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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
初めての80枚デッキ、組んでみる?(スタンダード)
80枚デッキって組んだこと、ある?
僕も長いことマジックをやっているけれども、そんな枚数のデッキを組んだことはないし、組んでいる人を見たこともない。基本は60枚、トーナメントで活躍したデッキなら過去には61とか63、あるいはもっとぶっ飛んで245枚とかは見たことがある(そう、《機知の戦い》デッキだ)。
でも80枚デッキってのは一体どんなものなのか、見当もつかない。そんな枚数のデッキが、まさか主流になってくるなんてね……《空を放浪するもの、ヨーリオン》の登場は構築の根底にあった「デッキは60枚にまとめる」という概念をひっくり返すものかもしれない。
これを相棒にする条件こそ、デッキの最低枚数+20枚のデッキを用意することであり、構築では80枚がそれにあたる。本来の60枚よりもバランスをとるのが難しい分、5マナ4/5飛行をサイドボードからいつでも唱えられるという恩恵を享受できる。
しかもヨーリオンは航空戦力として頼もしいだけでなく、自分のパーマネントを好きなだけ追放してターン終了時にそれらを出し直せる、通称ブリンク能力の最上級と言えるものを持っている。これでパーマネントが戦場に出た時に誘発する能力をまとめて再利用し、莫大なアドバンテージを得ようというわけである。
使いこなせれば得られるものは計り知れないが、プレイヤーに80枚という未知なる体験を要求するこの伝説の鳥・海蛇、君はもうデッキを組んだだろうか? まだの人は、成功例と言えるリストから学び取ろう!
2 《森》 1 《平地》 3 《島》 4 《寺院の庭》 4 《豊潤の神殿》 4 《繁殖池》 4 《神秘の神殿》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 2 《ヴァントレス城》 4 《寓話の小道》 -土地(36)- 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 3 《裏切りの工作員》 -クリーチャー(7)- |
4 《成長のらせん》 4 《海の神のお告げ》 2 《霊気の疾風》 4 《中和》 3 《神秘の論争》 2 《空の粉砕》 4 《エルズペス、死に打ち勝つ》 4 《サメ台風》 4 《時を解す者、テフェリー》 3 《覆いを割く者、ナーセット》 3 《伝承の収集者、タミヨウ》 -呪文(37)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》 -相棒(1)- 1 《狼の友、トルシミール》 3 《ガラスの棺》 3 《萎れ》 2 《霊気の疾風》 2 《ドビンの拒否権》 1 《神秘の論争》 2 《空の粉砕》 -サイドボード(14)- |
ここ半年ほどのスタンダードでも常に強デッキとして存在し続けた「バント・ランプ」。《成長のらせん》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》などで使えるマナを増やし、《エルズペス、死に打ち勝つ》などで相手のパーマネントに対処し、最後はプレインズウォーカーかウーロ脱出で制圧するデッキだ。
このデッキはカラーリング的にもヨーリオンを無理なく相棒に据えられる。各種ドローにも恵まれているので、80枚デッキにおいても目当てのカードにたどり着きやすい。
デッキとしてはヨーリオンで爆発的なアドバンテージを稼ぎ出す!というのを強引に狙いに行くというよりは、ランプとして自分の盤面に土地を投下しつつ相手の強いアクションに対応していき、好機とあればヨーリオンで相手と差をつけるという戦術を狙っている。
《裏切りの工作員》《エルズペス、死に打ち勝つ》とヨーリオンで出し直すことで派手なカードもあるが、《海の神のお告げ》で占術ドローしたり、プレインズウォーカーを出し直して忠誠度を回復させるだけでも十分に有利を得られるので、あまり無理はしないというスタイルだ。
ヨーリオン以外にも《サメ台風》がフィニッシャーとして非常に強力で、序盤にサイクリングで使ったこれを《伝承の収集者、タミヨウ》で拾う動きは特筆もの。
1 《沼》 5 《森》 3 《島》 4 《草むした墓》 3 《疾病の神殿》 3 《湿った墓》 4 《繁殖池》 4 《神秘の神殿》 4 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《ロークスワイン城》 1 《ヴァントレス城》 4 《寓話の小道》 -土地(37)- 4 《金のガチョウ》 4 《悪魔の職工》 4 《枝葉族のドルイド》 4 《発現する浅瀬》 3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 2 《深海住まいのタッサ》 1 《半真実の神託者、アトリス》 1 《ゴルガリの拾売人》 1 《灯の分身》 1 《意地悪な狼》 3 《茨の騎兵》 2 《冒涜されたもの、ヤロク》 1 《巨大猿、コグラ》 3 《裏切りの工作員》 -クリーチャー(34)- |
4 《成長のらせん》 2 《暗殺者の戦利品》 1 《神秘の論争》 2 《怪物の代言者、ビビアン》 -呪文(9)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》 -相棒(1)- 1 《打ち壊すブロントドン》 4 《墓掘りの檻》 2 《暗殺者の戦利品》 2 《軍団の最期》 3 《神秘の論争》 2 《肉儀場の叫び》 -サイドボード(14)- |
こちらはヨーリオンでクリーチャーを出し入れして無茶苦茶するぞ!と野心にあふれた「スゥルタイ・エレメンタル」。エレメンタルが戦場に出るたびに土地か手札をもたらす《発現する浅瀬》を中心に、戦場に出るだけで一仕事こなすクリーチャーを山盛り投入。
エレメンタルとくれば《乱動の座、オムナス》を用いたティムール・カラーも思いつくが、このリストでは《冒涜されたもの、ヤロク》によりヨーリオンの追放から帰ってきたクリーチャーの能力を倍楽しもうという、欲張りな構成だ。
ヨーリオンだけでなく《深海住まいのタッサ》も用いてクリーチャーを出し入れし、毎ターン楽しい思いができるようになっている。
80枚デッキで引きにくくなったクリーチャーは《悪魔の職工》でライブラリーからサーチすれば良いというスタイルは他のデッキにも応用できそうだ。《巨大猿、コグラ》が格闘連戦を挑みだしたら盤面の支配は目の前だ。
《空を放浪するもの、ヨーリオン》はかつてないマジック体験をもたらしてくれるが、もしかしたらこの80枚構築が今後は定番になったりするかもしれない。そう思わせるのは、スタンダードのみならず他のフォーマットでも新しいデッキを生み出しているからだ。
というわけで次回は、スタンダード以外のフォーマットにも飛来したヨーリオン・デッキの姿を追うとしよう。
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