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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
星原コントロール(パイオニア)
ニクス……テーロスを語る上では重要なものである。
ニクスとは星々の世界。闇の中に星がきらめく、夜空のことであり、この次元の神は皆、このニクスから生まれたとされる。神がこの故郷より出でて定命の者の前に現す姿にはこのニクスが沁み込んでおり、ゆえに神の身体に影ができる際には、そこには星が光り輝くニクスが広がっている。
クリーチャー・エンチャントとして表現される「ニクス生まれ」と呼ばれる者たちも、同じくその身体に星のきらめきが現れ、彼らがニクスより神の使いとしてやってきたことが見て取れる。
この神々が住まう星々の世界を表現した1枚こそ《ニクスの星原》だ。
毎ターン、墓地からエンチャントを戦場へと戻す。それだけでもカードとしては十分に強く、これでヘビー級のエンチャントをコストを踏み倒すのはなかなかロマンがある。
さらにコントロールしているエンチャントの数が5個以上になれば、エンチャントはいずれもクリーチャーと化して戦闘可能となる。神の意志が地上に顕現するというフレイバー性に富んでいながら、エンチャントを使ったパワフルなデッキが組みたくなる、実に魅力的な1枚だ。
今日はこのカードを用いたパイオニアのデッキを紹介しよう!
6 《平地》 3 《沼》 4 《神無き祭殿》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《乱脈な気孔》 2 《ロークスワイン城》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(24)- -クリーチャー(0)- |
4 《思考囲い》 3 《最後の支払い》 4 《メレティス誕生》 4 《野望の試練》 4 《ベナリア史》 4 《裏切る恵み》 3 《ケイヤの誓い》 4 《予言された壊滅》 4 《ケイヤの怒り》 2 《ニクスの星原》 -呪文(36)- |
2 《群れネズミ》 2 《耳の痛い静寂》 2 《存在の破棄》 3 《失われた遺産》 4 《虚空の力線》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード(15)- |
《ニクスの星原》を強く使うのであれば、戦場に出た時に何かをするエンチャントを用いると良い。《ケイヤの誓い》《野望の試練》と除去能力を持ったものを戻せば、こちらはカードが1枚増えて相手は減る、アドバンテージを得ているってわけだ。
あるいは同じく戦場に出ただけで仕事をして、時間が経てば自動的に墓地に落ちる「英雄譚」はすこぶる相性が良い。《ベナリア史》が定期的に出てくるだけで対戦相手は悲鳴を上げそうなものだ。
しかしながら、それらのエンチャントをもっともっと活かすのであれば、エンチャントを能動的に墓地に送る手段があった方が良い。というわけで《予言された壊滅》の出番だ。
これの維持のためにエンチャントを捧げて星原で戻すということを繰り返すだけで、相手とパーマネント数の差が恐ろしいほどに開いていくだろう。壊滅自身も相手が生け贄に捧げるパーマネントが無くなれば墓地に落ちるので、星原で拾っていつまでも地獄を味わってもらう……と、一部のプレイヤーには心底愛されそうな良い性格をしているデッキである。
《ケイヤの怒り》や《最後の支払い》も使ってクリーチャー除去は豊富であり、常に相手の戦場をクリーンなものに維持し続けられるだろう。こういうデッキをボード(盤面)コントロールと呼ぶ。
このリストは極端にボードにシフトした形になっているので、クリーチャーを展開せずに戦うデッキ相手には無駄なドローが多くなってしまう。ただそのリスクを背負ってでも、ここまで徹底すればアグロデッキ相手にはかなり有利なゲームを展開できる。どれだけ詰められようとも《予言された壊滅》《メレティス誕生》《ケイヤの誓い》を星原で回していればライフは回復し、危険域から逃げ切ることができる。
ボードを掌握した後は、星原でエンチャントをクリーチャーにしたり、壊滅と《ベナリア史》から出た騎士を《ベナリア史》のⅢ章能力で強化したりでサクッとゲームを終わらせるので、無駄にゲームが長引いて反撃の機を与えない点もGood。
ただただ真面目に除去とクリーチャーで1:1交換を続けているだけでは手札が尽きてしまうというもの。そこで《裏切る恵み》で3枚引いて補充する。
このエンチャントは以後呪文を唱えるごとにライフが減るというなかなかに重いデメリットを有しているが、《予言された壊滅》や《最後の支払い》で生け贄に捧げることでいつまでも居座らないように処理できる点がナイス。落としてから星原で拾って3枚ドロー、なんて決まればもうそれで相手の心は折れてしまいそうだ。《裏切る恵み》+《予言された壊滅》のシナジーを活かしたデッキはスタンダードでも見られるので、そちらでもぜひお試しあれ。
《ニクスの星原》は、青も足して《屋敷の踊り》と併せて、よりエンチャントの再利用とクリーチャー化させての圧殺を狙ったリストでも使用されている。エンチャントはクリーチャーに次いで処理されやすいパーマネントであるため、比較的強いカードが多いタイプである。今後も強力なエンチャントが増えるたびに、それを墓地から拾ってクリーチャー化しようと試みるデッキがパイオニアに現れ続けることだろう。
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