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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
鋭感エスパー(スタンダード)
MTGアリーナのセールスポイントのひとつが、気軽にマジックを始められるという点。実際のところ、これまで近くにコミュニティがない方にはMagic Onlineしか選択肢がなく、そこから始めるというのはかなりハードルが高かった。このハードルをアリーナは完全にぶち壊してくれた。PCさえあれば誰でもすぐにマジックの世界に飛び込める! いい時代になったものだ。
始めるのもお手軽ならば、プレイするゲームにもお手軽なモードが用意されている。テーブルトップのマジックでは2本先取の3本勝負、いわゆるBO3(Best of 3)という形式が一般的だが、アリーナでは1本勝負・BO1のモードが用意されている。
引きムラや先手後手の問題をカバーし、サイドボードという工夫でプレイヤーの腕を競うBO3が奥深く面白いのは周知の事実だが、初心者にはとっつきやすさが大事なこともある。というわけで現在、構築ランクは初心者でも挑みやすいBO1と上級者も満足なBO3の2つの形式で遊べるようになっている。皆はどっちでランクを上げたかな?
当コラムでは基本的にはテーブルトップとデジタルの両方で通用するBO3用のデッキを紹介しているが、今日はBO1の環境ならではのデッキを紹介しよう! まずはリストから。
1 《沼》 4 《湿った墓》 4 《水没した地下墓地》 4 《神無き祭殿》 4 《孤立した礼拝堂》 4 《神聖なる泉》 4 《氷河の城砦》 -土地(25)- 1 《原初の潮流、ネザール》 -クリーチャー(1)- |
4 《活力回復》 4 《思考消去》 2 《渇望の時》 1 《アズカンタの探索》 4 《ドビンの鋭感》 3 《吸収》 2 《肉儀場の叫び》 2 《屈辱》 4 《ケイヤの怒り》 3 《首謀者の収得》 3 《ヴラスカの侮辱》 2 《薬術師の眼識》 -呪文(34)- |
1 《黎明をもたらす者ライラ》 1 《啓蒙》 1 《治癒の恩寵》 1 《魔術遠眼鏡》 1 《精神純化》 1 《不敬の行進》 1 《鮮血の秘儀》 1 《漂流自我》 1 《浄化の輝き》 1 《最古再誕》 1 《ミラーリ予想》 1 《天上の赦免》 1 《不滅の太陽》 1 《溢れ出る洞察》 1 《集団強制》 -サイドボード(15)- |
BO3でも活躍中の白青黒=エスパーカラーのコントロールデッキ、なのだが……その構成は大きく異なっている。エスパーの絶対的なフィニッシャーである《ドミナリアの英雄、テフェリー》が0枚! これにはビックリしたかもしれないが、これぞBO1環境の答えだ。
1本勝負ということで、サイド後に対策されやすく不利になりやすいが、メインはブン回れば最強!という赤単や白単などのアグロデッキが幅を利かせているのがBO1環境の実態だ。そんな世界で5マナのテフェリーを出してカードを引く、というアクションが強く活きてくる機会というのは、通常のスタンダードよりも少ないのは言わずもがな。
なので、アドバンテージ獲得はもっと軽く、かつ生存に貢献するカードが担っている。《ドビンの鋭感》だ。
この3マナのエンチャントを戦場に出し、2点回復して1枚ドロー。インスタントの除去呪文を自分のメインで唱えて、鋭感を手札に戻す。次のターンにまた出して回復して……というアクションを続けることで、ライフを護りつつ手札を得て相手のアクションを捌いていこうというのがこのデッキの設計思想。同じスタンダードでもサイド後のゲームがないだけで、大きくアプローチの異なるデッキが誕生するというのは、当たり前かもしれないが面白い。
1本勝負のフォーマットでありながらサイドボードもしっかり用意されている。《首謀者の収得》を使うからだ。
このソーサリーでゲーム外=サイドボードのカードを手札に加えて、状況ごとにベストなアンサーを出していこう。相手が60枚デッキで戦っているのに対して、こちらは75枚で戦うという形になる。しかもライブラリー自体は60枚でね。これがこのデッキが構築段階で得ているアドバンテージだ。
15枚の中に何を入れるかは各自のセンスが問われるが、《ミラーリ予想》は用意しておきたい。
相手の攻めを受け切って、マナやライフに余裕がある時にはこれを持ってきてインスタント回収→続くターンで《首謀者の収得》を回収→さらに次のターンにインスタント&ソーサリーが倍になる状態で首謀者を唱えてカードをサーチしまくる!というアドバンテージ天国への一歩を踏み出そう。この時点でほとんどの相手は投了してくれることだろうね。
このリストはミシックインビテーショナルで用いられたもので、このデッキを選択してきたプレイヤーは少なくなかった。2つのスタンダードデッキで戦うデュオ・スタンダードというフォーマットでは赤単&白単を使うプレイヤーが多く、それらには通常のエスパーでは対抗しにくいというのを読み切ったプレイヤーたちがチョイスしたのだろう。
『灯争大戦』前の最後の1か月、BO1でランク戦をやろうってプレイヤーはこのデッキを一度試してみたらどうかな?
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