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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ダクは噛ませ犬じゃない!(レガシー)
ダク・フェイデン。アメコミ版マジックの主人公を務めたプレインズウォーカーだ。
彼の職業は……盗賊! 彼自身は自らの行為を盗むのではなく「借りる」と形容しているらしいが……それはともかく、彼の能力はアーティファクトに触れてそれを調べることで発揮される。それの使い方・魔法の知識・はたまたそれが立ち会った事件のビジョンなどを読み取る、サイコメトリーと呼ばれる類の能力だ。見た目は男前で女性とのエピソードも多く、キャラが立っている。
このダクが遂に表舞台、背景世界のメインストーリーに登場だ。『灯争大戦』のトレイラーで……
って、いきなりやられとるやないかい! 戦慄衆にプレインズウォーカーの魂とも言える灯をスポッと抜かれる秒殺劇で、ある意味衝撃的なデビューを果たしたわけだが……これではいくらなんでも噛ませ犬感が過ぎるんじゃないか? いきなりトレイラーで瞬殺された人、なんてオイシイかもしれないが、カッコイイ姿も記憶に残ってほしい。
そんな思いが届いたのか、先日開催されたグランプリ・ナイアガラフォールズ2019ではこのダクを軸としたデッキがトップ8入賞! 盤面で大活躍する様をご紹介しよう!
2 《島》 1 《沼》 2 《Underground Sea》 2 《Volcanic Island》 1 《Tropical Island》 1 《Badlands》 1 《Bayou》 4 《汚染された三角州》 3 《沸騰する小湖》 1 《血染めのぬかるみ》 3 《燃え柳の木立ち》 -土地(21)- 4 《悪意の大梟》 3 《瞬唱の魔道士》 2 《トレストの使者、レオヴォルド》 -クリーチャー(9)- |
4 《渦まく知識》 3 《思案》 2 《定業》 2 《思考囲い》 2 《コジレックの審問》 3 《罰する火》 2 《突然の衰微》 1 《悪魔の布告》 1 《コラガンの命令》 1 《毒の濁流》 4 《意志の力》 3 《ダク・フェイデン》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(30)- |
2 《タルモゴイフ》 1 《概念泥棒》 2 《外科的摘出》 2 《虚無の呪文爆弾》 3 《紅蓮破》 1 《狼狽の嵐》 1 《水流破》 1 《悪魔の布告》 1 《コラガンの命令》 1 《破滅的な行為》 -サイドボード(15)- |
白を除く4色のコントロールデッキだ。レガシーとヴィンテージでは《ダク・フェイデン》が使用可能であり、ヴィンテージではアーティファクトを文字通り盗んで奪う能力を活かして一部のデッキで活躍中だ。何せ《Mox Sapphire》や《太陽の指輪》なんかを奪ってしまえるからね。
ヴィンテージ環境ほどアーティファクト塗れではないレガシーでは、このデッキのように[+1]能力を活かす構築が採られている。相棒によりこの能力はただの手札入れ替えには留まらなくなっているぞ。順に解説しよう。
まずは《罰する火》。
2点ダメージを与えては《燃え柳の木立ち》から赤マナを得て相手を回復させ、能力を誘発させて墓地から手札に戻す。これにより相手のクリーチャーやプレインズウォーカーを除去する、というのがこのデッキの主なコントロール要素だ。
ここにダクが加わると、ちょっとした化学変化が起きる。ダクの[+1]能力は対象のプレイヤーがカードを2枚引いて2枚捨てるというものだ。通常であれば手札の枚数自体は増えることがなく、内容を入れ替える形でのアドバンテージを得るわけだが……ここで《罰する火》を捨てると後から回収できるので損失ナシで純粋にカードを引いた形になるってわけだ。地味ではあるが、こうしたアドバンテージを積み重ねて勝とうというのがこのデッキの狙いだ。
そしてもう1つ、ダクを活かせる存在が《トレストの使者、レオヴォルド》。
彼が戦場にいる状態で[+1]能力を対戦相手を対象に取って起動すると……本来なら2枚引いて2枚捨てるところを、レオヴォルドの厳しい目により1枚しか引くことが許してもらえない。でも捨てる枚数は変わらないので、手札の枚数が1枚減るという形になる。手札が1枚の相手にこれを使うと、手札を空にしてやることができるというわけだ。
《思考囲い》《コジレックの審問》などで手札を削り、《瞬唱の魔道士》で使いまわして消耗させ、このタッグチームで追い詰める!
強引にダク or レオヴォルドを除去しようとしてもレオヴォルドの能力でドローができ、絶対に相手が損をするという恐ろしいシステムに仕上がっている。こりゃあ心が折れるぜ。
サイド後には《概念泥棒》まで追加してさらにパワーアップ! こっちが2枚引いて相手が2枚捨てるとかいうわけのわからない事態に。これは借りるの範疇を越えて完全に盗みですよダクさん。
《悪意の大梟》《コラガンの命令》《精神を刻む者、ジェイス》と、デッキ内にはアドバンテージを稼ぐカードがてんこ盛りだ。これらでクリーチャー除去の尽きぬ雨を降らせて勝つ、盤面を捌くデッキが好きなプレイヤーなら必ずや満足できるデッキだ。もちろんダクのおかげでアーティファクトを使うデッキにも強い!
どうだ、ダクは噛ませ犬じゃないってわかってくれたかな? ダク以外にも『灯争大戦』では最期を迎えるプレインズウォーカーたちがいるわけだが、彼らはたとえ今後背景世界に出てこなくなっても、カードとしてはいつまでも残り続ける。お気に入りのキャラクターを使ったデッキは、どうかいつまでもプレイしてあげて欲しいね。レガシーってフォーマット名も、そういう思いが込められていそうだしね。
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