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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
原野ランプ~約束の刻~(パイオニア)
僕はデカいクリーチャー1匹で戦場をグチャッと踏み潰すのが好きだ。
ここ数年で言えば、《龍王アタルカ》なんかは唱え甲斐のある巨体だった。ダメージばら撒き能力で盤面を掃除しつつ、2回ほど殴れば勝負が終わるサイズに酔いしれたものである。《絶え間ない飢餓、ウラモグ》も相手の主戦力を追放しつつ、ゲームエンドまで時間のかからないすげーやつだったなぁ。
《約束された終末、エムラクール》は対戦相手をけちょんけちょんにできるという点では最上級に楽しいクリーチャーだった。現スタンダードでいえば《ハイドロイド混成体》も最高だな、唱えただけで得をして、生き延びればライフをモリモリと削る姿はまさしくモンスター。
これらのビッグガイどもをまとめて運用できるデッキがパイオニアにはあるという。デカブツ好きとして、これはリサーチせねばなるまい。
そのデッキのとる戦略は「ランプ」とか「ビッグマナ」と呼ばれ、そのままデッキ名にもなっている。現スタンダードにもある《迂回路》のような、ライブラリーから土地を探して戦場に出すカードなどを使って、可能な限り早いターンに10マナくらい出せる状態に到達し、そこからはマナにものを言わせたパワーカードの連打でねじ伏せるようなデッキのことだ。
それじゃあサンプルレシピを見てみようじゃないの。
2 《森》 1 《島》 1 《山》 4 《繁殖池》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 1 《内陸の湾港》 1 《伐採地の滝》 1 《シミックのギルド門》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《グルールのギルド門》 1 《イゼットのギルド門》 2 《ギャレンブリグ城》 3 《死者の原野》 1 《爆発域》 1 《屍肉あさりの地》 1 《見捨てられた神々の神殿》 -土地(26)- 4 《森の女人像》 3 《龍王アタルカ》 3 《森林の始源体》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 1 《約束された終末、エムラクール》 2 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(14)- |
4 《成長のらせん》 3 《むかしむかし》 4 《迂回路》 4 《約束の刻》 2 《炎呼び、チャンドラ》 3 《精霊龍、ウギン》 -呪文(20)- |
3 《墓掘りの檻》 3 《人生は続く》 2 《引き裂く流弾》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《自然への回帰》 -サイドボード(12)- |
これぞランプ、これぞビッグマナ! 2ターン目に《森の女人像》か《成長のらせん》、3ターン目に《迂回路》あるいは4ターン目に《約束の刻》でマナを伸ばし、以降は先に挙げたような怪獣たちを叩きつけるショーの始まりだ。
とりあえず巨大生物を唱えていけばゲームはどんどんとこちら有利になっていくので、それらを呼び出すまで死なずに生き延びろ! これがデッキのシンプルなプランだ。
クリーチャー陣でまだ紹介していないのが《森林の始源体》。
こいつも懐かしいな~。1枚でゲームを決めるという決定力があるわけではないが、6/6到達のガッチリボディに加えて非クリーチャー・パーマネントを破壊して、同時に森である土地をライブラリーから持ってこられる能力付き。土地を壊して相手をスローダウンさせるも良し、戦場で悪さをしているプレインズウォーカーを砕くも良し。そこからさらにマナを伸ばしてウラモグやエムラクールに繋げる、ちょうど良い一番槍的な存在だ。
さらにクリーチャー以外にプレインズウォーカーも高コストのものを使用している。《炎呼び、チャンドラ》も《精霊龍、ウギン》も、相手が高速展開してくるデッキであったとしてもその能力で一気に薙ぎ払ってくれる頼りになるリセットボタンだ。
生き延びればトークンを生成したり3点ダメージ飛ばしたりでゲームエンドまで持って行ける点も魅力的。プレインズウォーカーに対するけん制としても機能するので、これらと大型クリーチャーとで戦場を支配し尽くそうじゃないか。
マナ加速用の《約束の刻》は土地であればなんでも戦場に出せる。というわけで《ギャレンブリグ城》《見捨てられた神々の神殿》で加速したり、《爆発域》《屍肉あさりの地》などのコントロール能力を持ったものを状況に合わせてサーチしたり……あるいは《死者の原野》という勝ち手段に繋げることだって可能だ。
出ましたよ原野、ちょっと前のスタンダードで暴れ回った強力なトークン生成土地はパイオニアでも強い! 2色土地のバリエーションも多い環境なので、上記の有用な土地と併せて戦場に7種類以上の土地を並べるというのはそれほど難しいことじゃないのだ。
単体のカードパワーで押すか、ゾンビ軍団で埋め尽くすか、あるいはそれらを同時に行うか。いずれにしても圧倒的なパワーで相手を蹴散らすことができて、君もきっとランプデッキの虜になるはずだ。
ところで、サイドボードが全12枚になっていることにお気づきだろうか。このリストは11月12日より以前に結果を残したものであり、したがって……それ以降は禁止カードとなってしまった《夏の帳》を3枚採用していたのである。1マナで打ち消し・パーマネント除去・手札破壊を防げるコントロールデッキ・キラーである《夏の帳》は緑を含むデッキの超定番となっていた。
これが抜けたことで、ランプにとって手痛い1枚となったのは《思考囲い》! せっかくマナを伸ばしても、その後にプレイしようと思っていた高コストのカードをピンポイントで処理してくる致命的な事態を招きかねない1枚だ。
まあ、コントロールには《死者の原野》で対抗できるとは思うので、そこをしっかりと意識しつつ……空いたスロットに何を入れるか? それが問題だ。マナを伸ばす以外の勝ち手段になり得るものを探してみると良いかもね。《王冠泥棒、オーコ》とか?
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