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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
青白コントロール:至高のフィニッシャー夢さらい(スタンダード)
フィニッシャーとはゲームを終わらせる役目を与えられたカードのことである。
前回は《アスフォデルの灰色商人》という究極のフィニッシャーを用いるデッキを紹介した。一撃でドカンとライフを吸収する、これぞフィニッシャーという説得力がある灰色商人。『テーロス還魂記』が送り込んだ刺客の中ではこれが最強のフィニッシャーなのだろうか?
いや、まだまだ他にもゲームを終わらせるのに適したカードはいる! 灰色商人が究極であれば、相対する至高とも呼べる存在がいる。《夢さらい》だ。
6マナ3/5飛行と、この額面だけで見れば打点は高くはない。しかしながら《夢さらい》はカードを引くたびにパワーを1上昇させる。毎ターンの通常ドローでパワーが4になり、そしてさらに攻撃時にもカードを1枚引けるので実質パワーは5。そして絆魂も持っているので、相手のライフを詰めながらこちらの延命も兼ねる。一撃で大量に吸う灰色商人と違って、こちらは確実に吸っていくスマートなやり方で勝負だ。しかも手札を捨てれば呪禁まで得ることができるなんて、もう能力てんこ盛り。
打点が高く攻防を同時に行い、そして死ににくい。う~む、これぞ至高のフィニッシャー……今日は《夢さらい》でゲームに勝つスタンダードのデッキを紹介だ!
9 《島》 6 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 2 《アーデンベイル城》 1 《スコフォスの迷宮》 -土地(26)- 2 《夢さらい》 -クリーチャー(2)- |
4 《海の神のお告げ》 4 《メレティス誕生》 1 《ドビンの拒否権》 4 《意味の渇望》 4 《吸収》 4 《払拭の光》 4 《空の粉砕》 2 《タッサの介入》 1 《ヘリオッドの介入》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(32)- |
3 《霊気の疾風》 2 《ドビンの拒否権》 2 《魔術遠眼鏡》 1 《旋風のごとき否定》 2 《エルズペス、死に打ち勝つ》 1 《ヘリオッドの介入》 2 《覆いを割く者、ナーセット》 2 《太陽の宿敵、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
青白2色のコントロールデッキだ。
《夢さらい》以外にも『テーロス還魂記』にはコントロール向けのカードが取り揃えられている。やはり最もインパクトがあるのは《空の粉砕》だろう。
《ケイヤの怒り》や《時の一掃》など、すべてのクリーチャーを破壊する呪文はスタンダードにすでにあったが、4マナで単色のものとなると久々の登場になる。《神の怒り》の正統な後継と言って良いだろう。相手にパワー4以上のクリーチャーがいれば1枚ドローされてしまうという欠点があるが、それでも1枚のみであれば他のクリーチャーを巻き込んでいれば損はしない。4ターン目にいったん盤面を流して、後に7ターン目なんかにもう一発ぶっ放して《吸収》を構える……これは至高のムーブだな。
コントロールにとって大事なのはドローだ。《夢さらい》が殴り出せば問題はないが、それに至るまでに繋ぐための打ち消しや除去を手に入れるためにドロー呪文を用いる必要がある。《意味の渇望》はまさしくおあつらえ向き。
このデッキにはエンチャントが12枚採用されているので、それらを捨てれば3マナで手札が増えるインスタントになる。エンチャントを捨てなくとも、手札の内容をより良いものに入れ替えることが出来る。3マナで打ち消しを構えつつ、何もなければこちらを唱えて手札を整えてという動きはこれぞコントロール。コストは重くなるが、エンチャントにこだわらずとも使いやすい《薬術師の眼識》との併用も各自調整してトライしてみよう。
手札が増えるわけではないが、序盤は適当にドローして終盤には浮いたマナで占術ができる、《海の神のお告げ》もかゆい所に手が届く良い呪文だ。
還魂記がもたらしたものにはもう1つ、マナ基盤の安定がある。青白愛好家待望の《啓蒙の神殿》が登場だ。
占術2色土地はこの手のコントロールデッキでは躊躇することなく4枚積んでその恩恵を受けることができる。
さらに《メレティス誕生》は見た目よりも随分強い。
《平地》を持ってくることでしっかりと土地を置けるようにしてくれる英雄譚だ。コントロール・デッキは毎ターンしっかりと土地を置き、マナを使ってカードにアクセスし、それを唱えてナンボである。たかが《平地》1枚と侮るなかれ、この恩恵を受けると認識が改まることだろう。0/4の壁に2点回復と、実質6点分のライフを護ってくれるのもコントロールとしては嬉しいのである。今さら《平地》や壁は不要という状況になれば《意味の渇望》で捨ててしまおう。
タッサとヘリオッド、それぞれの介入呪文も状況によってモードを切り替えて使用可能でコントロール向けだ。
相手の攻め手を妨害し、こちらの敗北を遠ざける。《夢さらい》を出したら……あとは勝利へ一直線。このデッキ、使っても使われても長期戦になることは必至なので、お互いプレイ速度には気を付けながら対戦を行いたいね。コントロールを相手にする時にはゲームがまだ覆せるのか否か、投了のタイミングを見定めるのが大切だ。
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