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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ローテーション後のデッキを考えよう! グラークマウ編(新スタンダード)

岩SHOW

 今日も『ゼンディカーの夜明け』リリースとそれに伴うローテーションで全く新しい環境に生まれ変わるスタンダードのデッキを考えてみよう。

 前回はスタンダード既存のリストをベースに新カードを足した形だが、今回はゼロからデッキ作りだ。やはり新セットが発売される際には、これは!と思ったカードを軸としたデッキを組みたくなるのが人情。絶対に強いと信じられるカード、見た目がかっこいいからどうしても使いたいカード……各自ググっときた理由はそれぞれにあるだろう。

 今回、僕がこれでデッキを組もうと思い立った1枚は、強さもカッコよさも兼ね備えた素敵な怪物だ。その名は《スカイクレイブの荒廃者、グラークマウ》。

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 日常でまず耳にすることはないが、マジックではよく出てくるフレーズである「荒廃者」。この時点で「おっ」となる。今回の荒廃者はハイドラだ、三つ首のイラストがシンプルにカッコイイ。そしてマナコストは黒緑の3マナ、死と生の相反するカラーリングで現実的な軽さ、ビジュアルも実用性も兼ね備えている。

 サイズは0/0だが、能力で+1/+1カウンターが3個置かれて出てくるので3マナ3/3として扱える。皆大好きなバランスの良いスペック!

 そして残りの能力2つも+1/+1カウンターに関するもの。味方の+1/+1カウンターが置かれたクリーチャーが死亡すると、グラークマウは+1/+1カウンターを1個得る。他のクリーチャーが除去されても全体の打点が下がりにくくなる。むしろ自分のカウンター持ちクリーチャーを生け贄にするなどして積極的にグラークマウを育てるという運用も狙える。

 だったらグラークマウを先に除去するぞと相手が動いてきても、3つ目の能力が働く。この伝説のハイドラは、死亡時に自身に置かれていた+1/+1カウンターの数に等しいパワーとタフネスのハイドラ・トークンを残していく。トークンのイラストを見ると、ダメージを負った古い外皮を脱ぎ捨てて復活するというニュアンスのようだ。

 基本のサイズが良くて、そこからさらにサイズアップし、死んでもただでは済まさない……かなり強いクリーチャーだ。これを用いるのであれば、他にも+1/+1カウンターが置かれるクリーチャーを使いたいところ。直近のセットでこれに関するカードと言えば……『基本セット2021』の緑と白がこれにあたる。

 この2色はクリーチャーに+1/+1カウンターを置いたり、それを増やしたり、それを参照して何らかのボーナスを与える能力にあふれていた。中でも注目は《議事会の導師》。

 クリーチャーに置かれる+1/+1カウンターを1個増やしてくれる、太っ腹な能力の持ち主だ。この導師からグラークマウと繋げられれば4/4として出てきて、カウンター持ちが死亡するたびにカウンター2個を得るということに。3色にはなってしまうが、どちらのカードも色マナシンボルは濃くないので、緑を軸として色マナサポートをある程度用意すれば問題ないだろう。

 そんなわけで今日のデッキは白黒緑、通称アブザンカラーのグラークマウデッキだ!

岩SHOW - 「アブザン・グラークマウ」
スタンダード (『エルドレインの王権』~『ゼンディカーの夜明け』)[MO] [ARENA]
4 《
2 《平地
1 《
4 《インダサのトライオーム
2 《疾病の神殿
2 《寓話の小道
4 《枝重なる小道
4 《陽光昇りの小道
-土地(23)-

4 《金のガチョウ
4 《議事会の導師
3 《バスリの副官
1 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス
4 《石とぐろの海蛇
4 《群れのシャンブラー
4 《オラン=リーフの軟泥
4 《スカイクレイブの荒廃者、グラークマウ
-クリーチャー(28)-
1 《オゾリス
2 《取り除き
1 《グレートヘンジ
1 《マラキールの再誕
3 《豊穣の碑文
1 《変わり樹の共生
-呪文(9)-

