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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

4Cフレンズ(レガシー)

岩SHOW

 前回の続き。《王冠泥棒、オーコ》はスタンダードでもモダンでも強い。

 3マナのプレインズウォーカーは1ターン目にマナ・クリーチャーを出せば2ターン目から戦場に出せる。そのため、アドバンテージをもたらす、あるいは戦場に影響を及ぼすことができる、ある程度の強さを持ったものは積極的に使われるものだ。

 古くは《ヴェールのリリアナ》《最後の望み、リリアナ》、最近だと《覆いを割く者、ナーセット》《時を解す者、テフェリー》などはかなり強力なプレインズウォーカーであり、スタンダードとモダン、そしてレガシーでも大活躍している。

 ではこれらの3マナの面々と比べてオーコはどうだろうか。毎ターン、アーティファクトを生成できてアドバンテージを稼ぐことができ、3/3能力なしの大鹿にする能力で相手のクリーチャーを弱めたりこちらの戦場を固めたりと、アドバンテージ&盤面に触れられるという強さの条件を満たしている。すなわち、このカードはレガシーでも試してみる価値が大いにある!

 ということで、10月には多くのレガシープレイヤーがこのカードの可能性を探っていた。結論として、オーコはかなりやれるようだ。Magic Onlineの好成績リストの中でもその名前を安定して見るようになってきた。

 今日はその一例を見ながら、オーコの強みを解析していこう。

AnziD - 「4Cフレンズ」
Magic Online Legacy Challenge #11995305 19位 / レガシー (2019年10月20日)[MO] [ARENA]
2 《冠雪の島
1 《冠雪の山
1 《冠雪の平地
1 《Volcanic Island
1 《Tundra
1 《Tropical Island
1 《Plateau
1 《Savannah
4 《溢れかえる岸辺
4 《沸騰する小湖
1 《セファリッドの円形競技場
1 《孤立した砂州
2 《不毛の大地

-土地(21)-

2 《瞬唱の魔道士

-クリーチャー(2)-
4 《アーカムの天測儀
4 《渦まく知識
4 《思案
2 《呪文貫き
4 《剣を鍬に
1 《稲妻
1 《議会の採決
1 《否定の力
2 《至高の評決
4 《意志の力
3 《レンと六番
3 《王冠泥棒、オーコ
2 《覆いを割く者、ナーセット
2 《精神を刻む者、ジェイス

-呪文(37)-
2 《狼狽の嵐
1 《青霊破
1 《水流破
1 《赤霊破
1 《紅蓮破
2 《夏の帳
2 《墓掘りの檻
2 《安らかなる眠り
2 《自然への回帰
1 《否定の力

-サイドボード(15)-

 

 このリストはオーコのみではなく、2マナから4マナまで計10枚のプレインズウォーカーを搭載し、これらで盤面を抑え込み勝利まで持って行くことを狙ったコントロールデッキだ。

 こういったプレインズウォーカー・コントロールのことを「○○フレンズ」と呼ぶことがある。このデッキは「4C(4色)フレンズ」といったところだろうか。こういった3色以上のデッキは《アーカムの天測儀》の登場以降簡単に組めるようになったのはモダンでも日常の光景となったが、それに加えてレガシーでは《Tropical Island》まであるので、よりリスクを背負わずに好き放題できちゃうのだ。というわけでかなり良いとこどりのデッキとなっている。

 デッキとしては、戦場にクリーチャーがいれば《剣を鍬に》などで除去し、こちらに害をなすカードは《意志の力》などで打ち消していく。

 それらのカードは《思案》《渦まく知識》で補充し、《瞬唱の魔道士》で使いまわして相手とのリソース(資源)の差をつけることを狙っていく。

 プレインズウォーカーたちはその後押しをする。

 《レンと六番》は《溢れかえる岸辺》《沸騰する小湖》を回収し、毎ターン確実に使えるマナを伸ばしてくれるとともに、1点ダメージで除去としても振舞える。このリストでは土地への対策となる《不毛の大地》に加えて《孤立した砂州》《セファリッドの円形競技場》を使いまわして、毎ターンドローまでもたらしてくれる活躍っぷりを見せてくれることだろう。

 《覆いを割く者、ナーセット》は除去や打ち消しなどその時に欲しいものを見つけて、有利な状況に蓋をする。《渦まく知識》などのドロー対策になるのもレガシーではかなりエライ。

 そして4マナ域最強の《精神を刻む者、ジェイス》。手札を常に潤わせるドロー源であり、クリーチャーを一時的に戦場からどける緊急手段でもあり、余裕な状況下では[+2]能力で相手のドローを操作しつつ[-12]でのゲームエンドまでまっしぐら。

 これらの先輩方に加わった新入りのオーコ。

 レガシーにおけるオーコの意義はやはり大鹿化能力。レガシーでは《引き裂かれし永劫、エムラクール》や《暗黒の深部》から飛び出すマリット・レイジなど、この世の終わりを告げる脅威が戦場に飛び出してくることが日常茶飯事。これらを3/3にしてしまうことで脅威レベルをダウンさせようじゃないか。《稲妻》で倒せるようになるのも嬉しい。

 《戦慄衆の秘儀術師》のような悪さをする小粒の能力をなくしてやることも重要だ。そういった脅威がいないタイミングであれば、とりあえず食物トークンを生成して忠誠度を上げて、その食物や《アーカムの天測儀》を3/3にして盤面を強固なものへと成長させていこう。

 実はレガシーのオーコは、クリーチャー以上にアーティファクトに触れるという点も重要だ。レガシーで強いアーティファクトといえばいろいろあるが、何よりも《虚空の杯》を無効化できるというのが素晴らしい! X=1で設置されたこれのせいで手札のインスタントとソーサリーが全く唱えられない、そんなハメられた状況もオーコであれば能力1つで即解除! わざわざアーティファクト破壊のみのカードを用いずとも、クリーチャー対策であり勝ち手段でもあるこのカードがその役割をナチュラルに担ってくれるというのは大きな強み。今後、青と緑を用いるデッキでは《虚空の杯》キラーとして第一候補に挙がってくることだろう。

 プレインズウォーカーたちと徒党を組んで盤面を支配するオーコ。他のカラーリングでのプレインズウォーカーとの相性も気になるところだ。スタンダード、モダン、そしてレガシーとあらゆる環境で活躍するオーコにこれからも要注目!

 ……って、え?さらに深淵までこのフェイは攻め込んでいるって? その真相は……次回、解き明かされることだろう! オーコ三部作の最終章をお楽しみに!

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