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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
グルール・ダイナソー(スタンダード)
恐竜という存在を人類が認識したのはいつのことかご存知だろうか。きちんとした形で文献が残されているのは1825年。イギリスの医師、ギデオン・マンテル(マジックプレイヤーが反応してしまう名前だ)は自身が発見した巨大な歯の化石を地質学者たちと精査した結果、巨大な爬虫類の歯であるとし、姿のわからないこの歯の持ち主をイグアノドンと名付けた。1842年にリチャード・オーウェンはこのイグアノドンなど、化石として見つかる巨大爬虫類を「恐竜/Dinosaur」というグループに分類した。恐竜なるものが知られるようになってから、200年も経っていないのである。
そのため、恐竜に関する研究は常に新発見にあふれている。誰も見たことがない、骨しかわからない彼らがどんな姿かたちをしていたのか? それは永久にわかることもなく、だからこそロマンにあふれたものであり続けるのだろう。最近では羽毛でふわふわ説がかなり推されているが、個人的には某恐竜映画の一作目のころに主流だったラプター系の見た目が好みだね。
マジック世界の恐竜といえば『イクサラン』。この次元の恐竜は……その多くが表皮をほとんど羽毛に覆われたもので、最近の学説寄り。ラプター欲を満たしてくれるものは少なかったのだが……まさかの『基本セット2020』で、琴線に触れる、ストライクど真ん中のラプター系が登場して思わずガッツポーズだ。《無法の猛竜》!
もう見た目が最高にカッコイイ! これや、ワイが求めていた恐竜像は! 頭から尻尾の先まで並行なんがステキやね…♡
見た目のみならず、カードとしても実に良いデザインである。2マナという軽さと2/3というパフォーマンスに優れたサイズ! こういう恐竜カードってなかったから嬉しいね。
さらに、すべてのクリーチャー呪文のコストを{1}軽くするというマナ加速能力! 4マナ以上に強いカードが固まっている恐竜にとって、マナ・クリーチャーはデッキに必須であったがサイズに優れないエルフなんかをあまりデッキに入れても……というジレンマに悩まされていたので、この攻撃的なマナ加速の登場は大きな収穫だ。
もちろん、ただコストを軽くするだけだと強すぎるので、自身のクリーチャーが戦場に出るときにこれが噛みついて2点のダメージを与えるというデメリットが付いている。タフネス2以下のクリーチャーが出せなくなるというわけだ。また、2体並ぶとタフネス4でも死んでしまうという形で、うまく悪さしすぎないように調整されている。
ただ、この噛みつく獲物が恐竜だった場合、同族の血肉でパワーが2上昇するというボーナスもついている。コストが重く、タフネスも2点ダメージに耐えられる恐竜を高速展開しながら、パワーを上げて殴る、超攻撃的なサポート枠を得た恐竜デッキの姿をご覧あれ!
8 《森》 7 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《根縛りの岩山》 -土地(23)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《無法の猛竜》 3 《大物群れの操り手》 4 《グルールの呪文砕き》 4 《切り裂き顎の猛竜》 2 《変容するケラトプス》 3 《突進するモンストロサウルス》 2 《レギサウルスの頭目》 -クリーチャー(26)- |
2 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 1 《ドムリの待ち伏せ》 1 《凶暴な踏みつけ》 3 《ボーラスの壊乱者、ドムリ》 -呪文(11)- |
3 《打ち壊すブロントドン》 2 《夏の帳》 4 《溶岩コイル》 3 《丸焼き》 2 《炎の一掃》 1 《目覚めた猛火、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
《無法の猛竜》と相性の良いクリーチャーがズラリと揃った赤緑の攻めのデッキだ。特筆すべき存在は《切り裂き顎の猛竜》!
これが3ターン目に出せるのはかなり強いし、出た時にダメージを与える能力が激昂能力を誘発させ、1枚ドローがついてくるというとんでもないことに。マナ加速と同じくらい恐竜デッキが求めていた手札補充要員も務めるとは、《無法の猛竜》やってくれるぜ。
《レギサウルスの頭目》も圧を掛けるのにはもってこいだし、《変容するケラトプス》も速攻にトランプルに到達にと変幻自在で、かつ各種テフェリーに対処されない点が素晴らしい。
だが、このリストで最もイキイキとしているのは《突進するモンストロサウルス》ではないだろうか。
なかなか構築シーンに出てこなかった1枚だが、マナ・コストを軽くできるとあれば5/5速攻トランプルは強いに決まってるって! 一度、1ターン目《ラノワールのエルフ》→2ターン目に《無法の猛竜》2体→3ターン目に《突進するモンストロサウルス》と《ショック》、とかいう気絶しそうなレベルのブン回りをされて以来、このラプターとTレックスの組み合わせはトラウマである。古代の覇者を前にして人間は無力だ。
《打ち壊すブロントドン》を出して生け贄まで含めて3マナで抑えられるのも嬉しいね。《原初の飢え、ガルタ》とも組み合わせてみたい。スタンダード史上、最も恐竜カードが多い環境となっている今シーズン、君も童心に帰って恐竜でガァァッと攻撃してみないか?
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