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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
黒単で行こう! オボシュが貫く奇数の魅力(スタンダード)
ゴールデンウィークも自粛期間なのでしっかり家にこもっていた。時代が時代なら、やることねぇ~と猛り狂っていた可能性があるが、ありがたいことにこの2020年にはMTGアリーナがある。なのでがっつりスタンダードをプレイしていた。
今のスタンダードは個人的にかなり面白い。その最大の理由は、お気に入りのカードが見つかったことに尽きる。ひとつは《集めるもの、ウモーリ》。このカードの楽しさは以前に話したので、今日はもう1つについて語ろう。《獲物貫き、オボシュ》だ。
デッキ内のカードをすべて奇数に統一する(点数で見たマナ・コスト(CMC)が奇数の呪文と土地のみにする)ことで相棒にできるという条件、一見かなり厳しそうだが、組んでみるとこれがなかなかどうして選択肢が多くて、デッキも形になる。
そしてオボシュが出てくればCMC奇数の発生源が与えるダメージが倍に! この打点のジャンプアップはかなり破格で、これを相棒として唱えられるのは偶数のカードを捨てる価値が大いにある。
そんなわけでオボシュを使ったデッキを組むわけだが、その能力を活かすのであれば自然と攻めるデッキ、いわゆるアグロになる。
で、次に問題なのは色。オボシュは赤と黒の混成カードなので、赤黒・黒単・黒と他の色・赤単・赤と他の色……と選択肢はかなり豊富だ。ただアグロデッキで安定感を求めるのであれば、デッキの色はなるべく少ない方が良い。3色以上にすると、オボシュの{B/R}{B/R}はどうしても支払いにくくなってしまうことだろう。
望ましいのはやはり単色で、そうなると黒単か赤単。どちらも軽くて優秀なクリーチャーが揃っているので攻める色としては悪くないが……ここは好みとキャラを重視して、黒単!
今日は僕が実際に組んで遊んでいる「黒単オボシュ」を紹介しよう!
20 《沼》 4 《ロークスワイン城》 -土地(24)- 4 《どぶ骨》 4 《漆黒軍の騎士》 4 《鋸刃蠍》 4 《囁く兵団》 4 《狩り立てられた悪夢》 4 《朽ちゆくレギサウルス》 2 《夢の巣のルールス》 2 《残忍な騎士》 -クリーチャー(28)- |
4 《ドリルビット》 4 《紋章旗》 -呪文(8)- |
1 《獲物貫き、オボシュ》 -相棒(1)- 1 《残忍な騎士》 2 《夜の騎兵》 1 《虐殺少女》 3 《死の重み》 3 《魂標ランタン》 2 《ファリカの献杯》 2 《影槍》 -サイドボード(14)- |
1マナと3マナのカードのみで形成されたアグロデッキだ。計16体用意された1マナクリーチャーを最序盤からガシガシ展開する横軸で攻めるプランと、3マナ圏で最大の打撃力を誇る《朽ちゆくレギサウルス》で一点突破の縦軸プランの二段構えがこのデッキの武器だ。
どちらの場合でもオボシュはその打撃力を倍にして脅威度を大幅に引き上げる。有象無象が2点、4点と群れで叩き込んでくるか、通したら最後14点のレギサウルスか、いずれにしても対戦相手からすればイヤすぎるってなもんだから、こちらは痛快極まる。
1マナ軍団はいずれも一癖二癖あるのが素晴らしい。相討ち上等、死んでも再出撃する気満々の《どぶ骨》。プレッシャーを与えて相手に除去を強要する《漆黒軍の騎士》。オボシュがいれば死亡時に4点ダメージの《鋸刃蠍》。そしてマイフェイバリット、《囁く兵団》!
