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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
世界を彫る者、ファイラス(ブロール)
MTGアリーナからマジックを始めたという初心者の方にとって、最初の難関となるのは……どんなデッキを作ったら良いのかわからない、というものではないだろうか。
最初からパックを大量に購入し、それをバリバリと剥いてカードを一気に集める!という気合いの入ったプレイヤーにとってこれはそれほど問題ではないだろう。そのカードでスタンダードのデッキを組んで、さあランク戦に挑戦だ。
ただ、すべてのプレイヤーがそこまで気合いが入っているわけではない。マジックが自分に合っているのかわからないのであまりコストはかけずにプレイして確かめてみたい、お金をかけずにコツコツとカードを集めて楽しみたい、などなど。そういったカードを一気に集めるスタイルでないプレイヤーにとって、土地から何から、同名カードが4枚採用されることが前提のスタンダードなどの構築フォーマットのデッキは容易に組めるものではない。
しかし、カード資産が潤沢でなくともデッキを組んで楽しめるフォーマットがMTGアリーナにはある。マジックのカジュアルな楽しみ方として高い人気を誇る多人数フォーマット、統率者戦。それのカードプールをスタンダードに絞ったものが「ブロール」だ。
ルールの概要としては、伝説のクリーチャーかプレインズウォーカー1枚を統率者に指定。統率者に書かれたマナ・シンボルのみを含むカードしか採用できない(詳しくは上記リンク先から「固有色」を)。メインデッキは59枚で、基本土地以外1枚制限となっている。ゲーム外から唱えられる統率者と59枚のデッキを使って対戦相手と戦うのだ。
統率者によってデッキに採用して強いカードは大きく異なり、またスタンダードでは活躍するのが難しいようなカードにもチャンスがあるとあって、これがプレイしてみるとなかなか面白い。
レアも神話レアも1枚あればデッキになる、カードが集まりきっていないプレイヤーでも十分に勝負ができるデッキが組める。ブロールを遊びながら「このカードを他のフォーマットでも使って、強いデッキを組んで戦ってみたい!」という気持ちが湧いてきたのであればパックを買うなどして他のフォーマットに挑戦する、というステップで遊んでも良いかもしれない。
そんなわけで今日はブロールのデッキを考えてみよう、早速『ゼンディカーの夜明け』のカードを使ったデッキを組んでみたぞ!
1 《世界を彫る者、ファイラス》
-統率者(1)- 9 《森》 6 《山》 1 《統率の塔》 1 《奔放の神殿》 1 《岩だらけの高地》 1 《岩山被りの小道》 1 《エンバレス城》 1 《這い回るやせ地》 1 《寓話の小道》 1 《進化する未開地》 1 《廃墟の地》 -土地(24)- 1 《アクームのヘルハウンド》 1 《絡みつく花面晶体》 1 《水蓮のコブラ》 1 《漁る軟泥》 1 《カザンドゥの蜜壺虫》 1 《山火事の精霊》 1 《スカイクレイブの土百足》 1 《縄張り持ちの大鎌猫》 1 《硬鎧の大群》 1 《カザンドゥのマンモス》 1 《打ち壊すブロントドン》 1 《梢のベイロス》 1 《ケルドの心胆、ラーダ》 1 《真面目な身代わり》 1 《古の緑守り》 1 《オーガの戦駆り》 1 《アクームの怒り、モラウグ》 -クリーチャー(17)- |
1 《萎れ》 1 《轟く叱責》 1 《火の予言》 1 《乱動の噴火》 1 《耕作》 1 《乱動の再成長》 1 《高所の追求》 1 《バーラ・ゲドの復活》 1 《ヴァラクートの探検》 1 《魂焦がし》 1 《移動経路》 1 《巨森の波動》 1 《石成エンジン》 1 《歌狂いの裏切り》 1 《焦熱の解放》 1 《ヴァラクートの覚醒》 1 《エンバレスの宝剣》 1 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(18)- |
《世界を彫る者、ファイラス》、『ゼンディカーの夜明け』の赤緑のレアだ。
戦場に出た時に複数の植物・トークンを生成。これらは0/1でそのままだと戦力にならないが、もう1つの能力で土地を戦場に出すたびにその植物に+1/+1カウンターを4個置くことができる。4個!こりゃなかなかすごいな。
このファイラスのように、土地を戦場に出すことで誘発したりボーナスが付く能力は「上陸」と一括りにされており、過去のゼンディカー系セットより続く定番となっている。ファイラス以外にも上陸持ちは赤と緑に多数いるので、それらの能力を土地を置いて誘発させて、ゴリゴリと殴って勝とうというのがデッキのテーマだ。
《山火事の精霊》を始めとする上陸によりサイズアップするクリーチャーを展開しつつ《耕作》などのカードで土地を出し、相手のライフを追い詰めていくアグレッシブなデッキを目指してリストを作ってみた。
最も強烈な能力を持つのは《アクームの怒り、モラウグ》!
メイン・フェイズ限定ではあるが、土地を置くたびになんと追加の戦闘フェイズを得てしまう。そして自身のクリーチャーは攻撃するたびにパワーが1上昇し、追加の戦闘フェイズが終わるたびにアンタップする。メイン・フェイズでガンガン土地を置いて、そこから2度3度と攻撃を行って対戦相手を圧殺するのだ。パワーを上昇させる能力のおかげで、ファイラスが生み出したパワー0の植物も相手のライフを詰める脅威となり得る。
このデッキにとって土地を置くというアクションの持つ意味は非常に大きい。土地を置けるターンであっても、あえて1ターン我慢して次のターンに置いた方がより多くの上陸を誘発させて打点を伸ばすことができたりするので、そのあたりは考えながらプレイしていきたいところ。呪文でありながら土地でもある、モードを持つ両面カードもこの戦略を後押ししてくれるはずだ。最大効率のダメージを叩き込もう!
今回は個人的に一番ブロールや統率者でデッキを組んでみたいと思わされた《世界を彫る者、ファイラス》のデッキ案を紹介させてもらった。《ゼンディカーの報復者》という大好きなカードの1つによく似た能力を持ったファイラス、スタンダードでも使ってやりたいものだ。
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