READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

Niv-Doom(スタンダード)

岩SHOW

 皆は好きな英単語ってあるかい? 字面や語感が気持ちいい、それが意味するものがカッコイイ、そういった理由から自分の中でなんか好きな英単語ってあると思う……あるよな? 僕はいくつかあるけど、特に好きなのは……

DOOM

 いやぁ、ドゥームってかっこいいよねドゥーム。日本語にはなかなかないタイプの語感が異国の言葉っぽさが高くて良い。その意味するところも、基本的に悪いことであるのがまた素晴らしい。(良くない)運命、破滅、死……はたまた、神の手によって下される最後の審判。どうです、DOOMって良いでしょう?

 音楽ジャンルの1つに「ドゥームメタル」というものがある。バリバリのヘヴィメタルと違って、どっしりとした重さでただただ暗い終末を歌うものでこれらもカッコイイ。要するにこの世の終わりをたった4文字で、ドゥームという一息に言える言葉に込めているのである。

 マジックにももちろん、ドゥームを名に冠するカードがいくつかある。どれもこれも破滅をもたらす楽しいもので、スタンダードにも《予言された壊滅》という強力なエンチャントが存在する。

 英名は《Doom Foretold》、かっこええのう。このエンチャントは相性の良い《屋敷の踊り》と組み合わせてエスパーカラー(白青黒)でデッキを組まれることが多い。だが、もちろんそれだけしか選択肢がないってわけじゃない。重くどっしりと対戦相手を締め上げ終末へ向かう、《予言された壊滅》を用いたアプローチを紹介しよう。

Fulgence - 「Niv-Doom」
Magic Online Standard League 5勝0敗 / スタンダード (2019年11月27日)[MO] [ARENA]
1 《平地
1 《
1 《
1 《
1 《
3 《神無き祭殿
1 《静寂の神殿
1 《凱旋の神殿
2 《寺院の庭
1 《湿った墓
2 《繁殖池
1 《天啓の神殿
2 《血の墓所
2 《草むした墓
1 《疾病の神殿
2 《踏み鳴らされる地
4 《寓話の小道
-土地(27)-

3 《ニヴ=ミゼット再誕
1 《荒廃ワーム
1 《ハイドロイド混成体
-クリーチャー(5)-
4 《都市の楽園
3 《黄金の卵
1 《ギルド球
1 《裁きの一撃
1 《思考消去
1 《暴君の嘲笑
1 《アングラスの暴力
4 《轟音のクラリオン
3 《ケイヤの誓い
1 《屋敷の踊り
4 《予言された壊滅
2 《死の芽吹き
2 《時を解す者、テフェリー
-呪文(28)-
2 《樹上の草食獣
2 《秋の騎士
1 《狼の友、トルシミール
2 《ハイドロイド混成体
2 《害悪な掌握
2 《思考消去
1 《アングラスの暴力
1 《湖での水難
1 《時を解す者、テフェリー
1 《伝承の収集者、タミヨウ
-サイドボード(15)-
 

 出ました《ニヴ=ミゼット再誕》、今スタンダードで使い得と言っても良いこの5色ドラゴンがまたまた登場だ。

 2色のカードをキーにするデッキを組む際、それを確実に手に入れるための手段としてライブラリーを上から10枚掘れるこのニヴに白羽の矢が立つのはお約束となっている。まあその分、5色のこのドラゴンを唱えるための工夫が必要になってくる。多くのデッキは《創案の火》でコストの支払いを踏み倒すという手法を取るのだが……このデッキはその点がスマートだ。ちゃんと《予言された壊滅》にフィットしたものになっている。

 《予言された壊滅》は各プレイヤーのアップキープにトークンと土地以外のパーマネントの生け贄を要求してくる。これで対戦相手のクリーチャーやプレインズウォーカーなどのパーマネントを削いでいくわけだが、問題は自分のターンにも生け贄が要求される点。維持するためにはこちらも何か生け贄用にパーマネントを用意しておかなければならないのだ。

 《屋敷の踊り》デッキでは《黄金の卵》《ギルド球》などドロー付きのアーティファクトを用いることで損することなく壊滅を維持する。

 このデッキもそれに倣っているが、ニヴを唱えるためによりマナ基盤を強くするように《都市の楽園》も採用している。

 卵などと違って生け贄に捧げずとも好きな色マナが出せる点がこのデッキにおいては光ってくる。多数の2色土地とこのエンチャントでマナ基盤を整えて《轟音のクラリオン》や《ケイヤの誓い》などで盤面をコントロールし、《予言された壊滅》で蓋をする。相手に生け贄に捧げるパーマネントがなければ手札を1枚捨て2点のライフを失い、こちらは《予言された壊滅》がなくなるものの1枚ドローして2点回復し2/2の騎士を得る。徹底的にアドバンテージ格差をつけて、相手の心を折って勝利しよう。

 しかしまあ、《ニヴ=ミゼット再誕》は夢があるとともに確かなアドバンテージをもたらす、デッキビルダーのための1枚と言えるね。今後ともスタンダードで新しい2色のカードが出てくるたびにこのドラゴンの出番がやってくるのだろう。最強ニヴデッキ決定戦とかやっても面白いかもしれないな。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索