忘れなく。自身も3/3で先制攻撃を持って殴りに行ってくれるので打点として計算できるのが嬉しい。
そしてラーダと比べるとスペックは低いが、彼女と組むことでとんでもない爆発力を生み出すのが《迷える探求者、梓》!
コンボデッキ以外でこのカードが複数枚採用されているというのも実に珍しい。梓の能力で1ターンにプレイできる土地の枚数が2枚も追加される。上陸の誘発はとんでもないことになるぞ。《寓話の小道》が絡めば10点オーバーも夢じゃない。ラーダと梓でライブラリーの上から両面カードを土地として投下し続け、めちゃくちゃにしてやろう。《水蓮のコブラ》も加わったりするともう……何も言えねぇ。
クリーチャーのみならず、上陸を誘発させて強いのは《ヴァラクートの探検》。
展開次第では本当にこれ1枚で勝ってしまうというゲームも。土地を置いたらこのターンのみプレイできるという時間制限付きのドローを得たようなもので、たとえそのカードをプレイせずともターン終了時にその追放したカードの枚数分ダメージを対戦相手に飛ばすことができる。あとは30枚ある土地を置きながら、最高の展開を計算してジックリ攻めていけば良い。
新しい形のグルール、グルール愛好家の面々は気に入ってくれただろうか。《山火事の精霊》の名の通り、燃え広がるようにダメージを加速させていく様はプレイしていて実に気持ちがいい。ザクザクとダメージを叩き込む快感を短時間で味わいたいなら、グルールを選択肢に入れてやってほしいね!
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