2マナのカードを採用していないこのデッキでは、2マナ余ってしまうという状況がかなりもったいない。それをしっかりと穴埋めする同名カードサーチ能力の意味は大きい。たかが1/1でもオボシュが控えているのでその打撃力は倍と考えた方が良い。そして、このオボシュデッキにおける重要パーツである《紋章旗》との相性も抜群だ。
手札を消費せずに兵団がずらずらと並ぶさまはコントロールデッキからすればかなり鬱陶しいもの。兵団を処理するために全体除去を使ってきたら改めて手札を展開する、あるいはその逆で盤面をリセットされた後に引いてきてもマナを使って一気に再構築ができるので、あらゆるケースで頼りになる縁の下の力持ちカードである。
先に触れた《紋章旗》はデッキ内のすべてのクリーチャーのパワーを1上昇させ、オボシュがおらずとも十分に決着へと持っていける打点へと引き上げる。そしてマナが出せるという点も強みで、3ターン目にこれを出せれば4ターン目オボシュで早期決着も狙える。
非クリーチャー呪文はこれと《ドリルビット》に絞っている。
相手の手札からこちらの猛攻を防ぐ可能性のある1枚を抜き去り、返しのターンでオボシュというのが必勝パターンだ。
20 《沼》 4 《ロークスワイン城》 -土地(24)- 4 《漆黒軍の騎士》 4 《鋸刃蠍》 4 《凶月の吸血鬼》 4 《囁く兵団》 4 《血の刺客》 4 《朽ちゆくレギサウルス》 2 《夢の巣のルールス》 2 《残忍な騎士》 1 《破滅を囁くもの》 -クリーチャー(29)- |
4 《紋章旗》 3 《傲慢な血王、ソリン》 -呪文(7)- |
1 《獲物貫き、オボシュ》 -相棒(1)- 2 《残忍な騎士》 2 《夜の騎兵》 1 《虐殺少女》 4 《魂標ランタン》 3 《死の重み》 2 《影槍》 -サイドボード(14)- |
先に挙げたデッキはしっかり回った時には相手を選ばずに勝利できる強さがあり、比較的安定して勝利できるので、ランク戦で使っていても楽しいデッキだ。しかしながら、そこにさらなる楽しさを求めてしまう欲深い本能に従ってちょいといじってみた結果、この吸血鬼型にたどり着いた。CMC奇数であり、かつ攻撃的なプレインズウォーカーである《傲慢な血王、ソリン》を使ってみたいと思ったのだ。
もともと《漆黒軍の騎士》という最強の吸血鬼もいるので、それほど難しい作業ではなかった。コストが軽く能力も豊富な《凶月の吸血鬼》《血の刺客》と一部カードを置き換えた。
置き換わったカードの筆頭である《狩り立てられた悪夢》は威迫がハマると強いのだが、相手に接死を与えてしまうというデメリットが響く場面もあり、ゆえに他にもいろいろと試してみたかったのだ。
実際にプレイしてみたところ、元のリストの強いところはちゃんと残っているので使用感が大きく違うということはない。《凶月の吸血鬼》の接死で相手の攻撃を食い止めたり、《血の刺客》で《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を追放したりと、器用さは増した。
そして肝心のソリンだが、吸血鬼を生け贄に捧げて3点ダメージを飛ばす能力をオボシュで倍にするのが最高に楽しい。6点はさすがに無視できない打点だ。1マナ吸血鬼を投げつけて、《夢の巣のルールス》で再利用する動きも強く楽しい。レギサウルスやオボシュに絆魂をつける使い方も悪くないぞ。
ルールスはサイドボードの《死の重み》や《魂標ランタン》を毎ターンのように使用して、対アグロデッキや対サイクリングデッキで火を噴く、サイド後のエース的な存在だ。《夜の騎兵》《虐殺少女》と併せて、ガン攻めデッキというよりはコントロールチックに動けるようにして、相手の攻撃をいなしてから一気に攻めるというプランがどちらのリストでもお気に入り。
《獲物貫き、オボシュ》は見た目もモンスター感があり、カードデザインもちょうどいい感がたまらない、素晴らしい1枚だ。相棒に困っているプレイヤーには、このヘリオン・ホラーとともに一度戦って見ることをオススメするよ。赤単や黒赤もなかなか強いみたいだし、まだまだデッキの探索はできる余地がある。いろいろと自粛してるんだから、マジック内でくらいダメージ倍で大暴れしちゃっても良いよな!
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