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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ランタン・コントロール(モダン)
マジックフェスト・京都、お疲れさまでした! それではまた1か月後に、横浜でお会いしましょう!……って早いわ。間髪入れずとはこのことよ。1か月後にはまたお祭りだ!
横浜でのグランプリ本戦におけるフォーマットはモダン。スタンダードではまったく異なる環境なので、プレイヤーも準備が大変じゃないかな? まあ、それだけみっちりマジックに打ち込めるのは幸せなことには違いない! このコラムでも、『ラヴニカの献身』スタンダードの主要デッキを振り返りつつも、横浜に向けてモダンのデッキを取り上げていきたいと思うのでヨロシクゥ!
モダンは、一言でまとめてしまうとデッキが多い。もちろん流行り廃りもあるし、今はこれがトップクラスに強いと数字が証明している主力デッキってのはあるんだけれども、グランプリになると思い出したようにひょっこりと上位に食い込んでくる……そんなデッキたちがひしめている。デッキごとの相性というのもかなりハッキリしているので、まったく予想されていなかったデッキが当たり運に恵まれてスルスル駆け上がって優勝!なんてこともある。
京都に先駆けて行われたタンパベイとビルバオのグランプリ(リンク先は英語)では、「イゼット・フェニックス」と「ドレッジ」が勝ち組となった。
特にフェニックスの勢いはすさまじいものがあったが、タンパベイではちょっと久しぶりに見るなというデッキがトップ8に入賞し、モダンでやっぱり何でもありなんだなということを再確認させてくれた。今日紹介するのはそんなデッキの1つだ。
モダンをここ数年やっている人にはお馴染みのデッキだが、最近マジックを始めた人には衝撃的なビジュアルかもしれない。「ランタン・コントロール」だ!
1 《森》 1 《沼》 3 《花盛りの湿地》 4 《空僻地》 3 《産業の塔》 2 《アカデミーの廃墟》 2 《幽霊街》 2 《発明博覧会》 -土地(18)- -クリーチャー(0)- |
4 《オパールのモックス》 4 《古きものの活性》 3 《外科的摘出》 3 《思考囲い》 3 《コジレックの審問》 3 《真髄の針》 4 《洞察のランタン》 4 《写本裁断機》 2 《グール呼びの鈴》 2 《伏魔殿のピュクシス》 1 《虚無の呪文爆弾》 3 《暗殺者の戦利品》 4 《罠の橋》 1 《世界のるつぼ》 1 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》 -呪文(42)- |
1 《ガドック・ティーグ》 3 《溶接の壺》 2 《更生の泉》 1 《墓掘りの檻》 1 《自然の要求》 1 《紅蓮地獄》 2 《漂流自我》 2 《神聖の力線》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》 -サイドボード(15)- |
コントロールと言えば、除去や打ち消しを使って相手のやりたいことをさせず、制圧力のあるカードでゲームを決めるデッキ、という印象が強いんじゃないだろうか。この「ランタン・コントロール」はそういったスタンダードのコントロールとは毛色がかなり異なる。除去と呼べるものは《暗殺者の戦利品》くらいで、これでどうやって相手の猛攻をしのぐのかというと……答えは《罠の橋》。
こちらの手札が少なければ少ないほど、相手の攻撃できるクリーチャーに制限をかけることができる。0であれば、《貴族の教主》以外には恐れる者はいなくなる。コントロール=手札がいっぱいあれば幸せ!だが、このデッキは手札が空っぽで箸をおいている状態が最も勝利に近い、という常識を打ち破る存在なのだ。
このデッキの動きを紹介しよう。まずは手札破壊、《思考囲い》《コジレックの審問》で相手のデッキを確認しつつ、こちらにとって有害なカードを抜き去る。そこで見たコンボパーツなどには《真髄の針》を刺しておいても良い。
これにより、毎ターンの相手のドローが筒抜けになる。そこで引かれては嫌なもの、すなわち橋への対抗策や橋では押さえられない勝利手段などを確認したら、それを引かれないように《写本裁断機》《グール呼びの鈴》《伏魔殿のピュクシス》を用いてライブラリーの上から取り除く。
土地やクリーチャーなど問題ないものは引かせて、こちらは手札が空に近い状態を維持し続ける。これを相手のライブラリーが擦り切れるまで続けて勝つ、という超ロングゲームを見据えたデッキなのだ。自分のライブラリーは《アカデミーの廃墟》で維持できるので問題ないというわけ。これぞモダンならではのデッキだ。
ランタンはその構成上、クリーチャーで殴って勝つというデッキ全般に対して有利だ。ただ最近は、墓地にカードが落ちれば落ちるほど有利になる「ドレッジ」や《弧光のフェニックス》系デッキの隆盛で、ランタンで見つつアーティファクトで削るという動きは相手が得することに繋がりかねない状況だった。
そういうこともあってランタン使用者は他のデッキに流れていたようだが、このリストでは《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》を採用し、それら墓地デッキに対してのガードを上げるという工夫が施されている。
墓地のカードを追放するだけでなく、ライフ回復や1マナ以下のパーマネント追放というモダンではありがたい能力を有しており、コストは3マナと軽いのが嬉しい。また、[-5]能力によりライブラリー切れよりもスピーディーに勝つことができるのも、グランプリという長丁場では活きてくるだろうね。
《古きものの活性》というパワフルなサーチカードが使えるのがこのデッキの強みであり、これによって簡単にパーツが揃って勝利、というゲーム展開もあるだろう。
同時に、自分と相手のライブラリーをランタンで確認しながら、自分がそれを引いても良いか・相手にそれを引かせても良いか、先を考えてプレイしなければならないので簡単なデッキであるとは言えない。
勝ち方的にも玄人好みなデッキであるが、「私は戦闘など野蛮なことをせずに勝ちたいんでね」というプレイヤーにはもってこいのデッキと言えるだろう。横浜の地でもランタンが勝利への道を照らすのか? トップ8の顔ぶれが今から楽しみである。
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