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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ラザーヴ、死に飢える(モダン)
前回触れたように、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はとりあえず感覚で使えばその強さが実感できるパワフルな1枚だ。
一方で、彼(性別はわからないけどれも)の相方とも言える、同じ脱出能力を持った巨人である《死の飢えのタイタン、クロクサ》は……使うのが難しいようで、スタンダードでは目立った活躍ができていないのが現状だ。
ウーロと水をあけられてしまっているクロクサ。しかし彼(?)の能力自体も強力なもので、手札を捨てさせつつ場合によってはライフも奪う、破滅的なものになっている。そして何より、コストが軽い。2マナという軽さはウーロにだって勝っている点だ。このコストの軽さを活かして何かしようと狙っているプレイヤーだって少なくないだろう。
マニアックなプレイヤーたちは《万面相、ラザーヴ》を用いることを考えている。
ラザーヴでコピーする時の支払いがたったの2マナで済むので、簡単にラザーヴをクロクサ化させて殴り、能力を誘発させて相手のリソースをもぎ取ることが可能なのだ。ラザーヴはコピーになっても名前がそのままなので、クロクサを脱出させて並び立ち、ダブルクロクサで攻めていくことも可能なのも嬉しいし夢がある。
ただ、ラザーヴとクロクサを用いたデッキがスタンダードで目立った活躍は……冒頭で触れたように、まだ見られない。こういう時は視野を広げてみよう。何もスタンダードに固執する必要はないのだ。カードプールが拡がれば、この動きをサポートする手段だって増えてくるはずだ。
モダンのデッキリスト集を眺めていると……見つけたぞ、Magic Onlineのリーグ戦で全勝したリストが! 死の飢えをもたらす、恐るべきデッキの全容を今明かそう。
1 《冠雪の島》 1 《冠雪の沼》 1 《冠雪の山》 1 《冠雪の森》 2 《湿った墓》 1 《蒸気孔》 1 《血の墓所》 2 《草むした墓》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 2 《新緑の地下墓地》 3 《樹木茂る山麓》 -土地(22)- 4 《万面相、ラザーヴ》 4 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 2 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 -クリーチャー(10)- |
4 《アーカムの天測儀》 4 《致命的な一押し》 3 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 4 《思考掃き》 2 《頑固な否認》 4 《むかしむかし》 1 《暗殺者の戦利品》 1 《コラガンの命令》 2 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(28)- |
2 《夏の帳》 1 《稲妻の斧》 1 《頑固な否認》 2 《古えの遺恨》 1 《減衰球》 2 《神秘の論争》 1 《漂流自我》 4 《虚空の力線》 1 《夢を引き裂く者、アショク》 -サイドボード(15)- |
手札破壊と除去で相手をコントロールし、タイタンたちが墓地にいる状況でラザーヴを繰り出して変化させ、殴ってアドバンテージを得て勝負を決める。一見複雑そうに見えるが、やること自体はシンプルだ。
スタンダードにはない《コジレックの審問》《思考囲い》のおかげでラザーヴの安全確認が容易である点がこれぞモダンのデッキというところ。キーカードであるラザーヴを《むかしむかし》で手に入れやすいのも流石モダンのデッキだぜと。
タイタンたちを墓地に落とすにはそのまま唱えて自身の能力で生け贄に捧げる他に、《思考掃き》でライブラリーから落としたり、《ヴェールのリリアナ》で捨てたりといった引き出しもある。
また、これはタイタン本体ではなく他のカードを墓地に落としてその脱出コストにするための手段でもある。《汚染された三角州》などの起動のために生け贄に捧げる土地、通称フェッチランドが計11枚も採用されているのも、この脱出の後押しとなってくれるはずだ。
これでラザーヴでコピーするだけに依存せず、普通に脱出させて勝つプランでもしっかりと動くことができる。
《ヴェールのリリアナ》とクロクサが共存するようになれば、もはや手札を構えるというアクションは完全に封じられたようなもの。クロクサのライフ3点損失もゴリゴリと叩き込めるようになり、あっという間にゲームを終わらせられるはずだ。
デッキ的には手札を攻めるのがテーマなのでクロクサを優先しているが、ゲーム展開によってはウーロに化けた方が強い場面もあるだろう。ラザーヴをこの2種のタイタンに切り替えるのも、元のコストが2マナ、3マナと軽いため問題なし。ダブルウーロの6点回復はバーンのようなデッキにとっては悶絶ものだ。
使っていて楽しいデッキに違いないので、クロクサを活躍させてあげたい思いが強いプレイヤーはモダンでやってみるのが良いかもしれない。また、カードが一部置き換わるがパイオニアに応用してみるとか、そうやっていろいろ考えると、スタンダードで活躍する形が見えてくるかもしれないね。
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