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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
黒単聴衆(スタンダード)
マジックフェスト・横浜、お疲れさまでした!……と言いつつ、締め切りの関係でこれを書いているのは始まる前。今回のマジックフェストでは、ステージイベントでMTGアリーナを用いた対戦コーナーを開催し、僕もそこで実際にお客さんと対戦する予定。京都でも同様なイベントは行なったが、僕自身が対戦をするのは初めてだ。
普通にスタンダードの主要デッキを用いて対戦するだけでも、アリーナの派手な演出とサウンドで十分に盛り上がるのだが、どうせなら……「らしさ」を見せていきたいところ。そこであまり見ないタイプのデッキを構築して持っていくことにした。
ただ作るだけならいくらでもネタに走ったデッキは作れるが、本番でデッキとして全く機能しないようでは盛り上がるというよりも公開サンドバッグ叩きになってしまう。ビジュアル的に面白く、現実的に勝ちも狙えるデッキを作る……というわけで、独創的な構築にしつつもランク戦である程度勝つことのできたデッキを用意することにした。
どんなデッキかって? 会場に遊びに来てくれた方にはその全容を、そうでない方にもプレイしていてワクワク楽しいリストをお届けしよう。それではご覧ください、「黒単聴衆」!
21 《沼》 4 《陰謀団の要塞》 -土地(25)- 1 《名演撃、ラクドス》 1 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(2)- |
4 《宝物の地図》 2 《喪心》 2 《渇望の時》 4 《彩色の灯籠》 3 《肉儀場の叫び》 2 《屈辱》 1 《魔性》 3 《首謀者の収得》 3 《ヴラスカの侮辱》 1 《煤の儀式》 2 《最古再誕》 1 《囚われの聴衆》 1 《豪奢 // 誤認》 3 《ウルザの後継、カーン》 1 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(33)- |
1 《ハイドロイド混成体》 1 《原初の災厄、ザカマ》 4 《強迫》 3 《漂流自我》 1 《肉儀場の叫び》 1 《浄化の輝き》 1 《ミラーリ予想》 1 《天上の赦免》 1 《不滅の太陽》 1 《苦悩火》 -サイドボード(15)- |
言いたいことはわかる、ムチャクチャでしょ? 黒単に多色のパワーカードをぶち込んだ、マジックの理を無視したデッキに見えるだろう。でも、《彩色の灯籠》と《宝物の地図》さえあればこのデッキは問題なく動くのだ。
そんなアーティファクトに頼らずに真面目に多色土地を用いてはどうか? いや、それでは爆発力が足りない。黒単にする=土地がほとんど《沼》になる→《陰謀団の要塞》から大量のマナを得ることが可能ッッ!その溢れるマナから、コストの重い呪文を連打して圧倒したくないかい?
ベタなところだと巨大な《ハイドロイド混成体》なんか、唱えるの嫌いな人いないでしょう。それだけじゃなく、重くて普通のデッキにはとてもじゃないが採用できないけれども怪しい魅力に満ちた《囚われの聴衆》もこのデッキでは問題なく唱えられるッッ! 夢を現実にするのがこのデッキだ。
「クロマティック・ブラック」として『ラヴニカのギルド』環境では一部のマニアへのウケが良かったデッキを、『ラヴニカの献身』環境にアップデートさせたものである。一時期はアリーナでそこそこ見たのに、全然会わなくなって寂しかったというのもこのデッキを組んだ理由だったりする。
基本は黒単色のコントロールデッキだ。黒が誇る多様なクリーチャー除去で、相手の攻め手を捌き続ける。重い多色カードで大暴れという夢は、兎にも角にも生き延びなければ叶えられない。落ち着いて、生存第一を胸にひたすら除去を唱えよう。
タイミングがあれば《彩色の灯籠》や《宝物の地図》を設置。使えるマナを増やし、ドローを占術で操作して相手の攻めへの解答を用意できるようにしていこう。
《ウルザの後継、カーン》も余裕がある時には戦場へ。
[+1]と[-1]を繰り返してカードを着実に得ていくというのも良いが、このデッキでは[-2]も積極的に狙っていきたい。《宝物の地図》が《宝物の入り江》に変身すると宝物・トークンが3つ並ぶ。そんなわけでこのデッキは灯籠などと合わせて、戦場のアーティファクト数を増やすことが得意だったりするのだ。5/5以上の構築物・トークンで相手の攻撃を食い止めて、攻めに切り替えると高パワーで速やかに殴りきる。派手なパンチを放つのは多色カードだけではないのだ。
序盤を耐え、カーンで中盤を乗り切り、《沼》が5枚以上並んで灯籠と要塞が並びマナの色と量も問題なし……となったら、パワーカードの時間だ。《首謀者の収得》でライブラリーかサイドから好きなもの・状況に合ったものを持ってこよう。
個人的に一押しは《囚われの聴衆》。
このカードは相手のコントロール下で戦場に出る。毎ターンのアップキープに、相手にとってイヤなことが起こる。選ぶのは相手なので思った通りのことが起こるとは限らないが……ライフが4になるのも、手札を全て捨てるのも、こちらの戦場にゾンビがうじゃうじゃ沸くのも、どれも問題ないぜ!ってデッキはそうそういるもんじゃない。
この中で一番軽視されるのがライフが4点になることだが、もし相手がこれを選んだら《首謀者の収得》で《苦悩火》を持ってきてジュッと焼いてやろう。このように、《首謀者の収得》は状況によってベストなカードを探す、このデッキの屋台骨とも言える存在だ。《ミラーリ予想》を引っ張ってくる余裕があれば、回収した収得をコピーして……と気持ちよく勝てるだろう。賭けるしかないってタイミングで《名演撃、ラクドス》を呼び出してお祈りするのも楽しいので、ランダム性を嫌わずにぜひ一度プレイしてみてほしいね!
カーンに《秘宝探究者、ヴラスカ》と、プレインズウォーカーを用いるのも楽しいデッキである。ってことは『灯争大戦』にて登場するカードの多くが採用を検討できる新戦力候補ってわけだ。う~む、次期環境もこのデッキで暴れちゃおうか? クセの強いデッキほど、使っていて楽しいものなのは間違いない。これだけは保証しよう!
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