 新しいものには目がないので、新カードをゴリッと詰め込んでみた。ゼンディカーにはグラークマウと併せて使えと言わんばかりのカードがたくさん! 特に緑のレアからは目が離せなかった。

 《群れのシャンブラー》は自分で自分をデカくする能力持ちで、導師と並ぶと驚くべき速度で肥大化していく。

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 本人やその他カウンター持ちを対象に相手が除去呪文を使用してくると、1/1の昆虫を生み出して最低限の戦力は維持してくれる。たかが1/1と侮るなかれ、そこはカウンターを置く呪文や能力と導師で育てればよいのだ。

 《オゾリス》があれば打点も維持できるだろう。

 シャンブラーとグラークマウがいるおかげで、カウンターでクリーチャーを育てていくデッキ特有の「除去1枚でプランが崩れ去る」という弱点を克服している!……と思われる。《バスリの副官》も絡めれば《空の粉砕》のような全体除去でも怖くない。恐れずに全力展開し、除去を使わせ、その果てに生き残ったトークンたちをまた強化して殴り勝つのだ!

 クリーチャーにカウンターを置くため手段も、新しいカードに強力なものがある。《オラン=リーフの軟泥》は戦場に出た際に自分でも他者にでもカウンターを置ける。そして攻撃すれば、それらのカウンターの数を増やせる!

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 戦場に出たときに置けるのは1体だけだが、攻撃時に増やすのは各攻撃クリーチャーに適応されるので、かなりどでかい連中を作り出せる。放置していたら間違いなくゲームが終わってしまう、危険な怪物だ。

 《豊穣の碑文》はインスタント・タイミングでカウンターを置ける。なので単に打点を上げるだけでなく、ブロック指定後や相手のダメージ除去に対応して使うことでカード1枚分の得を生み出せる可能性あり。キッカー・コストを払えば、サイズアップに回復に格闘まで付いてくる。相手の計算を狂いに狂わせられる、かなり強力なインスタントに見えるね。

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 デッキ的にはマナを割と必要とする作りになっている。毎ターンマナを使い切って、最大限の打点成長に繋げたい。そこで《金のガチョウ》も用いる。飛行持ちなのでカウンターでサイズを強化してやればアタッカーになり得るのも嬉しいポイント。

 これでマナ加速しつつ、毎ターン土地もしっかりと置いていきたい。しかしながらデッキの土地の枚数は23枚。ちょっと少なめに見えるが……ご安心を。このデッキは実質土地25枚だ。《マラキールの再誕》と《変わり樹の共生》、これらモードを持つ両面カードを採用しているからだ。

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 これらの呪文は、1ターン目などであればタップ状態で置いてしまっても構わない。ゲーム終盤で土地を引いた時に「これが何か他のカードだったら……」という、マナフラッドと呼ばれる状況を回避するにはうってつけのカードである。どちらも戦場にクリーチャーを出すことに関するカードであり、《変わり樹の共生》はカウンターも置けるので採用してみた。

 両面カードは純粋な土地枠でも2色のものを早速採用し、3色デッキのマナトラブルを解決を狙う。これらの土地はマナシンボルが濃いカードばかりのデッキでは運用が難しいかもしれないが、白も黒もシンボルが薄いこのデッキならばおそらくこれらで問題なくやっていけるはずだ。この辺は実際にプレイしてから感覚を養っていきたいね。未知の体験が待っているのは嬉しい!

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 そんなわけで個人的に気になっている《スカイクレイブの荒廃者、グラークマウ》デッキを考えてみた。生命力に満ちたハイドラらしさを持った、非常に攻撃的なこの1枚。君ならどんなデッキで使うだろうか。それぞれのアイディアで面白いデッキを生み出して、ここで取り上げさせてほしいところだ。

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