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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

マーフォーク(ヒストリック)

岩SHOW

 健康第一、今はそういう時代だね。年を重ねるにつれその思いが増していった。

 若い時よりも代謝が落ちているので、運動しなきゃならない。運動しだすと身体が軽くなって気分が良い。運動をし出すと、次は食べるものにも気を遣うようになってくる。この時代、調べると簡単に知識を得ることができるのは良いことだね。脂肪は身体に悪いと思われがちだが、その種類によって大きく異なってくる。オメガ3脂肪酸には血管をしなやかにし、拡張させる働きがあるという。これにより血流が良くなり、中性脂肪が全身に運ばれるようになるので血中濃度が下がるなどの恩恵を受けられると考えられている。そんなわけで脂肪を摂取するならオメガ3脂肪酸! これは魚に含まれている、さあ魚を食べよう!

 寿司、刺身など、日本は魚を多く食べる傾向にあったのだが、近年では肉の方をより多く食べるようになり、その消費は逆転しているのだという。今日から一品、肉から魚に置き換える……そのひと工夫で、少し健康に近づくかもしれない。各々で自分に合った健康的な食事のスタイルを確立してほしいね。

 そんなわけで、マジックでもお魚を使ってみよう。滑らかに動くその様は、おそらく血流にも良い影響を与えてくれるはずだ。マーフォークは割と恵まれている種族で、《アトランティスの王》など部族支援カードが多数存在する。少し前のスタンダードでも『イクサラン』ブロックの青と緑のマーフォークたちが活躍するデッキがあったものである。

 もうスタンダード落ちしてしまったそれらのカードを使って、MTGアリーナの独自フォーマットであるヒストリックで遊んでみるのはどうだろう。特別な再録カードとして、お魚デッキを強化する1枚もあるぞ。そんなわけで、サンプルリストはこちらだ。

「マーフォーク」サンプルデッキ
ヒストリック (2020年3月)[MO] [ARENA]
6 《
4 《
4 《繁殖池
4 《内陸の湾港
4 《手付かずの領土

-土地(22)-

4 《水底の生術師
4 《クメーナの語り部
4 《霧まといの川守り
4 《深根の精鋭
4 《マーフォークの霧縛り
4 《マーフォークのスカイダイバー
4 《銀エラの達人
2 《マーフォークのペテン師
4 《オラーズカの暴君、クメーナ
4 《メロウの騎兵

-クリーチャー(38)-

-呪文(0)-
2 《呪文貫き
4 《霊気の疾風
2 《軽蔑的な一撃
2 《自然への回帰
3 《神秘の論争
2 《深根の水域

-サイドボード(15)-
mtggoldfish より引用)

 

 自分以外のマーフォークに+1/+1修整を与える《マーフォークの霧縛り》に加え、アンソロジー枠で《メロウの騎兵》が参入したことにより、強化役、いわゆる「ロード」8枚体制のデッキ構築が可能となった。1枚1枚は線が細くとも、これだけロードがいればライフに十分なプレッシャーをかけることができる。

 マーフォークが出てくるたびに+1/+1カウンターを好きなところに置ける《深根の精鋭》、すべてのマーフォークに同カウンターを乗せる《オラーズカの暴君、クメーナ》、そしてそれらのカウンターの数を増殖させる《マーフォークのスカイダイバー》と、打点を弾き出すのはお手の物だ。

 1マナ圏に12枚も詰め込んで、1ターン目から延々とクリーチャーを横並び展開、それらをマーフォーク・シナジーで強化して殴る! シンプルだが、だからこそ強い戦略である。

 マーフォークの強みは、ただ横に並ぶのではなくその攻撃をねじ込む手段の多さにもある。《マーフォークのスカイダイバー》はその名の通り飛行、《霧まといの川守り》とマーフォークを1体タップした《オラーズカの暴君、クメーナ》はブロックされない、と回避能力に長けている。これらを前述の強化スタッフでガッチリ育てて、ブロッカーをすり抜けて殴り倒そう。

 また、青らしく相手のクリーチャーをタップするという手もある。ブロックに参加できなくさせたり、相手のターンにタップさせて攻撃も防いだりとトリッキーな動きだ。《マーフォークのペテン師》はコストも軽く、タップのついでに能力も失わせるのが実にいやらしい。《土を食うもの》のようなタフネスを能力に依存しているクリーチャーは除去することも可能だ。

 このペテン師は単体でも強いが、《メロウの騎兵》が絡むともう大変だ。騎兵はマーフォーク・呪文を唱えた際にパーマネントを1枚タップさせる能力を持っている。マーフォークを唱えて盤面を形成しつつ相手のクリーチャーをタップしてドコドコ殴っていく、プレッシャーの化身である。ペテン師は瞬速で相手のターンにも唱えられるので、対戦相手のアップキープにペテン師でクリーチャーをタップしつつ、騎兵で土地を1枚タップしてプランを狂わせる……などという、かなりネットリとした攻めも可能だ。このジメジメした感じは魚人ならではだな。

 《銀エラの達人》《オラーズカの暴君、クメーナ》で展開と手札補充を同時に行えて、サイドボードには『イクサラン』時代にはなかった《霊気の疾風》《神秘の論争》と軽くて強い色対策が揃っており、ヒストリックでもかなり実力派のデッキである。

 スイスイと泳ぐように攻めるのが脳に良いことは言わずともわかるだろう。魚を食べ、魚デッキを回し、心身ともに健康に過ごす。今の時代求められているのは、こういうことなんだな~。

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