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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
わらわら群がれセレズニア(スタンダード)
「出来事」クリーチャーはまさしく革新的なカードだと、ここ最近常々思う。戦闘を行うクリーチャーか、状況を変える呪文かをその場その場で使い分けられる。そういったカードは実は結構古くから存在する。《暴行 // 殴打》や、《空を引き裂くもの、閼螺示》に見られる「魂力」能力などなど。
ただ今回の出来事が一味違うのは、非クリーチャー呪文として使った後にクリーチャーとして唱えられる、一粒で二度美味しいという点。そして、この手の便利なモードを持ったクリーチャーにありがちな「クリーチャーとしてのスペックはあまり良くない」という伝統にならわず、むしろ優秀なアタッカーとなり得るものが多いという点。この2つのポイントのおかげで、「出来事」クリーチャーはリミテッドのみならずスタンダードでも大活躍だ。以前にも紹介した「ジャンド・アドベンチャー」とかね。
今回もアドベンチャーしていくデッキを紹介しよう。このデッキは「出来事」クリーチャーを多数含むがシナジーに特化しすぎることはなく、純粋なビートダウンの選択肢として用いている。「セレズニア・アドベンチャー」だ!
8 《森》 8 《平地》 4 《寺院の庭》 1 《アーデンベイル城》 -土地(21)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《フェアリーの導母》 4 《巨人落とし》 2 《亜麻色の侵入者》 3 《群れの番人》 4 《恋煩いの野獣》 1 《秋の騎士》 4 《探索する獣》 4 《敬慕されるロクソドン》 -クリーチャー(30)- |
4 《むかしむかし》 1 《不敗の陣形》 3 《開花 // 華麗》 1 《黒き剣のギデオン》 -呪文(9)- |
2 《秋の騎士》 1 《不和のトロスターニ》 2 《敬虔な命令》 2 《ガラスの棺》 1 《不敗の陣形》 2 《議事会の裁き》 4 《大集団の行進》 1 《黒き剣のギデオン》 -サイドボード(15)- |
セレズニア(緑白のギルド)の特徴は、トークンなどの軽量クリーチャーを複数展開し、それらを強化して戦う「横並べ戦術」を主とするところ。このデッキもその例に漏れず、序盤からクリーチャーをポンポンと積極的に戦場に出して攻めていくアグレッシブなデッキである。
《恋煩いの野獣》はその体現者と言えよう。1ターン目と3ターン目のアクションを1枚で担ってくれるナイスカードだ。
野獣を運用するために、自身や《アーデンベイル城》が生成する人間・トークン、《フェアリーの導母》、そしてこのデッキのエンジン的な役割を担う《エッジウォールの亭主》と、1/1が多数採用されている。
デッキの動きはいたってシンプルで、毎ターンマナを最高効率で使ってクリーチャーを出していき、攻撃し続けるというもの。
この動きをただひたすらに行っていると、序盤こそ良いものの中盤以降は手札が尽き、結果として引いてきたマナ・コストの軽い弱いカードを1枚ずつプレイするしかないという事態に陥る。その弱点を補うのが、先述のエンジンこと《エッジウォールの亭主》。《フェアリーの導母》は1/1飛行と戦力としては小さなものだが、ドローがついてくるとなると話は別だ。
1枚それぞれの効果は大きくなくとも、毎ターンそれらが途切れることなく矢継ぎ早に複数プレイされるとなると、その脅威度は大きく違ってくる。この亭主を大事に運用し、しっかりとカードが引けるタイミングで戦場に出すようにしよう。
1マナクリーチャーなので隙あらば出したくなってしまうが、出来事でのドローも何もできない状況下で出してしまって《ショック》などで簡単に除去されてしまうと後々苦しくなってくる。相手が1ターン目に《山》を置いてターン終了した場合、1ターン目には出さずに2ターン目に1マナ出来事クリーチャーと同時に展開するなど、よりカードが活きてくる運用を行うことが大事だ。《恋煩いの野獣》を攻撃させる役目も担っているので、そのあたりをしっかりと考えながら扱っていきたいところ。
このデッキは土地が21枚とかなり抑えめになっている。それほどコストの重いカードも入っておらず、亭主でドローしても土地ばっかりだと嬉しくないからだ。それでも3~4枚は土地がないと満足に動けないので、削った土地のスペースに《むかしむかし》と《開花 // 華麗》を採用して滑らかに動くように構築されている。
《むかしむかし》はゲーム中最初の呪文としてならマナ・コストを支払うことなく唱えることができ、土地だけでなくクリーチャーも手に入るの無駄にならず、どんな手札でもカード1枚分の役目を果たすことが可能だ。
《開花》もまた出来事のように多用途を持つ分割カードで、ゲームのクライマックスにおいては《華麗》としてトークンや1マナクリーチャーを強化してフィニッシュまで持って行く。《不敗の陣形》《敬慕されるロクソドン》などとこのカードで手数を打点に昇華して最後の一押しを狙うのだ。
このデッキのアツいアクションとして、《巨人落とし》の回収がある。
《切り落とし》として使っても良いし、とりあえず戦場に出して相手の攻撃を防いだりしても仕事を果たす便利な1枚である《巨人落とし》。ゲームが煮詰まってにらみ合いの突破口を開きたい状況では、能力を起動してクリーチャーをタップ→《群れの番人》を《安全への導き》として唱えて《巨人落とし》を回収→《切り落とし》として投げつけてパワー4以上を破壊、と1ターンで2体以上のクリーチャーを無力化させることが可能だ。ただ殴るだけでなく、番人絡みのトリッキーなプレイにも注目し、その可能性を探ってみてほしい。
このデッキで注意したいのは、クリーチャーを強化したことで《恋煩いの野獣》がモチベーションダウンして攻撃できなくなってしまうことだ。下手な強化をするよりも野獣で殴っている方がダメージ効率が良かった、なんていううっかりミスをしないように気を付けたい。
しかしまあ、亭主&野獣のコンビは、どの色と組ませてもそれなりのクリーチャー・デッキにまとめてしまう可能性が感じられるね。「出来事」クリーチャーは構築を歪めずにコンセプトデッキを組めるというのが最大の強みだ。柔軟にかつ大胆に立ち回れ!
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