READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ルーツリーでコピー三昧!(モダン)

岩SHOW

 マジックの新しいカードやメカニズムを作り出す開発部。その主席デザイナーは《マロー》ことマーク・ローズウォーター/Mark Rosewater。マジックの新商品発売前には彼の記事やSNSに注目が集まるのが風物詩だ。

 『イコリア:巨獣の棲処』リリース前に、マローはこのセットに含まれるクリーチャータイプを公表した、これまでに見たことがないタイプの組み合わせが注目を集めたが、とりわけ目を引いたのは「エレメンタル・カワウソ」だった。

 か、カワウソ! マジックにはこれまでイタチはいたのだが、カワウソは『イコリア』が初出となる。カワウソといえばイタチ科カワウソ亜科の動物の相称で、水辺の生活に適応した肉食の哺乳類である。泳ぐのに適したつるんとしたフォルムや水かきが特徴で、特にコツメカワウソは非常に愛くるしいので動物園でも人気、カワイイという認識の強い動物だ。

 ただ、アマゾン川に生息するオオカワウソなんかはまるで人間の子どもの笑い声のような鳴き声を響かせながら集団でワニを狩るハンターだったりしてなかなかに恐ろしい。マジックの世界にカワウソってことは、こっちのビジュアルで来る可能性もあるよなぁ……なんて考えていたのだが、結果的には一般的なカワウソのルックスのカードが出てきて、まあそりゃそうだなと。

 それはさておき、3種類のカワウソカードの中でも《呪文追い、ルーツリー》はタイプもさることながら、最初に紹介された相棒カードの1つだったので大いに注目された。

 このカワウソを相棒にする条件は、土地以外のカードが1枚挿しのデッキを作るということ。なんだかまんま統率者戦のような縛りではあるが、統率者戦以外のフォーマットでそんなデッキを組むという経験はほとんどのプレイヤーがしたことがないのではないかな。デッキを作る楽しみにあふれていることは確かだ。

 ルーツリー自体の能力はインスタントかソーサリーをコピーするものであり、青と赤というカラーリングならばそれらのタイプで強力なカードが揃っている。

 今日はモダンのルーツリーデッキを紹介するとしよう。このデッキがコピーするものは堅実なものからでっかい夢まで盛りだくさんだ!

thepensword - 「イゼット・ルーツリー」
Magic Online Modern League 5勝0敗 / モダン (2020年4月27日)[MO] [ARENA]
6 《
1 《
4 《蒸気孔
4 《沸騰する小湖
4 《溢れかえる岸辺
3 《神秘の聖域
1 《さまよう噴気孔

-土地(23)-

1 《瞬唱の魔道士
1 《砕骨の巨人
1 《厚かましい借り手
1 《さまよう怪物、イダーロ

-クリーチャー(4)-
1 《祖先の幻視
1 《稲妻
1 《噴出の稲妻
1 《二股の稲妻
1 《選択
1 《手練
1 《血清の幻視
1 《呪文嵌め
1 《削剥
1 《火の予言
1 《マグマの噴流
1 《マナ漏出
1 《差し戻し
1 《剥奪
1 《イゼットの魔除け
1 《否定の力
1 《大魔導師の魔除け
1 《疲労困憊
1 《血染めの月
1 《電解
1 《嘘か真か
1 《ヒエログリフの輝き
1 《謎めいた命令
1 《時間のねじれ
1 《マグマの陥没孔
1 《永劫での歩み
1 《論理の結び目
1 《覆いを割く者、ナーセット
1 《崇高な工匠、サヒーリ
1 《王家の跡継ぎ
1 《反逆の先導者、チャンドラ
1 《精神を刻む者、ジェイス
1 《イゼット副長、ラル

-呪文(33)-
1 《呪文追い、ルーツリー

-相棒(1)-

1 《月の大魔術師
1 《ザルファーの魔道士、テフェリー
1 《トーモッドの墓所
1 《墓掘りの檻
1 《大祖始の遺産
1 《魂標ランタン
1 《霊気の疾風
1 《ドラゴンの爪
1 《丸焼き
1 《神々の憤怒
1 《コジレックの帰還
1 《神秘の論争
1 《夢を引き裂く者、アショク
1 《目覚めた猛火、チャンドラ

-サイドボード(14)-

 

 青と赤のインスタント&ソーサリーデッキってことで、ドローに打ち消しに火力(除去)にと、イメージ通りのカードで基本的にはコントロールデッキとして立ち回る。相手が出すクリーチャーは除去して、ヤバいカードは打ち消して、減った手札をドローで補充。これらを《瞬唱の魔道士》でおかわりしたり、《神秘の聖域》でライブラリーの上に置くことで、1枚制限ではあっても同じカードを何度か使用することは可能だ。

 その過程でルーツリーを上手く使っていこう。《祖先の幻視》をコピーすると6枚ドロー! こいつぁ笑いが止まりませんなぁ。

 6枚ドローでも十分なんだが、さらに無茶苦茶できるのは追加ターンをコピーするという大技。《時間のねじれ》《永劫での歩み》が解決される前にコピーして、追加2ターン!からの瞬唱 or 《神秘の聖域》でさらにおかわりなんてことになれば……対戦相手はこれはたまらんと投了することだろう。

 《疲労困憊》も相手の土地とクリーチャーをアンタップ不可にするという、実質追加ターンとして使える呪文なので、これらを駆使して対戦相手を行動不能に陥らせよう。

 相手が行動不能のうちに各種プレインズウォーカーの忠誠度を貯めて、圧倒的な状況を作り上げて勝つべし!

 すべてのカードが1枚挿しのデッキにとって、《イゼットの魔除け》のようなモード選択呪文の存在はありがたい。

 状況によって最適なモードで唱えて、少々歪な構成になっているデッキを円滑に動かそう。ただいつも以上にどのモードで使うかというのは難しくなっているかもしれない。

 特に《謎めいた命令》は超強力であるだけに大事に運用したい。いつも以上にパーマネント1枚をオーナーの手札に戻すモードの価値は高まっている。ルーツリーを手札に戻すことでさらなるバリューへと繋がるからだ。

 また、サイドボードを作ることもいつも以上に難しいはずだ。このリストでは墓地対策を計5種類のカードで担っている。いつものように何かを4枚で安定ってなわけにはいかないので、これまで選択肢から除外されていたようなカードにも目を向ける必要がある。

 個人的にはいろんなカードにスポットライトが当たるチャンスなので、この傾向は嬉しい限り。他にもまだまだコピーして楽しい、強いカードは各フォーマットに存在するので、各々でルーツリーの愛嬌とパワーを体感してほしい。呪文のコピーは幸せに直結!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索