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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
Power 1 Red(スタンダード)
2019年からマジックを始めたという初心者の皆、そろそろデッキ構築には慣れてきたころかな? 構築でどんなカードが強いのかというのがわかってきて、迷うことなくデッキを作ることができたら気持ちが良いよね。
カードの強弱で最もわかりやすいものといえば、クリーチャーのスペックかな。パワーとタフネスの値が高ければ高いほど強いのは当然だが、それを唱えるコストが重たいと使いづらくなる。マナ・コストに対してサイズ、特にパワーが優れたカードこそが強い、そういう感覚がだんだんと身についてきたことじゃないかな。戦闘がメインのデッキは、パワーに優れたクリーチャーを1マナ・2マナ……と展開していくのが基本!
……なのだが。マジックってやつは奥が深いッ。本来はあまり頼りにしたくはない低パワーにこそ価値を見出す、そういうデッキもあるのだ! パワー1を詰め込んだ「Power 1 Red」いってみよう!
20 《山》 -土地(20)- 4 《狂信的扇動者》 4 《焦がし吐き》 2 《ブリキ通りの身かわし》 4 《チャンドラの吐火》 4 《軍勢の戦親分》 2 《駆け回る物焦がし》 -クリーチャー(20)- |
4 《ショック》 4 《災厄の行進》 4 《稲妻の一撃》 4 《舞台照らし》 4 《炎の侍祭、チャンドラ》 -呪文(20)- |
4 《丸焼き》 4 《溶岩コイル》 2 《血染めの太陽》 2 《実験の狂乱》 3 《無頼な扇動者、ティボルト》 -サイドボード(15)- |
このデッキのキーカードは《災厄の行進》!
パワーが1以下のクリーチャーが攻撃するたびに対戦相手本体に1点ダメージを与える、特殊な挙動をするエンチャントだ。このエンチャントを使って、大量のダメージを弾き出すためにとにかくパワー1のクリーチャーで固めた、というシンプルなアグロ(攻めに特化した)デッキである。
《災厄の行進》自体は以前から存在するが、このデッキが成立するようになったのは、『基本セット2020』の登場によりマスターピースとも呼べる2枚が加入したからである。
1枚目は《炎の侍祭、チャンドラ》。
彼女は3マナと軽いため、土地の枚数を切り詰めたアグロデッキでも用いやすい。行進を置いた次のターンに出てきて、パワー1で速攻持ちのエレメンタルを2体生成する。行進で2点、戦闘ダメージで2点で計4点ダメージを射出する固定砲台の完成だ!
このデッキではライフを速やかに削ることを第一にしているので、《ショック》や《稲妻の一撃》といったプレイヤー本体に打ち込める火力もどんどん唱えていく。[-2]能力でこれらを再使用できるのもこのデッキにとってはありがたく、チャンドラはまさしくデッキを成立させた立役者なのだ。
2枚目は《チャンドラの吐火》。
これ自身もパワー1であり行進を誘発させ、かつ飛行持ちなので盤面にクリーチャーが並んでも攻撃しやすい。そしてここからが肝心。対戦相手に戦闘以外のダメージが与えられると、吐火のパワーは3上昇する。すなわち、行進からバシバシとダメージを飛ばすと、パワー10も超えるとんでもないサイズに膨れ上がらせることが可能なのだ! チャンドラや吐火、その他のパワー1を並べて突然のノックアウト! この爆発力こそがこのデッキと他のデッキの大きな違いなのである。
《焦がし吐き》と《駆け回る物焦がし》の焦がしエレメンタル・コンビもこのデッキでを支える重要なカードだ。
1マナで単体でも2点の打点として機能し、吐火との相性も良い《焦がし吐き》。攻撃が通らず、行進がないという状況下でも強引に《舞台照らし》を絢爛で唱えに行けるという点もシブくて良い。《駆け回る物焦がし》と行進の叩き出すダメージは爽快そのもの。
ここまでエレメンタルが並ぶと部族シナジーが欲しくなり、《新米紅蓮術師、チャンドラ》あたりを使いたくなってしまうが、パワーを上昇させると行進が誘発しなくなるのが残念なところ……だが一緒にデッキに入れても破綻するということもないので、共存させてみるのも手だね。エレメンタルに寄せるなら《雷族の呼び覚まし》も一緒に使うと、序盤に失ったパワー1勢を再出撃させられてGood!
この手のデッキは《ケイヤの怒り》などのクリーチャーをまとめて吹き飛ばす全体除去に弱いのが常だが、《軍勢の戦親分》は1枚で戦場をリカバリーさせるし、行進やチャンドラもクリーチャー除去では対処できない打点として戦場に残る。これらを無駄に失わないように丁寧にプレイすることで、コントロール・デッキに対しても戦っていける。
ブン回った時はパワー1の集団がすべてを置き去りにするスピードでライフを削り落とす。唯一無二の快感を求めるのであればオススメだ。デッキ内に占めるコモンやアンコモンの割合も高いので、デッキが組みやすいという点もステキ!
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