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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

「スタンダード2020」はチャンドラとラルで勝て!

岩SHOW

 皆、今月のMTGアリーナの目玉イベントの1つである「スタンダード2020」は遊んでいるかい?

 このフォーマットについて詳しくは、先週に取り上げた回を参照してもらおう。

 あの回を書いた時は「スタンダード2020」がスタートする前のこと。いざ始まった現在、とりあえず記事内でも紹介したエレメンタル・デッキで遊んでみた。感想としては、やっぱりエレメンタルは回ると気持ちいい! 《発現する浅瀬》と《乱動の座、オムナス》が機能しだすと、マナでも手札でも圧倒的な差をつけられて、この世の王になったような気分になれる。

 ただ、気づいたことは防御面がやや弱いという点。このフォーマット、このコラムが公開されるころには研究も進んでまた違った事態になっているかもしれないが、開始して2日ほど経ったタイミングではとにかく赤いデッキとばかりマッチする。「赤単アグロ」自体は『ドミナリア』や『基本セット2019』が使えないことで多くのパーツを失っているのだが、《災厄の行進》を用いてパワー1で攻めるアグロデッキはほとんど失うものがなく、《チャンドラの吐火》からの大ダメージを狙ってガンガンと攻め立ててくる。「スタンダード2020」のBO1(メイン1本勝負)は2連勝することでマスタリーの経験値を得られるので、こういうブン回った時にスカッと勝てるデッキが流行るのは当然のことであった。

 なので、エレメンタルでデッキを組む時はこれらのデッキに効果のあるカードを多くした方が良さそうだ。《雲族の予見者》はコストが重い割に1マナのクリーチャーと相討ちになってしまう点が弱かったので、この枠を《林間の癒し手》とすべて、ないし一部置き換えた方が良さそうだ。癒し手の回復で時間を稼いで《目覚めた猛火、チャンドラ》まで繋げられれば大体勝ちなので、チャンドラも増量しても良いかもしれない。

 チャンドラは白系のクリーチャーデッキやコントロール相手にもめっぽう強い、このフォーマット随一のパワーカードだ。彼女がいれば《死者の原野》を使うデッキ相手も安心。さらに赤であれば《炎の一掃》もあればなおのこと良し。というわけで、どうやら赤いコントロール要素を持ったデッキはなかなかに良い立ち位置かもしれない。

 そう思っているところに、なかなか良さそうなリストを発見。《炎の一掃》とチャンドラという全体除去を備えつつ、勝ち方もスマートでかっこいいデッキで、僕も使ってみたところあっさりと2連勝できてそのポテンシャルの高さを実感した。

 それじゃリストを見てみよう!

TheAsianAvenger - 「ラル・コンボ」
「スタンダード2020」 (2019年9月11日)[MO] [ARENA]
7 《
6 《
4 《蒸気孔
4 《天啓の神殿
4 《急流の崖
-土地(25)-
 
-クリーチャー(0)-
4 《ショック
4 《チャンドラの勝利
4 《急進思想
1 《物語の終わり
4 《イオン化
2 《炎の一掃
1 《標の稲妻
2 《薬術師の眼識
1 《ラルの発露
4 《発展 // 発破
2 《覆いを割く者、ナーセット
4 《嵐の伝導者、ラル
2 《目覚めた猛火、チャンドラ
-呪文(35)-
mtggoldfish.com より引用)
 

 赤のコントロール要素と合わさったのは青のドローと打ち消し、そして《嵐の伝導者、ラル》!

 このデッキの主役はラルだ。彼が『灯争大戦』で登場した際に話題になったコンボを覚えているだろうか? ラルが戦場にいる状態で4マナ以下のインスタントかソーサリーを唱え、それを対象に《発展 // 発破》の《発展》を唱える。

 この《発展》に対してさらに《発展》を唱える。すると《発展》のコピーができるので、これの対象もまた《発展》に。再度コピーが生まれるのでこれもまた《発展》に……こうやってループを形成すると、ラルの1点ダメージを与える能力を好きなだけ誘発させられる! 無限ダメージ!

 このラル・コンボを勝ち筋の1つに据えつつ、基本的には《チャンドラの勝利》など各種除去でクリーチャーを捌き、要所は《イオン化》で打ち消してゲームを掌握していく……そんなコンボ要素を持ったコントロール・デッキだ。こういう戦い方が好きなプレイヤー、結構多いでしょ。

 この手のデッキの良いところは、対戦相手のクリーチャー対策を丸ごと無駄にしてしまえる点だ。相手が無駄なカードを引いて足踏みしている間に、コンボを決めるなりチャンドラの紋章を投げつけるなりして勝利を目指そう。

 通常のスタンダードよりもコンボが決まりやすいことかと思われるが、1枚だけ注意しなければならないカードがある。《時を解す者、テフェリー》だ。彼がいるとインスタント・タイミングで呪文を唱えられないので、スタック上の呪文を対象に《発展》を唱えられない。しっかりと《チャンドラの勝利》で対処してからコンボに突入しよう。

 現行スタンダードとも違うし、『エルドレインの王権』後のスタンダードともまた違ったデッキやカードが活躍するであろう「スタンダード2020」。ラルはこのフォーマットの覇者となれるだろうか? 月末までに各デッキがどれだけ進化しているか、見ものだね。

MTGアリーナ日本語版用デッキリスト

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