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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

災厄の行進アグロ:紅蓮獣と焼却者(スタンダード)

岩SHOW

 『基本セット2021』に収録されたプレインズウォーカーは新旧入り混じったラインナップ。これまでにない全く新しいプレインズウォーカーとしてデビューした《バスリ・ケト》と、お馴染みのキャラクターたちが共演だ。

 唯一の再録カードにして絶大なインパクトを放つのは《精霊龍、ウギン》。このカードがスタンダードに再登場するとは夢にも思わなかったなぁ。

 でも個人的に気になったのは、チャンドラがいることだ。『基本セット2021』の各色のプレインズウォーカーは、バスリが登場したり緑単色に戻ったガラクがいたり、前基本セットである『基本セット2020』で登場した面々とは顔ぶれが異なる。ただ1人、チャンドラだけが続投しているのだ。

 『基本セット2020』では主役を務め、3種類も収録されたりと特別な扱いを受けていたチャンドラ。彼女のキャラクターと扱う紅蓮術は、基本セットにおいて扱いやすいものなのかもしれないね。

 今回紹介するのは新しいチャンドラ《炎の心、チャンドラ》デッキ……と見せかけて、彼女の操る使い魔たちが主役だ。チャンドラが赤マナを用いて呼び出すエレメンタル、その最新のものがなかなかに強力なのだ。

Made by Joel - 「災厄の行進アグロ」
スタンダード(BO1) (『ラヴニカのギルド』~『基本セット2021』)[MO] [ARENA]
18 《
3 《エンバレス城
-土地(21)-

4 《熱烈な勇者
4 《不気味な修練者
4 《焦がし吐き
4 《ブリキ通りの身かわし
4 《チャンドラの紅蓮獣
4 《朱地洞の族長、トーブラン
4 《チャンドラの焼却者
-クリーチャー(28)-
4 《災厄の行進
4 《心火
3 《炎の侍祭、チャンドラ
-呪文(11)-
Made by Joel氏のTwitter より引用)
 

 リストはすっかり見慣れた人も多いかもしれない、赤単色の《災厄の行進》デッキだ。

 赤は低コストで速攻やその他のキーワード能力を持つ代わりに、サイズが1/1と小さいクリーチャーが多い色。普通にこれらで速攻を活かしてビートダウンを仕掛けても、1ターンに削れるライフの量は知れているので相手の反撃が間に合ってしまいがち。

 しかし《災厄の行進》があれば、これらのパワー1のクリーチャーが攻撃するだけで1点ダメージがバスバスと撃ち込まれ、どれだけデカいブロック役が立ちはだかっていようがその上から強引に勝ちに行ける。

 このダメージを《朱地洞の族長、トーブラン》で上昇させ、圧倒的な爆発力で有無を言わさず押し切るのが狙いだ。

 この行進デッキに加わった新カードこそ、チャンドラが新たに連れてきたエレメンタルたち。まずはコストが軽い方、《チャンドラの紅蓮獣》。

 戦闘でないダメージが対戦相手に与えられるとパワーが上昇し、さらに二段攻撃も得る。戦闘でないダメージということは、つまりは《災厄の行進》で与えるダメージでこの能力が誘発するってこと。紅蓮獣自身のパワーが1なので、自分で自分の能力を誘発させに行くこともでき、行進とは大変に噛み合っているカードだ。複数体で殴って行進からダメージを叩き込み、紅蓮獣のパワーをゴリッと上昇させて勝つのは「気持ちいい」としか表現できない。

 同じエレメンタル・トカゲである《焦がし吐き》との相性も抜群で、1・2ターン目にこれらを展開する動きは対戦相手からしたらたまったもんじゃない。

 小さな大戦力である紅蓮獣とともにやってきたのは、対照的に6/6とデカい《チャンドラの焼却者》。

 紅蓮獣と同じく戦闘でないダメージに関する能力を持っており、こちらはダメージ分だけコストが減少する。1マナ6/6として唱えることすら可能な、なかなかすごいヤツだ。

 そのサイズとコスト軽減能力だけでも脅威なのに、さらにメリット能力まで持っているのがレアの強さを感じさせる。戦闘でないダメージが対戦相手に与えられたら、同じダメージをクリーチャーかプレインズウォーカーにも飛ばせる。これはつまり火力呪文や《災厄の行進》《焦がし吐き》などのダメージが除去になるということ。行進のダメージで相手のブロッカーを排除して、戦闘ダメージも本体にねじ込むというパワフルな動きを実現させるのだ。自身も行進の能力で低コストになって、早ければ3ターン目には戦場に降臨する。

 行進デッキの最後の詰めに使われる《心火》もこのカードとの相性◎。

 4点ダメージでコストを一気に下げて、焼却者が出てからはライフと盤面に4点とクリーチャー1体のコストに見合う大ダメージに。トーブランと絡むともう何が何だからわからないうちに焼け野原になるだろう。

 《チャンドラの焼却者》のポテンシャルはかなり高く、《殺戮の火》《批判家刺殺》などと組み合わせたバーンデッキで使っても強力だ。そういったデッキでは《チャンドラのマグムット》や《炎の心、チャンドラ》本人と組み合わせるのもオススメだ。

 また、戦闘でないダメージであれば《魔術師の稲妻》《ゴブリンの鎖回し》など取り揃えられたヒストリックでも爆発できそうな予感……このクリーチャーがどれだけ活躍するか、今から楽しみだ。チャンドラ・ブランドは過去にも活躍したカードが多いので、今回も期待して損はないはず!

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