- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- シミック・ネクサス(スタンダード)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
シミック・ネクサス(スタンダード)
「今はこのデッキがムチャクチャ強い!」というデッキがあるとする。それが分かり切った状況下でトーナメントに出る場合、あなたはどうするだろうか?
その強いデッキをそのまま持っていく素直な派閥は少なくはないだろう。ただ同時に、そのデッキに対して相性の良いデッキ・劇的に効くサイドボードを用意して行くという対抗派や、そういったガードが上がった状態を見越して使用を見送る慎重派もおそらくは同数存在することかと思う。このあたりの読み合いが、競技マジックの面白さである。
先日開催されたグランプリ・京都2019を例に見てみよう。現スタンダード環境では《荒野の再生》を用いたデッキが、時折理不尽なまでの強さを見せつけることがある。
4マナで設置したエンチャントから、ターン終了時に大量のマナを得て《運命のきずな》で追加ターンを得る……このシンプルにして強烈なコンボを前に、悔しい思いをしたプレイヤーは数知れない。2月に開催されたミシックチャンピオンシップ・クリーブランド2019でもこの2枚を用いるデッキがトップ8に勝ち残っていることからも、デッキパワーは本物だ。
だが、決して抗えない存在ではない。特に青緑2色の「シミック・ネクサス」は対戦相手からの攻めに対して、《根の罠》と《一瞬》、あとは打ち消ししか対抗手段を備えていないため、最序盤からガツガツ殴るデッキに対して脆いのだ。クリーチャーのみならず火力でライフを直接狙ってくる赤単、それも《燃えがら蔦》まで採用した形のものにはいいようにされてしまうし、《啓蒙》や《否認》を構えつつ1マナクリーチャーの群れで一瞬にしてライフを詰めてくる白単系のデッキも大の苦手だ。また、その他のデッキもサイドボードに打ち消し・手札破壊・エンチャントをしこたま積んできているのであれば、決して楽はできない。
実際に、京都では《荒野の再生》デッキが2種類合わせて計56名が2日目に進出するも、トップ8入賞はならず。トップ32に数多く残った赤単に狩られてしまったようだ。
と、完璧な存在ではないことが証明されてはいるが、それでも相性の良いデッキ相手には好き放題して勝てるのが魅力でもある。特に赤単・白単に勝とうという、クリーチャー主体の中速デッキなんかは良いターゲットだ。実際に京都ではそういったデッキも活躍しており、順当にそれらのデッキと当たることができたであろうプレイヤー4名がトップ32にデッキリストを連ねてもいる。
勝ち組とはならなかったが、存在感も示したってところだろうか。こう見ると、今期のスタンダードはとてもバランスのとれた良い環境だったんだなぁとしみじみ思うね。
というわけで、「シミック・ネクサス」のリストを見てみよう!
6 《島》 6 《森》 4 《繁殖池》 4 《内陸の湾港》 4 《天才の記念像》 1 《オラーズカの拱門》 -土地(25)- 3 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(3)- |
4 《選択》 4 《成長のらせん》 4 《根の罠》 3 《アズカンタの探索》 2 《一瞬》 3 《悪意ある妨害》 4 《薬術師の眼識》 4 《荒野の再生》 4 《運命のきずな》 -呪文(32)- |
3 《僧帽地帯のドルイド》 3 《クロールの銛撃ち》 3 《生体性軟泥》 3 《否認》 3 《押し潰す梢》 -サイドボード(15)- |
ドロー呪文を唱え、土地を詰まらせることなく設置しながら《アズカンタの探索》《荒野の再生》をスタンバイ。
一度《荒野の再生》が機能しだすと、自分のメインでドロー→相手のターンに《悪意ある妨害》《根の罠》を構えながら何もなければドロー、という理想の動きが可能となる。
《運命のきずな》でターンを得て、《水没遺跡、アズカンタ》でさらにきずなを探して、巨大な《ハイドロイド混成体》を出して殴る……綺麗にブン回った時のこのデッキは、まさしく暴力の化身である。
土地とドローとコンボパーツを詰め込んだ結果、勝ち手段はメインではわずか3枚まで抑えられている。うかつに出して除去されるのを繰り返してしまうと、勝ち手段がなくなってしまうので気を付けよう。
このままではサイド後にはなかなか危険なので、《生体性軟泥》を追加するのが定番となっている。
《荒野の再生》から得たマナでウーズ・トークンを量産し、盤面を支配しよう。相手もこれがあるのでうかつに除去を抜いてしまう、ということができないのだ。1枚でゲームに勝てるポテンシャルを秘めているので、しっかりとそれを活かすように運用してやりたい。
赤を足すと《発展 // 発破》と《パルン、ニヴ=ミゼット》という骨太な勝ち手段が追加されるが、3色なのでどうしても色マナトラブルは起きてしまう。それを嫌うプレイヤーは2色のこちらを使うと良いだろう。マナ基盤に余裕ができたことで《天才の記念像》《オラーズカの拱門》が使えるのがこちらの強みだ。
スタンダードにおけるコンボデッキのポジションを陣取りつつ、壊れていない絶妙なバランスになっている《荒野の再生》デッキ。次のセットは《運命のきずな》と相性の良いプレインズウォーカーが36体も登場するとのことで、ジェイスやニッサなんかがこのデッキに加わったりする可能性があるのかも……とワクワク感もある。
あふれるマナで戦いたいプレイヤーは、今のうちにデッキを組んで準備しておこう!
RANKING ランキング
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!アルカニス降臨、3枚ドローはこうして狙え!(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
今週のCool Deck:海賊デッキ&兎デッキ、プレイされた国にも注目!(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
-
2024.12.19戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.19コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
2024.12.18戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.18広報室
2024年12月18日号|週刊マジックニュース
-
2024.12.17戦略記事
魂剥ぎ参戦!トレンドは新生化との組み合わせ(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事